プラスチック被覆肥料の被膜殻の流出防止について
プラスチックを使用した被覆肥料について
1 プラスチック被覆肥料の現状について
プラスチックを使用した被覆肥料は、徐々に肥料成分が溶け出すことから、例えば春に投入することで、夏場の暑い時期の追肥の手間が省けて省力化できるとともに、作物の生育に応じて肥料成分が溶け出すため無駄が少なく、肥料の投入量も減り、地下水などの水域への栄養分の流出なども抑えられ、環境への負荷も低減できる一方で、使用後の被膜殻がほ場から海洋に流出することによる環境影響が懸念されています。
2 これまでのプラスチックに対する自主的取組について
農業生産分野では、使用済みプラスチックの適正処理、排出量の抑制、海洋への流出防止などの観点から、資材の製造、流通や利用に関係する団体等による自主的な取組の宣言が行われています。
各団体における自主的取組についてはこちらをご覧ください。
また、農林水産省においても、生産現場での取組を推進するため、パンフレットを作成して使用済みプラスチックの適正処理、排出量の抑制、海洋への流出防止の取組の周知を行っています。
3 被膜殻の流出実態調査について
農林水産省は、肥料成分が溶け出した後の被膜殻の流出防止対策をより効果的に検討するため、被膜殻のほ場(水田)からの流出実態を調査しました。
令和2年度及び令和3年度における調査結果はこちらをご覧ください。
肥料関係団体における「取組方針」について
肥料の関係団体である全国農業協同組合連合会、全国複合肥料工業会、日本肥料アンモニア協会は、「2030年にはプラスチックを使用した被覆肥料に頼らない農業に。」を理想に掲げ、令和4年1月21日に「緩効性肥料におけるプラスチック被膜殻の海洋流出防止に向けた取組方針」を公表しました。
当該「取組方針」は、肥料関係団体のホームページでご覧になれます。(「取組方針」に関するお問い合わせは、全国農業協同組合連合会、全国複合肥料工業会、日本肥料アンモニア協会へお願いします。)
また、全国農業協同組合連合会においては、プラスチック被膜殻の流出を防止するためのチラシを配布したり、対策の動画をユーチューブに公開したりしています。
全国農業協同組合連合会より
被膜殻の流出対策の動画 ※全国農業協同組合連合会より
緩効性肥料におけるプラスチック被膜殻の流出防止に向けた対応の強化について
農林水産省は、生産現場における被膜殻の流出防止対策は農業生産活動を持続的に行っていくための重要な取組の一つと考えています。そのため、肥料関係団体の取組を都道府県等に周知するとともに、流出防止対策を推進するための予算を措置しているところです。
関係通知 「緩効性肥料におけるプラスチック被膜殻の流出防止に向けた対応の強化について」(農産局長通知)
関係予算
1 みどりの食料システム戦略推進交付金のうちグリーンな栽培体系への転換サポート
事業の交付要綱や実施要綱など詳しくはこちらをご覧ください。(大臣官房環境バイオマス政策課ホームページへリンク)
2 農林水産分野における持続可能なプラスチック利用対策事業のうち農畜産業プラスチック対策強化事業
参考リンク
- みどりの食料システム戦略ホームページ
- プラスチック資源循環(大臣官房新事業部ホームページ)
- プラスチック資源循環(農業生産)(農産局農業環境対策課ホームページ)
- 肥料法の制度等について(消費・安全局農産安全管理課ホームページ)
お問合せ先
農産局技術普及課生産資材対策室
代表:03-3502-8111(内線4798)
ダイヤルイン:03-6744-2186