じゃがいもによる食中毒を予防するために
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トピックス
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動画
植え付け編 3分20秒
栽培編 3分13秒
収穫・保管編 3分9秒
調理編 3分3秒
リーフレット

学校や家庭等の菜園で栽培したじゃがいもを食べることによる食中毒の発生を防ぐために、栽培から食べるまでの間の注意点がまとめられたリーフレットです。
↓ダウンロードしてぜひご活用ください。
じゃがいもによる食中毒を予防するためにできること
もっと詳しく!
どんなことに気を付ければソラニンやチャコニンによる食中毒を防げるの?
じゃがいものどの部分に注意すればいいの?
じゃがいもの芽(芽とその芽の根元)や、皮(特に光が当たって緑色になった部分)には、天然毒素であるソラニンやチャコニンが多く含まれているので、これらの部分を十分取り除くことが大切です。
また、家庭菜園などで作られた未熟なじゃがいもも、ソラニンやチャコニンを多く含んでいることがあるので、注意が必要です。
<取り除き方>
- 1) じゃがいもの芽を根元を含めて完全に取り除く(多少皮より内側の部分も含めて多めに除く)
- 2) じゃがいもの皮をむく。特に、緑色になっているじゃがいもは、皮を深くむく(皮より内側の部分も含めて緑色になっている部分は全て除く)

ソラニンやチャコニンとは?
ソラニンやチャコニン(カコニンとも呼ばれています)は天然毒素の一種で、じゃがいもの芽や緑色になった部分に多く含まれます。
これらを多く含むじゃがいもを食べると、吐き気や下痢、おう吐、腹痛、頭痛、めまいなどの症状が出ることがあります。
じゃがいもを食べたあとにこのような症状が出たときは、急いでお医者さんにみてもらいましょう。
ソラニンやチャコニンはじゃがいもの芽に一番多く含まれています。
じゃがいもの可食部分は、100 gあたり平均7.5 mg(0.0075 g)のソラニンやチャコニンを含んでいて、そのうち3~8割が皮の周辺にあります。
一方、光に当たって緑色になった部分は100 gあたり100 mg(0.1 g)以上のソラニンやチャコニンを含んでいるといわれています。
体重が50 kgの人の場合、ソラニンやチャコニンを50 mg(0.05 g)摂取すると症状が出る可能性があり、150 mg~300 mg(0.15 g~0.3 g)摂取すると死ぬ可能性があります。
じゃがいもの食中毒を防ぐには、ソラニンやチャコニンを多く含む芽や緑色の部分を十分取り除くことが大切です。
詳しくは「食品中の天然毒素「ソラニン」や「チャコニン」に関する情報」をご覧ください。
どんなことに気を付ければソラニンやチャコニンによる食中毒を防げるの?
じゃがいもを買うとき・保存するとき
- 芽が出ていたり、皮に緑色の部分があるじゃがいもは買わないようにしましょう。
- 家庭での長期間の保存を避けるため、じゃがいもはその都度必要な量を購入しましょう。
- 特に、新じゃがは、水分が多いため長期保存に向かず、また皮が薄いため緑色になりやすいです。
- じゃがいもは、暗くて涼しくて通気性がよい場所に保存しましょう。冷蔵庫で保存する必要はありません。
室温で保存する時は、通気性と遮光性がある紙袋や段ボールに入れ、さらに風通しの良い暗所で保存しましょう。
20℃以上になると発芽、腐敗しやすくなりますので、10℃くらいの涼しい場所が好ましいです。
じゃがいもを冷蔵すると、糖の濃度が高くなり、揚げたり炒めたりしたときにアクリルアミドという有害物質のできる量が増える可能性があります。
詳しくはコラムをご覧ください。
じゃがいもを調理するとき
- じゃがいもに芽があれば、そのまわりの部分も含めて取り除きましょう。
- 皮に緑色の部分があったら、皮を厚めにむき、緑色の部分のまわりもしっかり皮をむきましょう。
- 家庭菜園などで栽培したじゃがいもは、未熟な場合があります。
未熟かどうかは見た目で判断することは難しいため、心配な場合は一度にたくさん食べたり、皮ごと食べたりしないようにしましょう。
- 苦みやえぐみを感じたら、じゃがいもと一緒に調理した他の食材も含め、それ以上は食べないようにしましょう。
- じゃがいもを茹でてもソラニンやチャコニンは分解しないので量は減りません。
ソラニンやチャコニン自体は、170℃以上で分解を始めるとの報告がありますが、加熱によって、じゃがいもに含まれるソラニンやチャコニンの量が確実に減ることは期待できません。
詳しく知りたい方は「じゃがいもの加工調理によるソラニン・チャコニンへの影響」をご覧ください。
学校の菜園で育てた(未熟な)じゃがいもの皮や芽、緑色の部分を取り除かずに食べて食中毒になった事例が見られることから、小学校や家庭菜園などでじゃがいもの栽培を行う方は、以下の点に注意しましょう。
じゃがいもを育てるとき
- 収穫するじゃがいもが大きく育つよう、種いもを植え付けるときに、きちんと肥料をあげましょう。
- 芽が10 cmほど伸びてきたら、芽かき(太い芽を2~4本ほど残して他の芽を抜き取る)をしましょう。
- 太陽の光が当たって緑色になるのを防ぐため、じゃがいも(いも部分)が地面から外に出ないように土寄せをしましょう。
じゃがいもを収穫するとき・保存するとき
- 十分に熟して大きくなったじゃがいもを収穫しましょう。
- じゃがいもに傷を付けないように取り扱いましましょう。
- じゃがいもの表面を乾かすときは、太陽の光に必要以上に長い時間当てないようにしましょう。
- 表面を乾燥させた後のじゃがいもは、暗くて涼しい場所に保管しましょう。
- 収穫したじゃがいもは早めに消費しましょう。
じゃがいもによる食中毒の事例は?
主に小学校の調理実習などで、ソラニンやチャコニンを原因とする食中毒が毎年起きています。
(事例)
2015年1月22日、奈良県内の小学校で、校内で栽培・収穫したじゃがいもを調理・喫食した51名のうち31名に吐き気、腹痛等の症状が出た。
なお、残った粉ふきいもを分析したところ、100 gあたり19-39 mg(0.019-0.039 g)のソラニン類が検出された。
参考リンク先
- JECFA Monographs. 764. Solanine and chaconine (WHO Food Additives Series 30) (英語)〔外部リンク〕
- 米国 National Toxicology Program(Executive Summary of Chaconine & Solanine)(PDF:677KB)(英語)〔外部リンク〕
(コラム)アクリルアミド
じゃがいもを揚げたり炒めたり焼いたりすると、じゃがいもに含まれる糖とアミノ酸の一部が反応して、アクリルアミドという有害物質ができます。
じゃがいもを冷蔵庫で保存すると、糖の濃度が高くなるので、このようなじゃがいもを揚げたり炒めたりするとアクリルアミドのできる量が増える可能性があります。
冷蔵保存したじゃがいもは、煮物や蒸し物といった水を使った調理に使えば、アクリルアミドもできにくく、甘味も増しておいしくいただけます。
アクリルアミドを減らすために家庭でできることを「家庭で消費者ができること」にまとめています。是非ご覧ください。
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