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農林水産省

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2026

4月号

豚

4 豚を育てる 学生たち

高校や大学でもブランド豚飼育の取り組みが行われています。命と向き合い育てた豚を、肉や加工品に仕上げて販売する生徒と学生たちをリポートします。

誕生から出荷まで 豚と向き合う高校生

三重県で養豚を学ぶ高校として、年間約100頭のブランド豚「伊勢あかりのぽーく」を育てる三重県立明野高校。始業前や授業後に丁寧な飼育を行っています。

生産科学科3年 奥本朝香さん 祖父の養豚場を復活させる夢を持って入学。「豚は思った以上に成長が早くてびっくり」と話しながら日夜豚の世話に励んでいる。 生産科学科2年 田中壱征さん 豚を飼育してみたいと考え、養豚コースを選択。「きれいになるのは豚も自分も嬉しい」と、豚の世話の中でも豚舎の掃除が好きと話す。 生産科学科3年 宮端穂乃さん 卒業後は動物系の専門学校に進み、観光農業に携わる夢を持つ。思うように動かない豚に四苦八苦しつつ、楽しみながら世話を行う。 ※学年は取材時のもの

  • 豚熱などのウイルスを外部から持ち込むのを防ぐため、靴底の消毒用として、豚舎では部屋が区切られるところに必ず消毒槽を設置しています。消毒槽は週に1回から2回を目安に洗浄して消毒液を交換します。明野高校は全国の高校で初めてJGAP認証を取得しました。 奥本さん
  • 豚に与えるエサは色々な原材料を混ぜ合わせて、骨格を大きくするための育成用、出荷前に肉や脂肪をバランスよくつけるための肉豚配合など、成長段階に合わせて4種類作ります。地元の食品メーカーから出る規格外品のお菓子や酒造場の酒粕、学校の田んぼで栽培する米なども使いエコフィードを推進しています。 田中さん
  • エサやりは朝と夕方の2回で、朝は授業が始まる前の8時から3人で行います。エサは1頭につき1回1キログラムが目安。湯を入れて食べやすくすることで、水分補給も行います。子豚のエサは細かく目詰まりしやすいので、適度につついて、食べやすくしています。 宮端さん
  • 週に1回豚の体重を測り、体重によってエサの切り替えのタイミングを図ります。板を使ってケージから体重計まで誘導する際に、歩き方やケガをしていないかもチェックします。 田中さん
  • 作業の合間に、豚のブラッシングをします。リラックス効果があり、豚も気持ち良さそう。快適な飼育環境に取り組んでいます。夏は水をかけてクールダウン。体調が整うと子豚をよく産んでくれます。 奥本さん
  • 毎日授業前と授業後に豚舎の掃除をします。豚はエサを食べる場所と排せつをする場所をわける習性があり、糞は堆肥舎で発酵させて校内の農場に還元。尿は浄化して排水します。掃除をしながら豚の様子を見るのも日課のひとつです。 宮端さん

養豚あるある4選

  1. 1 かわいすぎる エサやりや掃除の時に、豚の仕草がかわいすぎてついじっと見てしまい、作業が進まないことです。特にエサをあげる時はみんなが一斉に寄ってきて鳴くので、かわいすぎてあげるのを忘れてしまいます(笑)
  2. 2 意外と力仕事 豚の飼育は意外と力仕事が多いです。エサづくりは3人から4人で行いますが、飼料の中には1袋20キログラムするものもあり、一度に5袋使うので配合するのは大変です。靴底の消毒用の消毒槽も重いです。
  3. 3 授業前があわただしい 朝の作業は8時から1時限目の授業が始まる前まで行いますが、思った以上に作業があって時間がギリギリになる時もあります。豚が追いかけてきたり寄ってきたりしてつい遊んでしまうのも原因のひとつです(笑)。
  4. 4 ニオイがついてしまう 豚舎での作業は、夏は暑く冬は寒いです。豚は出荷時の体重が100キログラムを超えるので、外に出すだけで汗だくになります。汗と豚のニオイが髪の毛や体についてしまうので消臭に気をつけています。

明野高校オリジナル商品

大切に育てたブランド豚「伊勢あかりのぽーく」は、精肉をはじめ、高校生たちが企画して肉みそなどに商品化。校内の農産物販売所や地元の精肉店「伊勢屋精肉店」、地元のイベントなどで販売されます。

伊勢あかりのぽーく 「伊勢あかりのぽーく」のロース肉は赤身のうま味が濃く、とんかつなどに最適。バラ肉は脂が甘くジューシーです。 肉みそやん 地元の味噌を使用した「肉みそやん」1瓶600円。蓋の色が銀は甘口、金は豆板醤を加えて辛口に仕上げています。

誕生から出荷まで一貫して飼育に関わることで、命や食べることの大切さを学ぶ明野高校生産科学科の生徒たち。人と動物との共生やエコフィードについても深く学び、SDGsにも取り組んでいます。

学生ベンチャーを設立し 大学の独自商品を普及

豚のストレスと腸内細菌を研究する徳島大学生物資源産業学部の学生が、実験豚舎で飼育する豚を地域のために役立てたいと考えて、2023年に「(株)C’est bon Jambon」を起業。地元の材料を使って作るハムは、石井町のふるさと納税返礼品や飲食店でも使用されています。

  • 堆肥を研究 豚の糞から堆肥を作る過程で発生する、メタンや一酸化二窒素といった温暖化ガスを減らす研究を行っています。尿は液肥に、糞は堆肥舎で発酵させて堆肥にしています。将来的には近隣の農家への販売も考えています。 大学の農場でも使っています。
  • 直接販売も実施 ハムの加工まですべて学生の手で行っています。商品は(株)C’est bon JambonのWebサイトのほか、地元の「ゆめタウン徳島」で年に5回から6回、学生が直接販売を行います。そのおいしさにリピーターも増加中です。 徳島大学の学生さんが育てた豚
  • 味の特徴 豚肉は実験終了日から10日間熟成したものを使用。口溶けがよく優しい甘味の「阿波和三盆糖」と、鳴門の海水で作った塩「鳴門のうず塩」で仕上げたハムは、肉のうま味がきわめて濃厚です。
  • 豚の命と向き合う 原材料の豚は徳島県生まれの豚。学生たちが日々エサやりや世話を行い、命と向き合いながら丹精込めて育てています。また、加工に対しても手を抜かず、徳島県HACCP認証を取得するなど責任を持って行っています。 地元の素材にこだわっています

今週のまとめ

全国的にも珍しい、高校生が育てるブランド豚や、豚肉の加工・販売まで実践する大学の研究室など、学校発のブランド豚に今後も期待が高まります。

今月の特集

  • 豚肉で作る日本の郷土料理

    2026年4月29日公開

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大臣官房広報評価課広報室

代表:03-3502-8111(内線3074)
ダイヤルイン:03-3502-8449

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