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aff 2022 DECEMBER 12月号
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家庭で実践! 食中毒予防策 調理器具・調理編

家庭で実践! 食中毒予防策 調理器具・調理編

家庭における食中毒予防策での重要なポイントのひとつに、調理時の対応が挙げられます。第2週目は、調理時に使用する調理器具や食材等の取り扱い方法について紹介します。

監 修 | 金井美恵子 東都大学管理栄養学部教授

調理器具編 調理器具編

調理器具は清潔に!

使い終わった調理器具や食器類、さらにそれらを洗ったスポンジやたわしにも細菌等が付着してしまうため、食中毒の原因となる可能性があります。調理器具や食器、特に肉や魚介類、生野菜などの生モノに触れたものは、洗った後定期的に消毒するよう心がけましょう。

洗浄&消毒がおすすめです!

包丁やまな板は、先に生野菜などに使用し、肉や魚介類はその後に使用しましょう。生の肉や魚介類に使用した包丁やまな板には、食中毒を引き起こす細菌等が付着する可能性があるため、調理済みの食品が触れないよう注意が必要です。可能であれば、包丁やまな板は肉と魚介類用、野菜と果物用、さらには調理済み食品用と使い分けるとより安全です。使用後は洗剤を使用して洗浄し、その後、熱湯や塩素系漂白剤を用いて消毒することをおすすめします。また、調理器具や食器の洗浄時に使用するスポンジやたわしは特に細菌が増殖しやすいため、よくすすいだ後、調理器具と同様に消毒し、水気を切って乾燥させます。なお、スポンジ類は定期的に交換しましょう。

パッキン部分も洗浄を!

弁当箱のパッキンは、弁当箱の中の汁や匂いを漏らさないよう、蓋と本体を密着させるためのものです。パッキンがついている部分は複雑な形をしており、なかなか洗浄が行き届かずに汚れが残ってしまうと、細菌等の増殖につながる恐れがあります。そのため洗浄時には必ずパッキンを外し、パッキン自体はもちろんのこと、配置する溝もブラシなどを使ってしっかりと洗浄しましょう。また、包丁やまな板同様、洗浄後に消毒すればより安心です。

国産木材のまな板で、
家庭での料理が
もっと楽しくなる!

:片面は野菜と果物を、反対の面は肉と魚を調理するなど面で食材を使い分けられるよう、印が付いたまな板も。:国産材を使用し高い加工技術を活かしたユニークなデザインも多くラインアップする。

木のまな板は、温もりのある天然素材で、使ったときの音も心地よい調理器具です。なかでも、国産ヒノキを使用したまな板は、ヒノキならではの爽やかな香りと、美しい白木の色合いも大きな魅力です。また、ヒノキは水切れが良く乾燥も早いなど使い勝手も良好。しかも、ヒノキに含まれる成分に抗菌・抗カビ効果があることから、まな板が長持ちします。なお、表面と裏目に焼印などで印が付いているものでは、片面では肉や魚を、もう片面では野菜や果物、調理済み食品など使い分ければ、より衛生的に使用することが可能です。

調理編 調理編

調理前の水洗い○✕を知ろう!

肉は洗ってはダメ!

肉に付着した血やドリップが気になる方もいらっしゃるかと思いますが、それを落とすために水洗いすることはおすすめしません。水洗いすると、細菌等がシンク周辺に飛び散り、他の食材や調理器具に付着する可能性があるからです。

野菜や魚は
しっかり洗う!

一方、野菜や果物は表面に汚れ等が付いている可能性があるため、流水で洗い流してからの調理をおすすめします。また、一尾ものの魚や殻付きの貝類を調理する際も水洗いしましょう。魚介類を汚染する腸炎ビブリオなどの食中毒菌は塩分のない環境では増えることができないため、流水でしっかりと洗うことが重要です。

手袋などの使用で安全な調理を

手洗い前の手の表面には、黄色ブドウ球菌という食中毒菌が存在しているため、手洗いをせず食材や調理器具に触れるのはご法度です。また、たとえ石鹸で手洗いしたとしても、その後、何気なく触れた食材等から細菌等に汚染されてしまう可能性も少なくありません。おにぎりや手巻き寿司などは素手ではなく、ラップなどを使って作りましょう。また、手に怪我をしている場合は、傷口に存在する黄色ブドウ球菌が食中毒を引き起こす可能性があるため、傷口が直接食品に触れないよう、使い捨ての手袋などを使うようにしましょう。

自然解凍より
電子レンジや流水での解凍を!

冷凍しておいた食材の解凍方法にも注意が必要です。「常温(自然解凍)で」と指定のある食材以外は、冷蔵庫の中で解凍するか、短時間での解凍が可能な電子レンジや保存パックのまま流氷で解凍しましょう。その理由は、自然解凍では時間がかかり、食中毒を引き起こす細菌等が増殖する恐れがあるからです。夏はもちろん、暖房で室温が高くなる冬場でも気をつけていただきたいポイントです。


加熱はしっかり中心まで確認を!

食材の不十分な加熱も食中毒の大きな原因です。食中毒を引き起こす多くの微生物は、75度で1分以上加熱することで死滅しますが(ただしノロウイルスの死滅には、85度から90度で90秒以上の加熱が必要)、その際は表面だけでなく中心部まで十分に加熱されている必要があり、そのために必要な温度や時間は一定ではありません。例えば、しっかりと加熱されたかが焼色や断面から判断するのが難しいハンバーグの場合、中心部を竹串等で刺した際、肉汁の赤みが完全に無くなり透明となっていたら焼き終わりの合図というように、食材や調理方法ごとの判断が必要です。また、食品の内部の温度を測れる調理用温度計を使うと、なおよいでしょう。なお、焼き肉やしゃぶしゃぶをする時には、生肉用の箸やトングを使い、食べる箸で生肉に触れないようにすることで、より衛生的に食事していただけます。

出典:食品安全委員会「食品安全関係素材集」
(https://www.fsc.go.jp/sozaishyuu/hamburg.html)の
画像を加工して作成

今週のまとめ

調理器具等を使った後はよく洗い、
消毒しましょう。
魚介類や野菜はしっかりと
水洗いしましょう。
おにぎり等を作る際は、
素手ではなくラップなどを使いましょう。
食材は中心部まで
しっかり加熱しましょう。

(PDF:3,330KB)
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