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農林水産省

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作成日:平成29年3月23日

豚農場のE型肝炎ウイルス保有状況調査

 2.4.4.1. 豚農場

 2.4.4.1.1. 豚農場のウイルス保有状況調査(平成25年度)

豚農場のE型肝炎ウイルスの保有状況を把握するために、平成25年8~12月に30農場、平成25年11月~平成26年3月に24農場において、それぞれ1農場につき5頭、1農場につき20頭を対象にE型肝炎ウイルスの調査を行いました。
その結果、農場のE型肝炎ウイルス遺伝子の陽性率はそれぞれ7%(平成25年8~12月)、71%(平成25年11月~平成26年3月)でした。豚の E型肝炎ウイルス遺伝子の陽性率はそれぞれ3%(平成25年8~12月)、16%(平成25年11月~平成26年3月)でした。

(1) 目的

豚農場と豚のE型肝炎ウイルスの保有状況の傾向を把握する7
 
7 豚農場のカンピロバクター保有状況調査(2.4.1.1.1)、豚農場のサルモネラ保有状況調査(2.4.2.1.1)と併せて実施。
 

(2) 試料の採取

〇 第1回調査

平成25年8~12月に、肥育豚を飼養する30農場で、1農場につき5頭(計150頭)の直腸便(1農場につき試料5点)を採取しました。調査対象の豚の週齢は、3~30週齢でした。


〇 第2回調査

平成25年11月~平成26年3月に、肥育豚を飼養する24農場で、1農場につき20頭(計480頭)の直腸便(1農場につき試料20点)を採取しました。調査対象の豚の週齢は、4~26週齢でした。

(3) 微生物試験

直腸便を試料として、PCR法によりE型肝炎ウイルス遺伝子を検出(3.7.1.1)しました。これらの試料(5頭又は20頭の直腸便)のうち1点でもE型肝炎ウイルス遺伝子が検出された農場は、陽性(E型肝炎ウイルス保有)と判定しました。

(4) 結果

第1回調査では、豚農場の陽性率は7%(2/30)、豚の陽性率は全体では3%(4/150)、出荷時期に当たる25週齢以上では3%(1/33)でした。陽性豚の週齢は、17週齢(3頭)と26週齢(1頭)でした。

第2回調査では、豚農場の陽性率は71%(17/24)、豚の陽性率は全体では16%(78/480)でした。出荷時に当たる25週齢以上では0%(0/6)でした。陽性豚の週齢は11~15週齢で最も多く36%(16/44)、次いで4~10週齢で20%(38/192)でした(表11)。

 表11:豚の週齢別のE型肝炎ウイルス遺伝子陽性率(第2回調査) 

豚の週齢

頭数

E型肝炎ウイルス遺伝子

陽性数

陽性率(%)

4~10 192 38 20
11~15   44 16 36
16~20 156 19 12
21~26   88   5    6a
480 78 16

 注釈  a p<0.01(99%以上の確率で、21~26週齢の個体陽性率は4~10週齢、11~15週齢及び16~20週齢よりも低いことがわかりました。

まとめ

調査対象数は限られていますが、平成25年11月~平成26年3月に実施した調査では、豚からE型肝炎ウイルスの遺伝子は検出されず、平成25年8~12月に実施した調査では、出荷時期(一般的には25週齢以上)の豚1頭(3%)からE型肝炎ウイルス遺伝子が検出されました。このため、週齢が上がった豚もE型肝炎ウイルスを保有している可能性があると考えられました。

今後は、出荷に近い週齢の豚のE型肝炎ウイルスの保有状況や農場への侵入・感染経路を推定するための情報収集を行っていきます。

お問合せ先

消費・安全局食品安全政策課
担当者:危害要因情報班
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