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寄生虫による食中毒に気をつけましょう

戦後、衛生状況が悪かった日本では、寄生虫により健康被害を起こす人が多数いました。生活レベルが上がり、衛生環境の改善にともなって、意識されることは少なくなりましたが、現在でも、適切な処理をされていない魚介類などを生で食べて寄生虫に感染した例が報告されています。

また、最近、これまで食中毒の原因として知られていなかった寄生虫が、ヒラメや馬刺しによる食中毒の原因となっている可能性が高いことがわかりました。レバーなどの生食によって、これまで日本にはいないと考えられていた寄生虫に感染した例も報告されています。

このページでは、寄生虫による食中毒を防ぐポイントをご紹介します。

寄生虫による食中毒

食品には、いろいろな種類の原虫や寄生虫がいることがあり、中には人が食べると激しい痛みやおう吐などの症状をおこすものもあります。魚介類、生肉のほか、野菜や飲み水が原因となった例も報告されています。

サケ、タラ、サバなどの海産魚や、イカなどを寿司や刺身などで生食すると、アニサキスに感染することがあります。 アニサキスに感染すると、激しい腹痛や悪寒、おう吐などをおこします。 国立感染症研究所の推計では、わが国で年間7,147件(2005年から2011年の年平均)のアニサキスによる食中毒が発生しているとされています。

どじょうやサワガニなどの淡水産の魚介類にも、寄生虫がいる可能性が高いです。

肉やレバーには、サナダムシの一種などの寄生虫がついていることがあり、充分に加熱せずに食べると腸管内などに感染して腹痛や下痢などをおこすことがあります。特に、豚肉や豚のレバーにいる寄生虫には注意しましょう。

最近の厚生労働省の発表によると、近年、ヒラメや馬刺しを食べた人が一過性の嘔吐などをおこし、食中毒の原因となる菌やウイルスが見つからず原因不明となる事例が報告されており、調査の結果、寄生虫が原因である可能性が高いことがわかりました。

ヒラメを介したクドアの一種(Kudoa Septempunctata)による食中毒Q&A

馬肉を介したザルコシスティス・フェアリーによる食中毒Q&A

厚生労働省薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食中毒・乳肉水産食品合同部会(平成23年4月25日開催)配付資料一覧 [外部リンク]

寄生虫による食中毒を防ぐためのポイント

  • 食品を充分加熱することで寄生虫を殺すことができます。
  • 多くの寄生虫は、-20℃以下で48時間以上冷凍することで死滅するといわれていますが、寄生虫の種類によっては長期間生存するものもあるので注意が必要です。
  • サケ・タラ・サバ・イカや淡水魚のような寄生虫の多い魚介類を生で食べる場合は、充分に注意しましょう。
  • 野菜にも寄生虫の卵がついている可能性があるので、生で食べる野菜は、調理前に流水でよく洗いましょう。
  • 寄生虫の卵などが手指について口に入ることがあります。生の肉・魚介類・卵にさわったあとは、よく手を洗いましょう
  • 包丁やまな板を使うときは、先に生野菜などの加熱しない食品を切り、生の肉や魚介類は後で切りましょう。生の肉や魚介類に使った包丁やまな板はすぐに洗い、調理済みの食品がふれないようにしましょう。
  • 海外では、途上国を中心に寄生虫症が大きな問題となっている地域がたくさんあります。衛生状態のよくない地域に行くときは、生水や生ものに注意しましょう。

参考リンク先

お問合せ先

消費・安全局食品安全政策課

担当者:情報発信企画・評価班
代表:03-3502-8111(内線4474)
ダイヤルイン:03-3502-5719