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ICIDと日本

ICIDと日本

1. 設立目的

設立の経緯及び日本の加盟

1946年に、インドのかんがい中央事務局(非政府機関)は、他の諸国と協力して、かんがい技術を発展させるための国際機関(非政府団体)を設立したい旨を、インド政府に申し入れました。同事務局の招請に応じて、1950年6月、インドのシムラに集まった30ヵ国代表者によって「国際かんがい運河委員会」が設立されました。1951年1月にインドのデリーで第1回総会が開かれ、委員会の名称は「国際かんがい排水委員会(ICID)」となりました。日本は、1951年9月6日付けでICIDへの加盟を申請し、同日受理されました。

2. ICID日本国内委員会

ICIDはかんがい排⽔に係る技術・組織、⾏政や制度の情報交換ができる世界で唯⼀の組織で、農業農村整備分野における⽇本の技術・知見を提供できる国際貢献の場です。

わが国は、設⽴直後の1951年(昭和26年)に閣議決定に基づいてICID⽇本国内委員会を組織し、正式加盟しました。
以降、1963年(昭和38年)には「第5回国際総会並びに第14回国際執⾏理事会を、1989年(平成元年)には「第8回アジア・アフリカ地域会議」をそれぞれ東京で開催するなど積極的に活動しています。
ICID⽇本国内委員会は、大学、研究機関、民間企業などからの委員で構成されており、2023年(令和5年)11⽉現在、26の委員会、作業部会、タスクフォースに専門家を派遣し、調査研究活動を⾏っています。

また、我が国のICID活動を⺠間レベルで⽀援するため、かんがい排⽔に関する技術を有する法⼈、団体、個⼈によって⽇本ICID協会が設⽴されています。

日本におけるICID活動実施体制
日本におけるICID活動実施体制

国内委員会規約(PDF : 122KB)

日本ICID協会規約(PDF : 95KB)


3. ICID日本国内委員長あいさつ

国際かんがい排水委員会(International Commission on Irrigation and Drainage, ICID)は、かんがい・排水・洪水管理等の分野で、科学技術の研究・開発、経験知見等の交流の奨励及び促進を図ることを目的に、1950年にインドで設立された非営利の国際NGOです。ICIDは、設立以来、この目的に沿って、水・土地資源の管理に関する研究開発、能力開発、包括的な手法の応用及び持続的な農業のための革新的技術を含め、自然科学と人文・社会科学における技能や科学技術の開発を推進することを目指し、かんがい排水に関する世界で最大規模の専門家ネットワークとして活動を行ってきています。現在、「持続可能な農業開発を通じた貧困と飢餓のない水の安全な世界」の達成をビジョンとして掲げ、経済的に実行可能で、社会的に受け入れられ、環境的にも健全なかんがい、排水、洪水管理への学際的なアプローチを通じて、「持続可能な農業水管理」に向けて協働することを使命として活動しています。

日本においては、1951年の閣議決定に基づいて、ICID日本国内委員会(JNCID)が組織され、ICIDへ加盟しています。以来、ICID日本国内委員会は、農林水産省農村振興局整備部設計課海外土地改良技術室を事務局として、ICIDの目的・使命に従った研究・支援活動を行っており、特に、アジア・アフリカの稲作の生産性向上のためのさまざまな科学技術的課題については中心的な役割を果たしてきました。

世界的には、急速に進む人口増加や経済成長と、それに伴う土地・水資源の開発管理、食料需給や、衛生や環境保全などに関する問題など、かんがい排水分野における課題はなお多く残されています。さらに、近年においては、気候変動に伴う深刻な洪水・干ばつの頻発や、農業水利用による生物多様性と生態系サービスへの影響など、持続可能な農業水管理の実現に向けた新たな課題も加わっています。こうした状況に鑑み、ICID日本国内委員会は、我が国の高い科学技術レベルと歴史的な実績に基づいて、とくに開発途上国における食料の増産、農業生産性の近代化、気候変動の影響評価と対応を中心として、ICIDに継続的かつ組織的に参加して活動を主導することに取り組んでいます。なかでも、アジア・モンスーン地域の水田稲作におけるかんがい、排水、洪水管理の課題に対しては、日本が主導して設立・運営するINWEPF(国際水田・水環境ネットワーク.International Network for Water and Ecosystem in Paddy Fields)と密接に連携し、またその分野の国際学会PAWEES(国際水田・水環境学会.International Society of Paddy and Water Environment Engineering)とも交流を深めて、ネットワークを広げながら取り組んできています。

ICID日本国内委員会は、今後も、ICIDにおける活動を通じて、この分野における技術交流の促進を図り、日本としての役割を果たしていく必要があります。特に、国連のSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて、活動を一層積極的に、また効果的に進めていかなければならないでしょう。さらに、こうした国際的な活動による知見や経験を、日本国内の農業・農村における現在のさまざまな課題の解決にも役立つものとすることが求められていると考えます。

 渡辺氏の写真画像


      お問合せ先

      ICID(国際かんがい排水委員会)日本国内委員会事務局

      〒100-0013 東京都 千代田区 霞ヶ関 1-2-1
      農林水産省 農村振興局 整備部 設計課 海外土地改良技術室内
      Tel. 03-3595-6339

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