このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

第6節 食育の推進



食育基本法は、食育に関し、基本理念を定め、国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、食育に関する施策の基本となる事項を定めることにより、食育に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、平成17(2005)年に制定されました。

政府は、これまで15年にわたり、都道府県、市町村、関係機関・団体等多様な関係者とともに連携を図りながら、現在及び将来にわたる健康で文化的な国民の生活と豊かで活力ある社会の実現のため、健全な食生活を実践することができる人間を育てる食育を推進してきました。本節では、食育の推進を図るための取組について紹介します。

(第4次食育推進基本計画の決定)

令和3(2021)年3月に、これまでの食育に関する取組の成果と課題を踏まえ、食育推進会議において「第4次食育推進基本計画」が決定されました。令和3(2021)年度から令和7(2025)年度までのおおむね5年間を計画期間として、食育の推進に当たっての基本的な方針や目標値を掲げるとともに、食育の総合的な促進に関する事項として取り組むべき施策等が定められました(図表1-6-1)。

本計画においては、国民の健康や食を取り巻く環境の変化、社会のデジタル化等、食育をめぐる状況を踏まえ、(1)生涯を通じた心身の健康を支える食育の推進、(2)持続可能な食を支える食育の推進、(3)「新たな日常」やデジタル化に対応した食育の推進の三つに重点をおいた取組を行うことが定められており、持続可能な世界の実現を目指すため、経済、社会、環境の諸課題に統合的に取り組むSDGs(*1)への関心が世界的に高まる中、食育の取組においても、SDGsの考え方を踏まえて推進する必要があるとされています。

食育の推進に当たっての新たな目標としては、「産地や生産者を意識して農林水産物・食品を選ぶ国民を増やす」ことや、「環境に配慮した農林水産物・食品を選ぶ国民を増やす」ことを新たに追加したほか、「学校給食における地場産物を活用した取組等を増やす」の目標項目において、「栄養教諭(*2)による地場産物に係る食に関する指導の平均取組回数」を目標値に加えました。また、取り組むべき施策として、全ての児童生徒が、栄養教諭の専門性を活かした食に関する指導を等しく受けられるよう、栄養教諭の役割の重要性やその成果の普及啓発等を通じて、学校栄養職員(*3)の栄養教諭への速やかな移行に引き続き努めるとともに、栄養教諭配置の地域による格差を解消すべく、より一層の配置(*4)を促進するとされています。

「令和元年国民健康・栄養調査」では、1日当たりの野菜類摂取量の平均値は280.5g、果実類摂取量の平均値は100.2gでした(図表-1-6-2、図表1-6-3)。「健康日本21(第二次)」で目標としている野菜摂取量350gや、「毎日くだもの200グラム運動」で推奨している果物摂取量200gには、まだ到達していません。また、年齢階級別にみると、野菜類、果実類ともに若い世代ほど摂取量が少なくなっています。「第4次食育推進基本計画」においても、野菜及び果物の摂取量に関する目標値を追加しました。引き続き、摂取量増加のため、野菜や果物の安定供給とともに、消費者への普及・啓発の取組を推進していくことが重要です。

図表1-6-1 第4次食育推進基本計画における食育の推進に当たっての目標
図表1-6-2 野菜類摂取量の平均値の推移

データ(エクセル:32KB / CSV:2KB

図表1-6-3 果実類摂取量の平均値の推移

データ(エクセル:32KB / CSV:2KB

*1 用語の解説3(2)を参照

*2 児童生徒の栄養の指導及び管理をつかさどる教諭(学校教育法第37条第13項)

*3 学校給食の栄養に関する専門的事項をつかさどる職員(学校給食法第7条)

*4 都道府県別の栄養教諭の配置状況については、以下を参照。https://www.mext.go.jp/content/20210115-mxt_kenshoku-100003340_1.pdf(外部リンク)

(「日本型食生活」の推進)

農林水産省では、食育の一環として、栄養バランスに優れた「日本型食生活」を推進しています。

「日本型食生活」とは、ごはんを中心に魚、肉、牛乳・乳製品、野菜、海藻、豆類、果物、お茶など多様な副食(主菜・副菜)等を組み合わせた栄養バランスに優れた食生活のことです。ごはんと組み合わせる副食等は、家庭での調理のみを前提とせず、冷凍食品やレトルト食品等も活用する形で普及を図っています。

近年、食品製造業、食品小売業、外食産業を始めとした食品関連事業者等による食育活動は、CSR(企業の社会的責任)活動の一環としてなど、様々な位置付けで取り組まれています。

具体的な取組内容としては、工場・店舗の見学、製造・調理体験、農林漁業体験、料理教室の開催のほか、店舗での食育体験教室の開催、出前授業、提供するメニューの栄養成分表示や、食生活に関する情報提供等、幅広いものとなっています。

毎年6月の食育月間には、全国の地方公共団体において、ソーシャルメディアを活用したフォトコンテストの実施等、多様な活動が行われています。農林水産省では、令和2(2020)年度に、ボランティア活動、教育活動、農林漁業、食品製造・販売等その他の事業活動を通じた食育関係者の取組を対象として、「第4回食育活動表彰」を実施し、ボランティア部門、教育関係者・事業者部門において、個人・団体を含む186件の応募があり、農林水産大臣賞7件及び消費・安全局長賞12件の表彰を行いました。受賞者の取組の内容を広く国民に周知し、食育を推進する優れた取組を全国に展開していくこととしています。



ご意見・ご感想について

農林水産省では、皆さまにとってより一層わかりやすい白書の作成を目指しています。

白書をお読みいただいた皆さまのご意見・ご感想をお聞かせください。

送信フォームはこちら

お問合せ先

大臣官房広報評価課情報分析室

代表:03-3502-8111(内線3260)
ダイヤルイン:03-3501-3883

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

Get Adobe Reader