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トピックス3 農林水産物・食品の輸出額が1兆円を突破



農林水産物・食品の輸出額は年々増加し、令和3(2021)年に初めて1兆円を突破しました。政府は、令和7(2025)年までに2兆円、令和12(2030)年までに5兆円という輸出額目標の達成に向けて、令和3(2021)年12月に「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略(以下「輸出戦略」という。)」を改訂し、更なる輸出拡大に取り組んでいます。以下では、農林水産物・食品の輸出をめぐる動きについて紹介します。

(農林水産物・食品の輸出額が過去最高額を更新)

令和3(2021)年の農林水産物・食品の輸出額は、前年に比べ25.6%(2,522億円)増加の1兆2,382億円となり、初めて1兆円を突破しました(図表トピ3-1)。

品目別では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により減少した海外の外食需要が回復したことに加えて、EC販売が好調だったことから、前年に比べ牛肉は85.9%(248億円)増加し537億円、日本酒は66.4%(160億円)増加し402億円となりました。また、贈答用や家庭内需要が増加したりんごが前年に比べ51.5%(55億円)増加し162億円となりました。国・地域別では、ホタテ貝や日本酒、ウイスキー等のアルコール飲料の輸出が増加した中国向けのほか、ぶり、牛肉等の輸出増加により米国向けが増加しました。

図表トピ3-1 農林水産物・食品の輸出額

データ(エクセル:33KB / CSV:3KB

(輸出阻害要因の解消等による輸出環境の整備の進展)

東京電力福島第一(とうきょうでんりょくふくしまだいいち)原子力発電所(以下「東電福島第一原発」という。)の事故に伴い、多くの国・地域において、日本産農林水産物・食品の輸入停止や放射性物質の検査証明書等の要求、検査の強化といった輸入規制措置が講じられています。これらの国・地域に対し、政府一体となってあらゆる機会を捉えて規制の撤廃に向けた粘り強い働き掛けを行ってきた結果、令和3(2021)年度においては、輸入規制措置がシンガポール、米国で撤廃され、EU、台湾等で緩和されました(図表トピ3-2)。

動植物検疫協議については、農林水産業及び食品産業の持続的な発展に寄与する可能性が高い輸出先国及び品目から優先的に協議を進めているところです。動物検疫協議については、国内で高病原性鳥インフルエンザ(*1)や豚熱(ぶたねつ)(*2)が発生しても輸出が継続できるよう、主な輸出相手国・地域との間で協議を行い、未発生県等からの輸出の継続が認められました。同年度もこれらの疾病が発生しましたが、鶏卵や豚肉の輸出拡大に影響を及ぼすことなく、輸出額は前年度よりも増加しています。植物検疫協議については、令和3(2021)年度は、ベトナム向けのうんしゅうみかんや米国向けのメロン、インド向けのりんごについて輸出が解禁されました(図表トピ3-3)。

図表トピ3-2 東電福島第一原発事故に伴う食品等の輸入規制の緩和・撤廃の内容(令和3(2021)年度)

データ(エクセル:30KB / CSV:2KB

図表トピ3-3 輸出が解禁された国と品目(令和3(2021)年度)

データ(エクセル:29KB / CSV:2KB

*1、2 用語の解説3(1)を参照

(輸出戦略の着実な推進)

我が国の農林水産物・食品の生産額に占める輸出額の割合は2%と、米国(12%)やフランス(28%)、イタリア(21%)と比較しても低い分、輸出増のポテンシャルは高いと考えられます。令和7(2025)年に2兆円、令和12(2030)年に5兆円の輸出額目標の達成に向けて、更に輸出を拡大するには、海外市場で求められる産品を生産・販売するマーケットインの体制整備が不可欠である一方、輸出にチャレンジする産地・事業者の支援、オールジャパンでの輸出の取組や海外での支援体制が不十分であること等が課題となっています。

このため、政府は、令和3(2021)年5月に、令和2(2020)年12月に策定した輸出戦略の具体的な対応策を「輸出拡大実行戦略フォローアップ」として取りまとめました。また、令和3(2021)年12月には、輸出戦略を改訂し、「かき・かき加工品」を新たに加え、28の輸出重点品目を定めるとともに、輸入規制の撤廃に向けた輸出先国・地域への働き掛けや輸出産地の育成・展開、輸出先国における輸出支援プラットフォームの立上げ等、新たな輸出促進施策の方向性を決定しました。

さらに、改訂した輸出戦略に基づき、「農林水産物及び食品の輸出の促進に関する法律等の一部を改正する法律案」を令和4(2022)年3月に国会に提出しました。これにより、輸出品目ごとに、生産から販売に至る関係者が連携し、輸出の促進を図る法人を「認定農林水産物・食品輸出促進団体」(品目団体)として認定する制度を創設し、オールジャパンでの輸出拡大を推進することとしています。これは、例えば、米であれば、米の生産者、産地、卸売業者、パックご飯の製造者等、生産から販売までの幅広い関係者によって品目団体を構成し、業界が一丸となって、輸出先国・地域のニーズ・規制の調査やジャパンブランドを活用したプロモーション等の輸出促進に取り組むこととするものです。このほか、本法案においては、輸出事業に必要な設備投資への金融・税制の支援の拡充、民間検査機関による輸出証明書の発行、JAS法改正による有機JAS制度の改善等も行うこととしています。

第1章第5節を参照




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