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農林水産省

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aff 2019年8月号
漁師になる

漁師への道は開かれている

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船を駆って大海原を行き、大物を釣り上げる。漁師は、かっこよく、やりがいのある仕事ですが、
それに加えて近年は、新たな漁業のビジネスモデルにチャレンジする漁師も続々と登場しています。
今月号では、先進的な取り組みをしている漁師の方々や
全国で展開されている漁業への新規就業を支援する動きを紹介します。

多様化している漁師のなり手

漁業を守り、発展させていくために欠かせないのが担い手である漁師の育成です。ところが、1961年には70万人に迫るほどだった日本の漁業就業者は今や約15万人まで減少しており、さらに高齢化も進んでいます。意欲のある新たな漁業者の確保は水産物の安定供給のみならず、漁村の活性化という観点からも大切です。

漁業就業者数の推移

とはいえ、縁もゆかりもない未経験者がいきなり漁師になることはイメージしにくいかもしれません。これまでの典型的な就業のパターンは、漁師の家に生まれた人が親の跡を継ぎ、地域の漁業協同組合の組合員になって働くというものでした。

しかし近年は、生活や仕事に対する価値観の多様化により、漁師の子弟が必ずしも漁業に就業するとは限らなくなっています。

漁師になるまで(沿岸漁業の場合)

情報を
集める

漁業の種類や地域によって、働き方や生活が大きく異なる。どのような漁業があり、自分がどのような漁師になりたいのか、できるだけ情報を集めて、自分が目指す漁師の姿をイメージする。

現場を知る

漁業就業支援フェアや漁業体験などに参加して、実際の漁師の仕事ぶりや生活を見てみよう。

求人情報を
探す
(就職活動)

目指す漁師が決まったら、求人情報を探して直接アプローチしよう。また、漁業研修や各地の漁業学校で就業前に指導を受けて、経験を積むこともできる。

漁師へ

就職後は、独立して自分で生計を立てるか、漁業会社の従業員としてキャリアを積むかによってアプローチが異なる。独立するための方法もいろいろあるので、情報収集は欠かさないようにしよう。

未経験者が漁師になる方法には漁業会社に就職する他、漁師の弟子になるという方法があります。この特集で紹介する銭本彗さんの場合、長崎県の対馬の漁村に移住し、漁師の弟子になって1年間働き、認められて漁協の組合員になることができました。さらに1年後には親方漁師から漁船を譲られるという幸運に恵まれています。

(注)地元の漁業協同組合などに漁業権が設定されている場合や、特定の漁具、漁法が都道府県知事や国の許可制となっている場合があります。

漁業の担い手の育成支援の動き

水産庁が新規就業者にアンケートを行ったところ、「就業初期の課題」のうち、圧倒的に多い回答が「漁業に必要な技術・知識の不足」(40パーセント)でした。

新規漁業就業者の初期の課題(複数回答)

これに対し、国や地方自治体、漁協などは経験のない人も就業できるよう、知識や技術の習得の支援を行い、また新規就業が軌道に乗りやすいよう、環境の整備に努めています。

例えば、国の漁業人材育成総合支援事業は、就業前の漁業学校などで学んでいる若者に資金を交付する他、漁業現場での長期研修や経営能力の向上を支援する仕組みです。

この他、地方自治体や漁協が主体となった新規就業支援の取り組みが実施されており、全国各地で開催される漁業就業相談会や漁業を体験する就業準備講習会を国としても支援しています。さらに大分県の「豊の浜塾」や兵庫県の「大輪田塾」など、人材育成も行われています。また実践的な技術や知識を学べる漁業学校も全国17カ所(2019年8月現在)に設置されています。

そして現在、全国各地の浜では、従来の漁師のイメージを払しょくするような漁業者たちが、新規就業者の参考となるような活躍を始めています。この特集では、こうした漁業の新たな潮流を取り上げます。

お問合せ先

大臣官房広報評価課広報室

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