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農林水産省

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aff 2023 JUNUARY 1月号
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冬もおいしい葉物野菜 ご当地ならではの葉物野菜料理

冬もおいしい葉物野菜 ご当地ならではの葉物野菜料理

寒くなるにつれて甘みが増してくる葉物野菜。今回はキャベツ、はくさい、こまつな、しゅんぎく、ほうれんそうを取り上げて、代表的な産地の方に、おすすめの料理を紹介していただきました。

独特の食感が魅力のキャベツのコロッケ 独特の食感が魅力のキャベツのコロッケ

材料(2人分)

キャベツ … 4分の1個(300グラム)
たまねぎ … 4分の1個(50グラム)
豚ひき肉 … 50グラムから70グラム
サラダ油 … 適量
塩・こしょう … 少々
缶入りホワイトソース … 50グラム
(ない場合は小麦粉 大さじ1と2分の1、
牛乳 大さじ2分の1)
カレー粉 … 小さじ2分の1


【 衣 】
小麦粉 … 適量
溶き卵 … 大1個
パン粉 … 適量 揚げ油 … 適量

作り方
  1. キャベツを幅3ミリメートルから5ミリメートル、長さ3センチメートルから5センチメートル程度の千切りにする。
  2. 1を電子レンジでしんなりするまで加熱して(600ワットで1分)、粗熱を取った後、ふきんに包み水分をしっかり絞る。または沸騰した湯に少量の塩と油を加えて茹でてもよい。
  3. たまねぎをみじん切りにし、サラダ油で炒めて塩・こしょうを振る。
  4. 23をボールに入れ、豚ひき肉、ホワイトソース、カレー粉を混ぜ合わせて、6から8等分にして俵型にまとめる。
  5. 小麦粉、溶き卵、パン粉の順に衣をつけ、180度の油できつね色にカラッと揚げる。

作付面積が全国第1位(令和2年産野菜生産出荷統計)と、キャベツの一大産地である愛知県。特に11月から3月に出荷される冬キャベツは、国内シェアの3割以上を占めています。県内でも温暖で生産が盛んな東三河地域に位置する田原市で生まれたキャベツの新料理が「キャベコロ®」。ジャガイモの代わりに田原産のキャベツをたっぷり使い、シャキシャキした食感が特徴の新感覚コロッケです。誕生のきっかけは、田原市内の農村女性組織「農村輝きネット・あつみ」が開催した「地元農産物を活用した加工品・料理コンテスト」で2011年の最優秀賞を受賞したことです。その味とネーミングの秀逸さに価値を見出した田原飲食業組合が地域活性化のために商品化に向けて動き出し、豊橋市の食品製造業(株)サンショクと共同で約1年かけて冷凍食品のキャベコロ®を開発しました。当初は業務用の100個入りでカレー味のみでしたが、地元飲食店で提供すると好評だったため、家庭用の5個入りも登場。その後、学校給食でも提供されたほか、2016年度の「優良ふるさと食品中央コンクール」の国産農林産品利用部門で農林水産大臣賞を受賞しました。また同年に田原市から「渥美半島たはらブランド」に認定されてふるさと納税の返礼品にもなり、田原の名物料理としてすっかり定着しました。

地元飲食店 お食事処 もく
藤江伸治 さん

キャベコロ®の条件は、1.ジャガイモを入れない。2.田原産のキャベツを基本とする。3.主な材料に田原の物を使用する、キャベツのコロッケです。カレー風味に仕上げてあるためソースがいらず、こどもから大人まで好まれる味になっています。ビールのおつまみにもピッタリ。田原市内には、当店を始めキャベコロ®を提供する飲食店がありますので、ぜひ食べにいらっしゃってください。ご自宅で作る場合には、たねにシラスやツナ、大葉とチーズなどを使ってアレンジしてもおいしいですよ。

キャベツの消費拡大や農家の応援を目的に製品化されたキャベコロ®は、発売当初はカレー味のみでしたが、現在は写真のプレーン味も加わっています。シャキシャキした食感とヘルシーさが最大の魅力です。


八千代町産はくさいをたっぷり使ったキムチ鍋 八千代町産はくさいをたっぷり使ったキムチ鍋

材料(2人分)

はくさい … 8分の1個(250グラム)
豚肉 … 30グラム
キムチ … 30グラム
だいこん … 8分の1本(125グラム)
にんじん … 8分の1本(25グラム)
ねぎ … 2分の1本
にら … 1束

豆腐 … 半丁
味噌 … 30グラム
本だし … 20グラム
サラダ油 … 少々
水 … 適量
ごま油 … お好みで

作り方
  1. 野菜、豚肉、キムチを食べやすい大きさに切る。
  2. 鍋にサラダ油を引き豚肉を炒める。
  3. キムチを加えて全体に味がなじむ程度炒める。
  4. にんじん、だいこん、水、味噌、本だしを入れて程良く柔らかくなるまで煮込んだら、はくさいを入れて程よく煮込む。
  5. 最後にねぎ、にら、豆腐を入れて程良く煮込めば完成。最後にごま油を回しかけると風味が増します。

茨城県ははくさい(春、秋冬)の生産量が全国第1位(令和2年産野菜生産出荷統計)の大産地。肥沃な平地が多い県西部を中心に、主に冬から春にかけて栽培されていて、なかでも結城郡八千代町は県内一のはくさい産地です。大正時代から栽培が始まり、戦後になると夏場のすいかと冬場のはくさいを組み合わせた経営が広がりました。八千代町商工会、JA常総ひかりなどから構成される八千代地区農畜産物生産流通対策協議会では、2012年に「白菜プロジェクト」をスタートし、はくさいの消費拡大や地域活性化に取り組んでいます。その活動の一環として街をあげてPRしているのが「白菜キムチ鍋」です。八千代町の白菜キムチ鍋の条件は「必ず八千代町産白菜と県内産豚肉をたっぷり使用すること」。町内にある13店舗の飲食店では、それぞれ具や味付けを工夫したオリジナルの白菜キムチ鍋を提供しています。町を訪れる機会があったら、ぜひ食べてみてください。

八千代町役場産業振興課
廣瀬紗希 さん

白菜キムチ鍋を作る時は、水を入れて煮込む前に、まず豚肉とキムチを炒めるのが八千代町流。味が全体的に染みわたりやすく、おいしくなります。また最後にごま油を回しかけるのもポイントです。私も冬は自宅で作ったりしますが、お好みで他の具材を入れたり、自家製キムチでアレンジしてもおいしく食べられますよ。

八千代町が白菜キムチ鍋と並んでPRしている「白菜メンチカツ」。はくさいを使うことで、ジューシーながら甘くサッパリした味わいになっています。

八千代町のイメージキャラクター「八菜丸(はなまる)」。モチーフはもちろん八千代町が生産量トップクラスを誇るはくさいです。


簡単に作れて飲みやすいこまつなのスムージー 簡単に作れて飲みやすいこまつなのスムージー

材料(約500ミリリットル分)

こまつな … 2分の1株(30グラム)
バナナ … 1本
ヨーグルト … 100グラム
りんごジュース(りんご果汁100パーセントのもの) … 100ミリリットル
牛乳 … 100ミリリットル
氷 … 2個

作り方
  1. こまつなを5ミリメートルから1センチメートル幅くらいに細かく切る。
  2. バナナをひと口大に切る。
  3. ジューサーの中にすべての材料を入れ、ふたを閉めてスイッチを入れる。中身の状態を確認しながら、材料のかたまりがなくなるまで混ぜ合わせる。
  4. コップに注いで完成です。

関東地方での生産が盛んなこまつな。生産量第1位(令和2年産野菜生産出荷統計)の茨城県の中でも、県南東部に位置する鉾田市を中心とした地域での栽培が盛んです。鹿島灘に沿って位置する鉾田市は平坦な地形や温暖な気候に恵まれ、メロンやみずななどの産地としても有名です。JAほこた園芸部会の小松菜部では、栽培講習会や目揃え会(品質や規格の確認会)を定期的に開催する他、傷みを抑えるために最新の真空冷却装置でチルド状にするなど、品質のよいこまつなの出荷に取り組んでいます。またJAほこたの野菜や果物を使った料理のレシピを料理レシピサイトで公開して、販売促進にも努めており、今回紹介する「小松菜スムージー」も、そんなレシピのひとつ。ちなみにこのレシピ集、当初は職員だけで考案していましたが、若い人の感覚も取り入れようということで、近年は茨城県立鉾田第二高等学校の家庭クラブとコラボして、生徒考案のレシピも加えています。JAほこたの直売所では冊子にしたレシピを配布していて、とても好評だそうです。

JAほこた 営農企画推進課
井川千鶴 さん

野菜を使って一番簡単にできるもののひとつがスムージー。じつは「小松菜スムージー」は一度料理レシピサイトに載せているのですが、苦みを感じるというコメントをいただいたので、その改良版がこちらになります。バナナ、りんごジュースとヨーグルトを加えることで、こまつなの苦みと青臭さを抑えました。葉物野菜が苦手な方、小さなお子様でも飲みやすいスムージーです。


しゅんぎくを使ったジェノベーゼ風パスタ しゅんぎくを使ったジェノベーゼ風パスタ

材料(2人分)

しゅんぎく … 1袋(150グラム)
にんにく … 1片(チューブの場合は10グラム程度)
オリーブオイル … 50グラム
塩 … 5グラム
炒りごま … 10グラム
スパゲッティ(乾) … 150グラム

作り方
  1. 水洗いしたしゅんぎくを適当な大きさに切り、しっかりと水気を切る。にんにくは皮を剥いておく。
  2. しゅんぎくの葉数枚とスパゲッティ以外の材料をフードプロセッサーにかける。フードプロセッサーがない場合はしゅんぎくとにんにくをみじん切りにしてから器で混ぜ合わせる。
  3. 沸騰した湯に塩(分量外)を入れスパゲティをゆで、茹であがったら水気を切り、2を入れてからめる。器に盛り、しゅんぎくを乗せてできあがり。

消費地と生産地の距離が近い都市農業の強みを活かし、日持ちの難しい野菜の栽培が盛んに行われている大阪府。中でもしゅんぎくは全国第1位(令和2年産野菜生産出荷統計)の生産量です。関西では「きくな」と呼ばれて親しまれているしゅんぎくですが、こちらで栽培されているのは茎が立ち上がらず株が根元から横に張る「株張り中葉」品種。あくが少なくクセもないため、鍋料理だけでなくサラダなどの生食にもよく使われています。大阪府では、主力産地の泉州エリアを中心に、生産体制の強化や認知度やブランド力の向上を目的とした「泉州きくなプロジェクト」に取り組んでいます。そして「『きくな』と言えば『泉州きくな』やろ!」を合言葉に、新規就農希望者を対象とした栽培技術講座や料理レシピサイトでのレシピ公開、各種SNSでの情報発信なども実施。料理レシピサイトには、レシピコンテストの受賞作のほか、府内の野菜ソムリエプロなどが考案したレシピが掲載されていますが、今回紹介する「菊菜のジェノベーゼパスタ」はその最新のもので、しゅんぎくの生産農家でもある三浦農園の深見麻衣さんが考案したレシピです。バジルの代わりにしゅんぎくを使ったジェノベーゼソースは、パスタの他にグリルチキン、バケット、チーズトースト、ピザなどに使ってもおいしく、またお酢や柑橘類とオリーブオイルを追加してドレッシングにもできます。

三浦農園
深見麻衣 さん

しゅんぎくは当園で昔から作っている野菜のひとつです。クセのある香りが苦手な人もいますが、あのクセは加熱すると出やすいので、サラダなどのほうが食べやすかったりします。そこでバジルの代わりにしゅんぎく、松の実の代わりにごまと、たいていの家庭にある手に入りやすい食材に置き換えて、ジェノベーゼソース風にしてみました。パスタ以外にいろいろなものに活用できるので、ぜひ試してみてください。

「泉州きくなプロジェクト」のイメージキャラクター。正式な名前はありませんが、スタッフの間では「菊菜の妖精」と呼ばれているそうです。


ほうれんそうの緑を活かしたカラフルな水餃子 ほうれんそうの緑を活かしたカラフルな水餃子

材料(2人分)

【 皮 】
薄力粉 … 25グラム
強力粉 … 25グラム
熱湯 … 25ミリリットル
絞り汁 … 小さじ2分の1


【 具 】
豚ミンチ … 60グラム
キャベツ … 20グラム
ほうれんそう … 15グラム
白ねぎ … 10グラム
しょうが … 少々
にんにく … 少々


[ A ]
酒 … 少々
醤油 … 少々
オイスターソース … 少々
ごま油 … 小さじ2分の1弱


砂糖 … 少々
塩 … 少々
こしょう … 少々
片栗粉 … 適量


【 スープ 】
はくさい … 葉1枚(60グラム)
にんじん … 10分の1本(16グラム)
きくらげ(乾燥) … 2グラム
生しいたけ … 20グラム
水 … 500ミリリットル


[ B ]
中華だし … 小さじ1
薄口醤油 … 小さじ1
黒こしょう … 少々


しょうが … 4分の1かけ
ねぎ … 少々
ごま油 … 小さじ2分の1

作り方
  1. 【下準備】ほうれんそうとキャベツをみじん切りにし、塩ひとつまみ(分量外)を入れてもみ、水分が出るまで置いておく。
  2. 水分が出てきたら絞り、絞り汁を作る。絞り汁は皮に、絞った残りは具に入れるので取っておく。
  3. 【皮の作り方】薄力粉と強力粉をボウルに入れ、泡立て器で混ぜる。熱湯を加え、ヘラなどで水気がなくなるまで混ぜてひとまとまりにする。
  4. 2の絞り汁(小さじ2分の1程度)を入れ、よくこねてまたひとまとまりにし、ボウルにラップをかけて1時間ほど常温でねかせる。
  5. 生地がつるっとなるまで再度こねて、棒状に伸ばし、2等分に切る。
  6. 切った生地をさらに棒状に伸ばし、5等分に切る。
  7. まな板に打ち粉(薄力粉・分量外)をし、6の1個を麺棒で直径10センチメートル弱の円状にのばす。ある程度のばしたら、手で押し広げるとのばしやすい。
  8. 【具の作り方】白ねぎをみじん切りし、しょうが、にんにくはすりおろす。
  9. 豚ミンチに砂糖を入れ、粘りが出るまで混ぜ、白ねぎ、塩、こしょう、しょうが、にんにく、[ A ]の調味料を入れ、よく混ぜる。
  10. 2のほうれんそうとキャベツを9に入れ、よく混ぜ合わせる。
  11. 皮に10等分した具を入れて包み込み、片栗粉をひいたバットに並べる。
  12. 【スープの作り方】はくさいは食べやすい大きさに、にんじんはいちょう切りに、きくらげは水で戻して細切り、生しいたけはスライスしておく。しょうがは千切り、ねぎは小口切りにする。
  13. 鍋に水、[ B ]の調味料、しょうが、ねぎを入れ、最後にごま油を入れよく混ぜる。
  14. 沸騰してきたところに餃子を入れ、火が通ってきたら、はくさい、にんじん、生しいたけ、きくらげを入れ、餃子と野菜が煮えたら盛り付ける。

今ではハウス栽培も普及して通年食べられるほうれんそうですが、寒くなるとともに甘味が増し、栄養価も高くなります。今の時期は露地栽培で育てられたほうれんそうが出回りますが、福岡県はこの旬のほうれんそうの生産が盛ん。とくに久留米市やうきは市など県南部の筑後地方で多く栽培されています。久留米市では、2012年から久留米市食生活改善推進員協議会の協力を得て、地場農産物を使った料理講習会を開催していますが、旬のおいしい農産物の味を堪能できると大好評。新型コロナウイルス感染症の影響が出る前には年間30回ほど行っていたそうです。講習会などで使用したレシピは料理レシピサイトにまとめて掲載されており、今回紹介する「ほうれん草のカラフル水餃子」もそのひとつ。久留米産ほうれんそうならではの濃い緑色を活かし、絞り汁を餃子の皮に使ったカラフルな水餃子で、鮮やかな色に食欲がそそられます。久留米市公式YouTubeチャンネルでも動画で作り方を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

JAにじ ほうれん草部会
吉岡誠明 さん

久留米産ほうれんそうの緑色が濃いのは、甘味がギュッと詰まっている証し。ほうれんそうは緑黄色野菜の中でも特にβ-カロテン、葉酸、鉄分などが多く含まれています。普段の食事にどんどん取り入れるとよいですよ。

今週のまとめ

寒さによって甘味が増した
旬の葉物野菜はおいしさ満点。
ご紹介したおすすめ料理、
ぜひトライしていただき、
寒い冬を乗り切りましょう。

(PDF:3,798KB)
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