もっと食べたい! たまご主役レシピ
たまごの栄養バランスはとっても優秀
レシピ・監修

料理研究家・栄養士、三ツ星タマリエ
料理教室「おいしいスプーン」主宰。雑誌や書籍、Webサイトなどで、働きながら子育てをした経験を生かし、「体にやさしく、つくりやすい料理」を提案している。国際薬膳調理師の資格も持つ。『魔法の万能調味料!玉ねぎ麹レシピ』(河出書房新社)など、著書多数。
たまごの栄養バランスは、とても優れていることをご存じですか? からだに必要なタンパク質、脂質、炭水化物(糖質・食物繊維)、ビタミン、ミネラルを「5大栄養素」といいますが、ビタミンCと食物繊維以外のほとんどを摂取できるので、「完全栄養食品」とも呼ばれているのです。
たまご料理やスイーツの魅力は、なんといってもバリエーション豊かな調理法と味。それを実現しているのが、たまごの三大特性といわれる「乳化性」「熱凝固性」「起泡性」です。「乳化性」は撹拌して乳化することで水溶性と脂溶性の食材が混ざり合う性質で、マヨネーズのなめらかさを生み出します。「熱凝固性」は熱を加えることでタンパク質などが凝固する性質で、ゆでたまごやたまご焼き、プリンなどを固めるのに役立ちます。最後の「起泡性」は攪拌することで空気が混ざり、空気に触れて固くなる性質で、パンケーキやスポンジケーキをふわふわにします。
このような性質を生かしながら、ゆでて、焼いて、蒸して……と、調理法が変われば、味わいも七変化。例えば、シンプルなゆでたまごも、半熟にするか固ゆでにするかで、おいしさが違います。そして、おかずにもなれるし、スイーツにもなれる万能選手です。手軽でおいしい料理やスイーツのレシピを覚えて、たまごで毎日の食事バランスを調えてみてはいかがでしょう。
たまごの栄養成分
※以下の数値は生たまご約2個分(可食部100グラム)で換算しています
※Mサイズのたまご1個(殻付き60グラム、可食部50グラム)として換算
※栄養成分は「日本食品標準成分表 2020年版(八訂)」(文部科学省)参照

【材料(4個分)】
たまご(冷蔵庫から出したてのもの)… 4個
[ソース]
マヨネーズ … 85グラム
フレンチマスタード … 大さじ1
ハチミツ … 小さじ2
レモン汁 … 小さじ1
にんにく(すりおろす) … 1片分
黒こしょう … 少々
パセリ(みじん切り) … 適量
【つくり方】
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冷蔵庫から出したてのたまごは、殻をむきやすくするために、尖ってない丸い部分に画鋲などで穴を開ける。
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鍋にたっぷりの湯を沸かし、お玉にたまごをのせて浮かべるようにそっと入れ、5分ほどゆでる。冷水に取って、冷やす。
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[ソース]の材料をすべてボウルに入れ、よく混ぜ合わせる。自家製マヨネーズ(下記COLUMN参照)を使うと、まろやかな優しい味になる。
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ゆでたまごの殻をむいて器に盛り、ソースをかけて、パセリを散らす。

【材料(つくりやすい分量)】
たまご … 4個
サラダ油 … 適量
だし(かつお節と昆布でとったもの、または顆粒だしを溶いたもの) … 80ミリリットル
みりん … 小さじ2
淡口しょうゆ … 小さじ1
塩 … 少々

だし巻きたまごのコツは、たまごを静かに混ぜること。泡立てると空気が混ざって火の通りにムラができるので、卵白を切るようにしてたまごを溶いてから、やさしく混ぜましょう。今回は初心者でも扱いやすいフッ素樹脂加工のたまご焼き器を使用しました。
【つくり方】
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ボウルにたまごを割り入れ、卵白を切るように溶く。だし、みりん、淡口しょうゆ、塩を加えて、泡立てないように静かに混ぜる。
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たまご焼き器を中火にかけ、キッチンペーパーにサラダ油をふくませ、すみずみまで油を塗る。卵液の4分の1量を流し入れて広げ、ふくらんできたところは菜箸で穴を開ける。
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卵液がかたまってきたら手前に折りたたむようにして、寄せる。
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奥の空いたところに油を塗り、焼けたたまごを奥に寄せ、手前にも油を塗る。
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再び卵液の4分の1量を流し入れ、たまご焼きを少し持ち上げて、下にもいきわたらせる。固まったら、手前に折りたたむようにして巻く。これをあと2回繰り返す。
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巻き簾の上に焼けたたまごをのせて巻き、形を整える。巻いたまましばらく置き、冷めたら食べやすい厚さに切る。器に盛り、お好みで染めおろし(大根おろしにしょうゆ少々)を添える。

【材料(口径8cmのプリン型4個分)】
たまご … 3個
牛乳 … 300ミリリットル
グラニュー糖 … 大さじ3
バニラエッセンス … 2、3滴
バター(食塩不使用、型に塗っておく) … 適量
[カラメルソース]
グラニュー糖 … 大さじ2
水 … 大さじ1
湯 … 大さじ1

レトロな喫茶店のメニューにあるような、カラメルたっぷりのかためプリンが人気。蒸し器を使わず、深めのフライパンや鍋で湯せん蒸しにして、手軽につくれるレシピです。
【つくり方】
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カラメルソースをつくる。小鍋にグラニュー糖、水を入れて中火にかける。鍋を揺すりながら加熱し、薄い茶色から濃い茶色に変わったら火を止め、湯を静かに加えて、鍋をゆすって手早く均一に混ぜる。
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カラメルソースはすぐに、あらかじめバターを塗っておいたプリン型に流し入れる。温度が下がると固まるが、蒸す間に溶けてちょうどよい濃度になる。
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ボウルにたまごを溶き、切るようにして混ぜる。グラニュー糖を加えて軽く混ぜ、牛乳を少しずつ加えて混ぜ合わせ、バニラエッセンスを加える。ザルでこしておく。
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カラメルソースを入れたプリン型に卵液を流し入れる。ひとつずつアルミホイルをかぶせる。
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深めのフライパン(または鍋)に、プリン型の高さの半分程度まで水を入れて沸騰させる。卵液が入った型を沈めて蓋をし、極弱火で10分ほど湯せん蒸しにする。火を止めて10分ほど置き、余熱で火を通す。
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鍋から出して粗熱を取り、冷蔵庫で冷やす。型の周囲に竹串を刺し入れて隙間をつくってから、皿を当ててさかさまにし、少し振るようにして出す。

【材料(4個分)】
たまご(冷蔵庫から出したてのもの、卵黄と卵白に分けておく) … 2個分
ホットケーキミックス … 50グラム
牛乳 … 50ミリリットル
プレーンヨーグルト(無糖) … 大さじ1
グラニュー糖 … 大さじ1
サラダ油 … 適量

卵白をメレンゲ状に泡立てて加えることで、お店みたいにふんわりとした、キメの細かいパンケーキが焼けます。ホットケーキミックスは、好みのものを使ってください。
【つくり方】
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ボウルにホットケーキミックス、卵黄、牛乳、プレーンヨーグルトを入れて、泡立て器でよく混ぜ合わせる。
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別のボウルに卵白を入れて、ハンドミキサー(または泡立て器)で泡立てる。白っぽくなってきたらグラニュー糖を加えて、ツノが立つくらいまでさらに泡立てる。
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ホットケーキミックスの生地に泡立てた卵白を3回に分けて入れ、ゴムベラで泡をつぶさないように、切るように混ぜる。7割ほど混ざればよい。
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フライパンを中火にかけてサラダ油を薄くひき、余分な油はキッチンペーパーで拭き取る。温まったら濡れ布巾に鍋底を当てて温度を下げ、再び中火にかけて、1枚につきお玉1杯分のパンケーキ生地を入れる。
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蓋をして、弱火で1分ほど焼く。
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蓋を外し、さらにパンケーキ生地を大さじ山盛り1ずつのせ、再び蓋をして1分焼く。焼き色がついたら返して再び蓋をし、さらに2分ほど焼く。残りの2枚も同様に焼く。お好みで生クリームと粉砂糖をかけ、ミントを添える。
手づくりマヨネーズに
チャレンジ!
マヨネーズづくりは意外と簡単! おいしくつくるコツは、液体と油がしっかり混ざり合うように、乳化させること。油は一気に加えず、卵液に少しずつなじませるように混ぜてください。なめらかでクリーミーなマヨネーズができあがります。
【材料(つくりやすい分量)】
たまご … 1個
酢 … 大さじ2
砂糖 … 小さじ1
塩 … 小さじ3分の2
白こしょう … 少々
サラダ油(または米油) … 150ミリリットル
【つくり方】
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ボウルにたまごを割り入れ、ハンドミキサー(または泡立て器)で溶く。
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酢、砂糖、塩、白こしょうを入れて、溶けるまでよく混ぜる。
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油を糸のようにたらして入れながら、撹拌して乳化させる。すべての油を加えて、しっかり固まるまで混ぜたらできあがり。
お問合せ先
大臣官房広報評価課広報室
代表:03-3502-8111(内線3074)
ダイヤルイン:03-3502-8449
冷蔵庫から出したてのたまごをお湯からゆでれば、とろとろの半熟たまごに。フレンチマスタードとハチミツ、にんにくをきかせたコクのあるソースがよく合います。