毎日最高「朝ごはん」
ごはんと味噌汁で体を目覚めさせよう
朝から元気に1日を始めたいとき、味噌はぴったりの食材です。味噌の原料である大豆には、たんぱく質が豊富に含まれています。「味噌汁とお米を一緒に食べれば、朝から必須アミノ酸をバランスよく摂取できます。体も温まり、代謝もアップします」。

監修:実践料理研究家
岩木みさきさん
日本の伝統調味料「味噌」に魅せられ、日本各地の味噌蔵を約80か所140回以上訪問。手作り味噌は130種類以上を試作。味噌の探求と情報発信に力を注ぎ、旬の野菜や果物を使用した味噌汁も紹介している。著書に、70種類以上の味噌汁を紹介した『1分美肌みそ汁』(学研プラス)をはじめ、『みその教科書』(エクスナレッジ)などがある。
1人分をササッと! 朝は時短の味噌汁で

味噌こしは不要。ささっと溶かし入れれば大丈夫。
味噌汁1杯分は、「お湯約150ミリリットルに味噌大さじ1を基本に、手軽に作るなら市販の顆粒だし少々」と、覚えておきましょう。味噌を溶き入れるとき、味噌こしは必要ありません。お玉に味噌を置いて箸で溶かしてもいいですし、お湯に溶かすのであれば泡だて器を使えばかんたんです。粒が残ることがありますが、それは原料の大豆や麹の粒です。食物繊維など栄養が残っているので、食べ切りましょう。
味噌汁1杯分の材料
水(またはお湯)…約150ミリリットル
顆粒だし…少々
味噌…大さじ1
※味噌は地域により味わいが異なるので、上記分量を目安に調整してください。
朝にぴったり!ごはんにも合う時短味噌汁3選

マグカップ素味噌汁
上で紹介した味噌汁1杯分の材料をマグカップに入れて混ぜるだけ。「味噌汁は必ず鍋を使って、具材を煮るというルールはありません。朝ごはんに限らずブレイクタイムのコーヒー代わりにもおすすめです」

サバ缶と貝割れ菜の味噌汁
鍋に水150ミリリットルと顆粒だしと缶汁を切ったサバ50グラムを入れます。火をつけてひと煮立ちしたら火を止め、味噌大さじ1を溶かします。器に入れて貝割れ菜をのせたらできあがり。「具材は、缶詰や生野菜などそのまま食べられるものを使うと時短になります」

レタスと海苔の味噌汁
味噌大さじ1と市販の顆粒だし少々を器に入れ、お湯150ミリリットルを注いで混ぜます。レタス2分の1枚・海苔4分の1枚をちぎってのせます。「具材を手でちぎるだけなので、包丁も使いません」
地域の味を生かして!
岩木みさきさんの超簡単アレンジ味噌汁
全国各地の特産品を使ったアレンジ味噌汁を紹介します。肉・魚・ 卵・大豆製品・野菜など栄養バランスと彩りある見た目も意識してつくりました。食材はどこでも手に入りやすいものばかりなので、朝の気分に合わせていろいろな味を試してみてください。

コーンともやしのバター味噌汁
北海道はとうもろこしの主要な産地です。とうもろこしやもやしを入れ、バターをプラスするとコクが増して味噌ラーメン風になります。

納豆味噌汁
特に秋田県、岩手県、山形県などで親しまれています。地域によっては、すったり刻んだりするところもありますが、納豆はつぶさず、粒のまま使うと時短に。仕上げに長ねぎを加えます。

芋煮味噌汁
東北では芋煮会のフェスティバルもあるほどポピュラーなさといも。下ゆでされたパック製品を使うとよりかんたんです。具材はほかに牛肉、こんにゃく、長ねぎを使用。

水餃子の味噌汁
栃木県で人気の餃子。スープとして食べられている水餃子を味噌汁にアレンジしたものです。水菜でシャキッと感もプラス。

ピーマンの味噌汁
茨城県はピーマンの産地として有名です。ピーマンは丸ごと、焼き色がつくまでじっくり焼くことで、中の種やワタまでおいしく食べられます。

桜えびの味噌汁
静岡県の桜えびは春と秋に水揚げの旬を迎えますが、乾物なら一年中食べられて、だしにもなります。お湯に加えて味噌を溶き入れるだけでOKです。

あおさ海苔の味噌汁
三重県はあおさ海苔の生産が盛んです。味噌汁の定番、わかめの代わりに使えます。風味がよく磯の香りも楽しめます。

豚肉の粕汁
関西では家庭や学校給食でも提供される定番メニュー。一般的な豚汁と同じように具だくさんにして、酒粕を加えて仕上げます。

レモンの味噌汁
広島県ではレモン栽培が盛んです。輪切りにしてのせるだけで、さわやかな味に。冷たい味噌汁にのせても、食欲のない朝にもさっぱり飲めます。

なすとしょうがの味噌汁
高知県はなすとしょうがの産地。なすは油を絡めて加熱してから味噌汁にすると色鮮やかに。すりおろしや千切りのしょうがをお好みで。

トマトの味噌汁
熊本県の特産物であるトマトが具材。生でも食べられるので、時短にぴったり。ミニトマトならヘタをとるだけで使えてもっと時短に。

にんじんシリシリの味噌汁
沖縄県で食べられている定番の家庭料理をアレンジ。千切りにしたにんじんと卵を炒って味噌汁にします。

ごはんに合う郷土の味噌汁
地域で昔から親しまれている味噌汁をいくつかご紹介します。このほかにもたくさんありますので、下記Webサイト「うちの郷土料理~次世代に伝えたい大切な味~」から、ご自身の郷土の味を探してみてください。

てっぽう汁/北海道
北海道の特に道東地域では、カニを入れた味噌汁のことを「てっぽう汁」と呼びます。古くから根室地方の漁師料理として食べられてきました。

さんまのすり身汁/岩手県
岩手県は、さんまの海面漁業の漁獲量が本州1位(農林水産省「令和2年漁業・養殖業生産統計」)。60年ほど前からさんまの漁獲量が増え、さんまをすり身にして汁物としても食べるようになりました。

呉汁/群馬県
おいしい大豆が採れる群馬県で昔から食べられているのが、大豆をすりつぶして加えた味噌汁である「呉汁」。大豆のすりつぶした汁を「ご」と呼ぶことから呉汁と呼ばれるようになりました。

めった汁/石川県
さつまいもや大根、人参といった根菜類を使った具だくさんの豚汁。従来の豚汁と異なるのは、じゃがいもではなくさつまいもを使う点にあります。県内全域の家庭で気軽に食べられています。

しじみ汁/島根県
島根県の宍道湖は全国で7番目に大きな汽水湖。大粒のヤマトシジミは、国内トップレベルの漁獲量を誇ります。出雲地方では、このシジミを使った「しじみ汁」が日常食として根づいています。

だんご汁/大分県
大分県は古くから畑を基盤とした麦などの穀物栽培が盛んでした。穀物のほとんどは粉にされたため、大分県では粉食文化が各地に根づいています。「だんご汁」はその代表格です。
農林水産省
「うちの郷土料理
~次世代に伝えたい大切な味~」
各地域で選定された郷土料理のいわれ・歴史やレシピ、郷土料理を生んだ地域の背景等についてデータベースを作成し、情報発信しています。ご家庭での調理や外食企業でのメニュー化、食品製造企業での商品化、郷土料理の調査などにぜひ、ご活用ください。
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/
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