農林水産省が優先的にリスク管理を行う対象に位置付けている危害要因についての情報(有害化学物質)
更新日:令和6年3月5日
農林水産省が優先的にリスク管理を行う有害化学物質について、収集した関連情報を掲載します。「農林水産省が優先的にリスク管理を行うべき有害化学物質のリスト」(令和3年3月更新版)はこちらに掲載しています。
優先的にリスク管理を行うべき有害化学物質と関連情報
環境中に存在する危害要因
重金属等
危害要因名 | 危害要因の毒性、 含有する主な食品等 |
関連するリスクプロファイル、 食品健康影響評価等 |
関連するウェブサイト |
---|---|---|---|
カドミウム |
○鉱物や土壌、海水、底質などの中に天然に存在する重金属。
○経口摂取により腎障害や骨代謝異常の症状を起こす。 |
食品安全に関するリスクプロファイルシート:カドミウム〔農林水産省〕(PDF : 675KB) 汚染物質評価書:カドミウム〔外部リンク:内閣府食品安全委員会〕 |
食品中のカドミウムに関する情報〔農林水産省〕 食品に含まれるカドミウムについて〔外部リンク:厚生労働省〕 |
ヒ素 | ○鉱物や土壌、海水、底質などの中に天然に存在し、金属と非金属の中間の性質を持つ。有機ヒ素または無機ヒ素として存在。 ○無機ヒ素の方が、毒性が強く、発熱、下痢、嘔吐等の急性中毒の症状を起こすほか、発がん性(主に皮膚、肺、膀胱)がある。 ○海藻(ひじきなど)に比較的高い濃度で含まれるほか、農産物の中では米(水稲)にやや多く含まれている。 |
食品安全に関するリスクプロファイルシート:ヒ素〔農林水産省〕(PDF : 767KB) 化学物質・汚染物質評価書:食品中のヒ素〔外部リンク:内閣府食品安全委員会〕 |
食品中のヒ素に関する情報〔農林水産省〕 健康に悪影響を与える可能性のある魚介類中に含まれる物質等について【ヒ素】〔農林水産省〕 |
鉛 | ○鉱物や土壌などの中に天然に存在する重金属。産業利用(ガソリン添加剤等)の歴史が長く、現在でも人為的な排出に由来するものも広く自然界に残留している。 ○子供では神経発達障害や知的行動障害を起こす。成人では心疾患の症状を起こす。 ○様々な食品中に低濃度で含まれる。 |
食品安全に関するリスクプロファイルシート:鉛〔農林水産省〕(PDF : 553KB) 評価書:鉛〔外部リンク:内閣府食品安全委員会〕 |
食品中の鉛に関する情報〔農林水産省〕 |
水銀 (総水銀及びメチル水銀) |
○鉱物や土壌、海水、底質などの中に天然に存在する重金属。無機水銀又は有機水銀として存在し、メチル水銀は有機水銀の一つ。 ○胎児期のばく露により、知覚・聴覚障害を起こす。 ○食物連鎖を通じて上位捕食者の水産物(マグロ類、クジラなど)に比較的高い濃度で蓄積する。 |
食品安全に関するリスクプロファイルシート:メチル水銀〔農林水産省〕(PDF : 307KB) 清涼飲料水評価書:水銀〔外部リンク:内閣府食品安全委員会〕 魚介類等に含まれるメチル水銀について〔外部リンク:内閣府食品安全委員会〕 |
健康に悪影響を与える可能性のある魚介類中に含まれる物質【水銀】〔農林水産省〕 魚介類に含まれる水銀について〔外部リンク:厚生労働省〕 水俣条約について〔外部リンク:環境省〕 水俣病対策〔外部リンク:環境省〕 |
その他の環境汚染物質
農林水産省が優先的にリスク管理を行う有害化学物質以外の環境中に存在する危害要因の情報はこちら
かび毒
農林水産省が優先的にリスク管理を行う有害化学物質以外のかび毒の情報はこちら
自然毒(植物性自然毒、海産毒素)
植物性自然毒
危害要因名 | 危害要因の毒性、 含有する主な食品等 |
関連するリスクプロファイル、 食品健康影響評価等 |
関連するウェブサイト |
---|---|---|---|
ピロリジジンアルカロイド類 | ○ピロリジジン骨格を持つ植物性自然毒で約600種が存在する。 ○肝臓に悪影響を与える疑いがあり、ピロリジジンアルカロイド含有植物の摂取による多くの健康被害の報告がある。一部のピロリジジンアルカロイドは発がん性(主に肝臓)を有する疑いがある。 ○キク科、ムラサキ科、マメ科等の一部の植物に含まれることが知られる。この他、ハーブティーやはちみつに含まれる場合がある。 |
食品安全に関するリスクプロファイルシート:ピロリジジンアルカロイド類〔農林水産省〕(PDF : 412KB) 食品健康影響評価書:シンフィツム(いわゆるコンフリー)及びこれを含む食品〔外部リンク:内閣府食品安全委員会〕 |
食品中のピロリジジンアルカロイド類に関する情報〔農林水産省〕 |
農林水産省が優先的にリスク管理を行う有害化学物質以外の植物性自然毒の情報はこちら
海産毒素
農林水産省が優先的にリスク管理を行う有害化学物質以外の海産毒素の情報はこちら
食品の製造過程で生成する危害要因
危害要因名 | 危害要因の毒性、 含有する主な食品等 |
関連するリスクプロファイル、 食品健康影響評価等 |
関連するウェブサイト |
---|---|---|---|
ヒスタミン | ○食品中にもともと含まれる成分であるヒスチジン(アミノ酸の一種)から細菌によって作られる。 ○吐き気、嘔吐、腹痛、発疹などの急性のアレルギー様の症状を起こす。 ○温度管理が不適切な場合に、サバ類、マグロ類など、ヒスチジン濃度の高い魚及びその加工品に比較的高い濃度で含まれる。魚醤や大豆発酵食品にも比較的高い濃度で含まれるものがある。 |
食品安全に関するリスクプロファイルシート:ヒスタミン〔農林水産省〕(PDF : 207KB) ファクトシート:ヒスタミン〔外部リンク:内閣府食品安全委員会〕〕(PDF : 459KB) |
健康に悪影響を与える可能性のある魚介類中に含まれる物質等【ヒスタミン】〔農林水産省〕 ヒスタミンによる食中毒〔外部リンク:厚生労働省〕 |
アクリルアミド | ○食品中にもともと含まれる成分であるアスパラギン(アミノ酸の一種)と還元糖が加工調理中に反応し意図せずに生成する。 ○神経系に悪影響があるほか、発がん性を有する疑いがある。 ○高温で加熱調理された馬鈴薯、野菜、穀類の加工品や焙煎したコーヒー、ほうじ茶等に比較的高い濃度で含まれるものがある。 |
食品安全に関するリスクプロファイルシート:アクリルアミド〔農林水産省〕(PDF : 712KB) 評価書:加熱時に生じるアクリルアミド〔外部リンク:内閣府食品安全委員会〕 |
食品中のアクリルアミドに関する情報〔農林水産省〕 加工食品中アクリルアミドに関するQ&A〔外部リンク:厚生労働省〕 |
多環芳香族炭化水素(PAH) | ○有機物の不完全燃焼や熱分解などで意図せずに生成し、食品の加工・調理の過程や、環境由来の汚染によって食品に含まれる。 ○代表的な物質であるベンゾ[a]ピレンには発がん性(主に腸管、肝臓、肺、乳腺)がある。その他のPAHの一部についても発がん性を有する疑いがある。 ○燻製や直火で調理した肉類や魚介類に比較的高い濃度で含まれるものがある。 |
食品安全に関するリスクプロファイルシート:多環芳香族炭化水素(PAH)〔農林水産省〕(PDF : 607KB) ファクトシート:食品に含まれる多環芳香族炭化水素(PAHs)〔外部リンク:内閣府食品安全委員会〕(PDF:669KB) |
|
クロロプロパノール類(3-MCPD、1,3-DCP) | ○3-MCPDと1,3-DCPは酸加水分解植物性たんぱく(アミノ酸液)の製造時に意図せずに生成する。 ○3-MCPDは腎臓に悪影響を与える疑いがある。1,3-DCPは発がん性を有する疑いがある。 ○自家製のアミノ酸液を含むしょうゆのごく一部に比較的濃度が高いものがある。 |
食品安全に関するリスクプロファイルシート:3-MCPD〔農林水産省〕(PDF : 185KB) 食品安全に関するリスクプロファイルシート:1,3-DCP〔農林水産省〕(PDF : 165KB) ファクトシート:食品中のクロロプロパノール類〔外部リンク:内閣府食品安全委員会〕〕(PDF : 579KB) |
食品中のクロロプロパノール類及びその関連物質に関する情報〔農林水産省〕 |
クロロプロパノール類(3-MCPD脂肪酸エステル、2-MCPD脂肪酸エステル) | ○3-MCPD脂肪酸エステル類や2-MCPD脂肪酸エステルは油脂の脱臭・精製工程で意図せず生成する。MCPDにエステル結合する脂肪酸の種類や数により多数の種類がある。 ○体内で分解されると3-MCPDや2-MCPDを生成する。 ○一部の精製油脂及び精製油脂含有率が高い食品に比較的高い濃度で含まれるものがある。 |
食品安全に関するリスクプロファイルシート:3-MCPD脂肪酸エステル類〔農林水産省〕(PDF : 529KB) 食品安全に関するリスクプロファイルシート:2-MCPD脂肪酸エステル類〔農林水産省〕(PDF : 374KB) ファクトシート:食品中のクロロプロパノール類〔外部リンク:内閣府食品安全委員会〕〕(PDF : 579KB) |
食品中のクロロプロパノール類及びその関連物質に関する情報〔農林水産省〕 |
グリシドール脂肪酸エステル類 | ○油脂の脱臭・精製工程で意図せず生成する。結合する脂肪酸の種類により多数の種類がある。 ○体内で分解されると、発がん性が疑われるグリシドールを生成する。 ○精製油脂及び精製油脂の含有率が高い食品に比較的高い濃度で含まれるものがある。 |
食品安全に関するリスクプロファイルシート:グリシドール脂肪酸エステル類〔農林水産省〕(PDF : 797KB) 評価書:高濃度にジアシルグリセロールを含む食品の安全性〔外部リンク:内閣府食品安全委員会〕 |
食品中のクロロプロパノール類及びその関連物質に関する情報〔農林水産省〕 |
フラン及びフラン化合物(2-メチルフラン、3-メチルフラン等を含む) | ○不飽和脂肪酸、アスコルビン酸、アミノ酸、還元糖、カロテノイド等の食品成分から生成するとの報告があるが、詳細は分かっていない。 揮発性が高いため、調理時の二次加熱等により減少する可能性がある。 ○発がん性を有する疑いがある。 ○缶詰、瓶詰、レトルト食品のような密閉容器中の食品に蓄積しやすい。大豆を原料とする発酵食品にも比較的高い濃度で含まれるものがある。 |
食品安全に関するリスクプロファイルシート:フラン及びフラン類縁体〔農林水産省〕(PDF : 257KB) ファクトシート:フラン〔外部リンク:内閣府食品安全委員会〕〕(PDF : 315KB) |
食品中のフラン及びフラン化合物に関する情報〔農林水産省〕 |
トランス脂肪酸 | ○トランス型の炭素-炭素二重結合を持つ不飽和脂肪酸。水素を添加して液体の油脂から固体又は半固体状の油脂を作る工程や、反すう動物の胃内で生成する。 ○心疾患のリスクを高める要因となる。 ○部分硬化油(マーガリンやショートニング)及びそれらを使用した食品並びに牛、羊等の乳や肉に含まれる。 |
食品安全に関するリスクプロファイルシート:トランス脂肪酸〔農林水産省〕(PDF : 584KB) 新開発食品評価書:食品に含まれるトランス脂肪酸〔外部リンク:内閣府食品安全委員会〕 |
トランス脂肪酸に関する情報〔農林水産省〕 トランス脂肪酸に関する情報〔外部リンク:消費者庁〕 |
ニトロソアミン類(N-ニトロソジメチルアミン、N-ニトロソジエチルアミン等を含む) | ○アミン窒素上の水素がニトロソ基に置換された化合物の総称。 ○いくつかは発がん性があると考えられている。 ○硝酸塩や硝酸塩を使用した食品、燻製食品、麦芽を使用した酒類、発酵食品などに含まれるほか、たばこの煙などにも含まれる。 |
食品安全に関するリスクプロファイルシート:ニトロソアミン類〔農林水産省〕(PDF : 465KB) | 食品中のニトロソアミン類に関する情報 |
お問合せ先
消費・安全局食品安全政策課
代表:03-3502-8111(内線4459)
ダイヤルイン:03-3502-7674