トピックス7 フードテックの現状

世界的に健康志向や環境志向等、食に求める消費者の価値観が変化していること等を背景に、生産から流通・加工、外食、消費等へとつながる食分野の新しい技術及びその技術を活用したビジネスモデル「フードテック」への関心が高まっており、世界のフードテック分野への投資額は年間2兆円を超えています(*1)。
以下では、我が国における取組事例、研究会の立ち上げとその中間取りまとめ、官民協議会の設立等、フードテックをめぐる動きを紹介します。
*1 AgFunder「AgFunder AgriFoodTech Mid-Year Investment Review - H1’20」、各年平均のドル円相場で円換算
(我が国におけるフードテックの取組事例)
我が国におけるフードテックの取組事例としては、代替肉や、健康・栄養に配慮した食品、人手不足に対応する調理ロボット、昆虫を活用した環境負荷の低減に資する飼料・肥料の生産等の分野で、スタートアップ企業等が事業展開、研究開発を実施しています。
(フードテック研究会の立ち上げと中間取りまとめ)
農林水産省は、フードテックに関わる産業について、協調領域における課題やその対応を議論するため、令和2(2020)年7月、食品企業や、スタートアップ企業、関係省庁、研究機関等の関係者で構成する「フードテック研究会」による「中間取りまとめ」を公表しました。
この中では、フードテックを資源循環型の食料供給システムの構築や高い生活の質を実現する上で鍵となる技術であると位置付け、国内に技術基盤を確保していくことが重要であること等が示されました。
また、重点的に研究開発・投資や社会実装を進めるべき分野としては、多様化する消費者の価値観に対応した食品・素材等の提供、ユニバーサルに食を楽しむことのできる調理環境の整備、新型コロナウイルス感染症の収束後を見据えた新たな食産業への転換、持続的な資源循環の実現に資する技術やビジネスモデルが挙げられました。
このほか、海外の動向も押さえた戦略的なルールづくりや、フードテックに特化した研究開発への支援、投資環境の整備についても意見が出されました。
(フードテック官民協議会の設置)
フードテック研究会の中間取りまとめを踏まえ、農林水産省では、令和2(2020)年10月に官民連携による「フードテック官民協議会」を立ち上げました。官民協議会では特定の分野について協調領域の課題解決に向けた専門的な議論を行うための作業部会を発足させるとともに、フードテックの機運を盛り上げるため、Webを活用したセミナー等のコミュニティ活動を実施することとしています。
今後も、官民協議会等の活動を通じて、代替肉や、健康・栄養に配慮した食品、昆虫を活用した飼料・肥料生産等の日本の強みを生かしたフードテックの新たな市場創出を進めていくこととしています。
→第1章第3節を参照
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