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農林水産省

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食品に含まれるトランス脂肪酸の由来

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更新日:2018年11月28日

食品に含まれるトランス脂肪酸には、油脂の加工・精製工程で生じるトランス脂肪酸と、天然に生じるトランス脂肪酸があります。なお、現時点では、これらの由来が異なるトランス脂肪酸を区別できる分析法は存在しません。

油脂の加工由来のトランス脂肪酸

油脂の加工・精製工程のうち、常温で液体の油脂から半固体、固体の油脂を作り出す水素添加(硬化処理)や、好ましくない臭いや不純物を除去するために油脂を高温で加熱する脱臭を行う際に、不飽和脂肪酸中のシス型炭素-炭素二重結合の一部がトランス型二重結合に変化することがあります。(水素添加の詳細については下記の解説をご覧下さい。

部分的に水素添加された油脂を用いてつくられたマーガリンやファットスプレッド、ショートニングや、それらを原材料に使った菓子類などの食品、部分的に水素添加された油脂で調理された揚げ物などに、トランス脂肪酸を含んでいるものがあります。

なお、揚げ調理の際にも油脂を高温で加熱するため、揚げ油に含まれる不飽和脂肪酸中のシス型二重結合の一部が、熱によってトランス型二重結合に変化し、トランス脂肪酸が生成する可能性も指摘されています。しかし、農林水産省が加熱による油脂中のトランス脂肪酸濃度への影響を調査した結果、通常の揚げ調理の条件下における油脂の加熱(160~200℃)では、同じ油を何度も繰り返し加熱したとしてもトランス脂肪酸はごく微量しか生成せず、その影響は無視できることを確認しました。

天然由来のトランス脂肪酸

牛、羊、山羊などの反芻(はんすう)動物の胃に存在している微生物の働きにより、不飽和脂肪酸中のシス型二重結合の一部がトランス型二重結合に変化します。 そのため、牛や羊、山羊の肉や乳、その加工品に、トランス脂肪酸が含まれています。

 


油脂の水素添加とトランス脂肪酸の生成について

不飽和脂肪酸の割合が高い油脂は常温で液体の油になり、逆に飽和脂肪酸の割合が高い油脂は常温で固体の脂肪になることが知られています。そこで、不飽和脂肪酸の割合が高く、常温で液体の植物油や魚油から、常温で固体の油脂を製造する方法の1つとして、不飽和脂肪酸にある炭素-炭素二重結合に水素を付加することで二重結合の数を減らし、飽和脂肪酸の割合を増やす技術があります。この技術によって、酸化による品質劣化がしにくい油脂や、特定の温度で融ける油脂など、様々な特徴を持つ油脂を作ることができます。この技術を「水素添加(硬化処理)」といい、この方法で製造された油脂を「水素添加油脂」といいます。水素添加油脂には、不飽和脂肪酸の全てを飽和脂肪酸にした「完全水素添加油脂」と、不飽和脂肪酸の一部を飽和脂肪酸にした「部分水素添加油脂」があります。完全水素添加油脂にはトランス脂肪酸も含め不飽和脂肪酸は含まれていませんが、不飽和脂肪酸が残っている部分水素添加油脂にはトランス脂肪酸が多く含まれていることがあります。

食品製造事業者は、製品の品質を保ちつつトランス脂肪酸を増やさないようにするため、部分水素添加以外の技術を用いることで、トランス脂肪酸の濃度が低い製品を開発しています。くわしくはこちらをご覧下さい。

例:オレイン酸に水素添加した場合