

必要な栄養素をとるという視点だけからすれば、必ずしもとらなくても支障のない菓子・嗜好飲料は、「食事バランスガイド」の中ではコマ本体の中ではなく、コマを回すヒモとして表しています。このヒモ部分は、「エネルギ―」として考えるので「SV(つ)」ではなく「kcal」で考えます。
菓子・嗜好飲料はコマが倒れずに安定して回り続けられるよう、食事の楽しみとして適度にとることが大切だということを消費者にアピールしましょう。

菓子・嗜好飲料のとり過ぎは、エネルギーの摂取過多にもつながり、肥満や生活習慣病となる可能性が高まります。消費者には一日あたり200kcalくらいまでを目安に摂取するよう、呼びかけましょう。







最近は朝食に菓子パンを食べる家庭も増えているようですが、「食事バランスガイド」ではメロンパンやアンパンなどの菓子パンは「主食」ではなく「ヒモ」として扱います。
「食事バランスガイド」の特徴は、実際に食べる状態をイメージした点にあります。「食べる人」が通常意識しないような原材料にまで分解してしまうと、料理で数える本質から外れてしまいます。
食材を組み合わせて作られる菓子類等では、例えばアンパンなら「あん」(単独でたっぷり食べれば「副菜」)とパン(単独で食べれば「主食」)ですが、組み合わされると「菓子(ヒモ)」ということになります。
牛乳プリンなども、牛乳も少量は摂れますが、食べる場面はデザートとしてイメージされるので、「ヒモ」として扱います。
逆に、いも類などを主食として食べる地域もあります。「食事バランスガイド」では「いも類」は「副菜」の料理グループに分類していますが、沖縄県版「食事バランスガイド」では、さつまいもが「主食」として扱われています。沖縄では「主食」としてさつまいもが食べられている例があるからです。
その土地の風土や実情にあった食文化を考えながら活用しましょう。
消費者にヒモ部分の特徴を提示する場合、食事量を制限するイメージではなく、一日200kcal以内のヘルシーな菓子・嗜好飲料として、商品やメニューを訴求することもできます。
地域にある旬の食材から作ったお菓子や特産物の果物を使った健康的なデザートなど、季節や地域の特徴を生かした、ヘルシーなメニューを考案するのもいいでしょう。
ヒモ部分も含めて、毎日バランスのとれた望ましい食生活となるために、「食事バランスガイド」の魅力を、消費者に伝えましょう。