このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー
aff 2020年4月号
4月号トップへもどる

各分野の先端機器をめぐる
[農業・畜産業編 1]

2ページ目/全7ページ

農業者の高齢化や担い手不足などの課題解決のために、経験の浅い生産者をサポートして農業の生産性向上を図るICT(情報通信技術)やロボット技術が注目されています。
ここでは、農業・畜産業分野で活躍している先端機器や、今後期待される機械などを紹介します。

誰でも正確に作業できる自動運転のコンバイン
「アグリロボコンバインWRH1200A」(株)クボタ
アグリロボコンバインWRH1200A

業界初となる自動運転農機「アグリロボコンバイン WRH1200A」は、これまで経験と技術が必要だった、コンバインの運転を簡単にすることに成功しました。複数のレバーやボタンを操作することなく、運転に慣れていない人でもオペレーターとして搭乗するだけで、稲や麦を収穫できます。

さらに、GNSS(人工衛星を使って地上の現在地を計測するシステム)を利用し、誤差は数センチメートル以内の高い精度で走行。モミを排出するタイミングまで含めた最短距離・最短時間で作業ルートを自動計算するので、ムダのない収穫が可能です。

衛星からの位置情報でまっすぐ進む田植機
「直進アシスト田植機」井関農機(株)
直進アシスト田植機

田植え作業の負担軽減が図られたり、運転が慣れていない人にも簡単な操作だけで自動直進ができる“直進アシストシステム”を搭載した田植機。

この他、土の深さなどに合わせて施肥量を自動でコントロールし、稲の倒伏を低減させる機種もあり、品質の安定や肥料コストの低減を実現します。

腰の負荷をやわらげるアシストスーツ
「マッスルスーツEvery」(株)イノフィス
マッスルスーツEvery

「マッスルスーツEvery(エブリィ)」は、腰部の補助に特化した装着型のアシストスーツです。空気圧式人工筋肉の働きによって装着者の動作を補助。重い物を持ち上げるときや中腰姿勢を続ける際、腰の負担を軽減するとともに、農作業の環境向上に貢献します。

また、電力不要なので、屋外でも1日中使用可能。農業はもちろん、介護・福祉事業や建設業など、さまざまなシーンでの活躍が期待されています。

作業者に追従して負担を軽減する農業ロボット
自律多機能型農業ロボット「MY DONKEY」(株)日本総合研究所
自律多機能型農業ロボット「MY DONKEY」

MY DONKEYは、作業アタッチメントを使い分けることで、多岐にわたり農業者を支援する多機能型自律ロボット。

スマートフォンによるマニュアル操作、農業者の自動追従、ルート設定による自律走行が可能です。例えば、農業者を認識し、一定の距離を保ちながら自動追従することで、収穫した農産物の運搬を支援。農業者は、重量物の運搬に伴う負担やコンテナ搬出作業から解放されます。

また、農薬タンクと噴霧装置を搭載することで、防除作業の支援も可能。現在、自律走行しながら農薬を自動散布する機能を研究・実証中です。

(注)MY DONKEYは(株)日本総合研究所が中心となって社会実装を目指している農業ロボットです。
(注)現在MY DONKEYは開発中であり、製品の性能や機能を保証するものではありません。

クボタが描く未来の「コンセプトトラクタ」

(株)クボタの「コンセプトトラクタ」は、未来の農業を具現化するために作られた、AIや電動化技術などを装備した完全無人の自動走行トラクターです。

人が搭乗することなく、天候や生育状況などのデータから最適な作業をAIにより判断して、最適なタイミングで、自動で作業します。特徴的なフォルムは、湿田や不整地など多様な環境に対応した四輪クローラーと、無人仕様のレイアウトによって実現したもので、実用性と先進性を兼ね備えています。

また、リチウム電池とソーラーバッテリーを利用した完全電動で、排気ガスを出すこともないため環境負荷の低減にも貢献します。

完全無人の自動運転トラクター

お問合せ先

大臣官房広報評価課広報室

代表:03-3502-8111(内線3074)
ダイヤルイン:03-3502-8449