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かびとかび毒についての基礎的な情報

かび毒(注)のリスク管理が国の内外で進んでいます

かび毒とは、植物病原菌であるかびや貯蔵穀物などを汚染するかびが産生する化学物質で、人や家畜の健康に悪影響を及ぼすものをいいます。

食品の安全性を向上させるためには、生産から消費にわたって(「生産現場から食卓まで」)食品に含まれる有害物質の濃度を低くすることが重要です。特に農産物中のかび毒については、生産段階や貯蔵段階において必要に応じて対策を行うことが最も有効です。

このため、コーデックス委員会(FAO/WHO合同食品規格委員会)等では、農産物のかび毒汚染を防止・低減するため、生産段階や貯蔵段階における適切な対策等に関する実施規範(Code of Practice)を策定するとともに、その対策の効果を評価して、必要であれば基準値の設定等を進めています。

わが国でも、「麦類のデオキシニバレノール・ニバレノール汚染低減のための指針」(2008年12月公表)に基づき、麦類の生産段階や貯蔵段階において、より一層のかび毒汚染低減に取り組んでいます。また、アフラトキシンB1(農産物を含む一般の食品)、デオキシニバレノール(小麦)、パツリン(りんご果汁)については、食品衛生法に基づく基準値等が設定されています。

農林水産省は、平成14年度から毎年度、かび毒による国産農産物の汚染実態を把握するための調査を実施しています。これまでの結果では、かび毒により直ちに人の健康に悪影響を及ぼすことは考えにくい状況ですが、湿潤かつ温暖なわが国の気候は、かびの生育に適した環境であり、気象条件等によっては、かび毒による農産物の汚染がおこる可能性があります。かび毒による健康被害の発生を未然に防止するためには、汚染実態を把握し、その汚染の程度に応じて、生産段階や貯蔵段階において必要かつ適切な対策をとることが不可欠です。

(注)かび毒のことを”マイコトキシン(mycotoxin)”ということもあります。

かびとかび毒とは?

かびは有効活用されています

かび毒を産生するかびがいる一方で、私たちの身の回りには暮らしに有用なかびが数多く存在し、これまでにも有効活用されています。その例としては、味噌などをはじめとする様々な発酵食品があり、かびの力によって生み出されるものです。しょう油やみりんなどの調味料をはじめ、世界中でも類を見ないほど様々な発酵食品を利用しているわが国は、最も上手にかびを活用している国でもあります。また、抗生物質や酵素製剤など医薬の発展に貢献してきたかびも数多く存在します。

食品以外では、森林の落ち葉を分解して環境浄化や物質循環などに関係するかびもあります。

かび毒にはどのようなものがあるのでしょうか

現在、100種類以上のかび毒が知られていますが、わが国で消費される農産物や食品を汚染する可能性がある主なかび毒には、以下のようなものがあります。

農産物や食品を汚染する主なかび毒
かび毒 汚染が確認されている
主な農産物や食品
かび毒を産生する主なかび
アフラトキシン類
(アフラトキシンB1、アフラトキシンG1など)
ナッツ類、穀類 Aspergillus flavus
Aspergillus parasiticus
オクラトキシンA 穀類、豆類 Aspergillus ochraceus
Penicillium
トリコテセン系かび毒
(デオキシニバレノール、ニバレノール、
T-2トキシン、HT-2トキシンなど)
穀類 Fusarium
パツリン りんご加工品 Penicillium expansum
ゼアラレノン 穀類 Fusarium
フモニシン類 とうもろこし Fusarium
ステリグマトシスチン 穀類 Aspergillus versicolor
シトリニン 穀類 Penicilium citrinum
ルテオスカイリン 穀類 Penicillium islandicum

かび毒と農産物の汚染は多様

かび毒は、その種類によって汚染する農産物や汚染する時期・場所などが異なります。例えば、麦が開花期から登熟期にかけて長雨に合うと、穀粒に赤かび病の病原菌であるフザリウム(Fusarium)属のかびが付着・増殖し、かび毒の一種であるデオキシニバレノール、ニバレノール等を産生します。

一方、収穫期や貯蔵中に産生するかび毒もあります。例えば、りんご果汁での汚染が知られているパツリンは、土壌中のペニシリウム属のかび(Penicillium expansum)がりんご果実についた傷から侵入し、果実の中で増殖する際に産生するとされています。

また、かびによるかび毒産生量は、環境条件等の影響を受けることから、地域の自然条件や年ごとの気候変動による差が大きいだけではなく、個々の農産物の生産管理や貯蔵等の取扱い状況によっても異なります。

かび毒の摂取

かびそのものは加熱等により死滅しますが、かび毒の中には比較的熱に強く、通常の加工・調理では十分に減少しないものもあります。このため、一度かび毒に汚染されてしまうと、食品から取り除くことは困難です。また、かび毒に汚染された農産物や食品を食べることで直接摂取する場合のほか、アフラトキシン類のように、かび毒に汚染された飼料を食べた家畜を経由して摂取する場合もあります。

お問い合わせ先

消費・安全局農産安全管理課 
代表:03-3502-8111(内線4507)
ダイヤルイン:03-3592-0306
FAX:03-3580-8592

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