食を究めたスペシャリストが教えます 達人レシピ。
日本各地、旬の食材を提供する農家や漁師など、食のスペシャリストたちが、専門家だからこそ知っている秘伝のレシピを紹介。食材の味や、栄養を引き出し尽くす! 達人ならではのレシピをお見逃しなく!
第12回 りんご

全国のりんご収穫量のうち、青森県は約6割(2018年)を占めています。その主要生産地である弘前市は、時計やポスト、マンホールなど、市内の至る所にりんごのモチーフが見られる「りんごの街」です。明治時代初期の1875年4月に内務省勧業寮から配布されたりんごの苗木3本が県庁構内に植えられたのが、青森県におけるりんご栽培の始まりといわれています。
りんご栽培の達人
まさひろ林檎園
工藤 昌弘さん(青森県弘前市)

津軽の名峰岩木山麓の東側に位置するまさひろ林檎園では、りんごの実を収穫するまで葉を取らない「葉とらず栽培」にこだわっています。「葉を取らずに栽培すると、葉の陰になって日光が当たらない部分ができるため、実の赤さにムラが生じます。そのため見た目はよくありませんが、葉による光合成量が増え、糖度は葉を取って栽培するよりも1度から2度高くなります。人気品種のサンふじであれば、通常よりも蜜入りが多くなり、より濃厚な味わいになります。」
先代から引き継いだ当初は200アール程度の広さだった農園も、現在では5倍以上に拡大して11ヘクタールに。栽培する品種も約50種に増えました。「実際に食べておいしいと感じた品種を栽培していくうちに増えていきました。今後は、加工用りんごにも力を入れたいと考えています。また、次のシーズンからは作業性の向上が見込める新わい化栽培(木を細く、低く、密集させる栽培法)を試そうと思っています。味のためには手間を惜しみませんが、効率化できるところは改善していく。おいしいりんごをより多くの人に食べてもらえるように、これからも最善の栽培方法を模索していきます。」工藤さんのりんごへの探求心はまだまだ尽きません。


りんごに含まれるさまざまなポリフェノールの約6割を占めるプロシアニジンには強い抗酸化力があり、血液改善や、脂肪吸収の抑制、美肌効果が期待できます。りんごを切ると変色するのは、ポリフェノールが酸素にふれて酸化するため。りんごを切ったら塩水などにつけて酸化させないようにしましょう。(監修:管理栄養士・国際中医薬膳師 清水 加奈子さん)
食のスペシャリストが教える! 達人レシピ"
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1
りんごの皮をむいて芯を取り、いちょう切りにします。
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2
鍋に1とサイダー、レモン汁を入れて弱火でコトコト煮ます。
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3
水分が無くなり、りんごが柔らかくなれば出来上がりです。
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4
凍らせてシャーベットにしたり、アイスクリームをトッピングしたりしてもおいしいです。

ここがポイント!
甘味が足りない場合は、お好みで砂糖を加えて煮てください。シナモンやラム酒を加えると大人の味わいになります。

生のりんごからは、野菜や果物の追熟を促すエチレンガスが発生するため、ポリ袋に入れ冷蔵庫の野菜室で保存してください。りんごを新聞紙に包んでからポリ袋に入れると、余分な水分が吸収されてより長持ちします。
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