
近年、家族みんながそろって食事をする共食が減り、ひとりで食べる孤食が増えるなど、食習慣や食の価値観などが変化しています。しかし、食時間を豊かにするためには、正しい食事マナーや作法を子どもたちにも伝えていくことが重要です。子どもと一緒にキッチンに立ち料理を作るなど、ぜひ家族で食について語る時間を持ちましょう。

食事をする際に、前後のあいさつをおろそかにしたり、ひじをついたり、口にものをいれたまま話したりしていませんか? こうしたマナー違反は、食事を作ってくれた人や、一緒に食べてくれる人を不快にさせてしまいます。子どもに間違った食事の仕方を伝えてしまうことにもなるので、自身の食事マナーを見直すことは食育の観点からも大切なことだといえます。
大人でも守れていない人が多いといわれる食事マナーに、箸の使い方があげられます。箸をきれいに持てないと、見た目の印象が悪いだけでなく、魚をきれいに食べられないことが魚嫌いにつながったり、犬食いや迎え舌の習慣が身についてしまったりするおそれがあります。正しく持てるようになるだけで、こうしたリスクを避けることができるので、ぜひ、正しい食事のマナーを身につけて、その意義を子どもにも伝えていきましょう。
箸の持ち方について詳しくはこちら
[aff 2016.5]
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1605/spe2_02.html
「いただきます」と「ごちそうさま」の意味

吉岡 有紀子 教授
女子栄養大学大学院栄養学研究科修士課程修了。博士(栄養学)、管理栄養士。神奈川県都市農業推進審議会委員、NPO法人食生態学実践フォーラム理事。専門は栄養教育論、食育・食教育。セミナーなどを通じて食育関連の実践活動研究も行っている。食事マナーを考えるうえで一番大切なのは相手への思いやりです。食材となる食べ物や、料理を作ってくれた人、一緒に食べる人に対する感謝の気持ちを忘れないことです。食事中に一緒にいる人が不快になること、嫌な気持ちになることをしてはいけません。「いただきます」「ごちそうさま」は食事マナーの基本といえます。この言葉を知らない子どもはいませんが、小学校の食育プログラムでは、「誰に言っているのかな?どうして言うのかな?」と問いかけを行うことで、人や食べ物=命に対して感謝を伝える言葉だと伝えています。

親子で一緒に料理をしながら、食べ物や食事の大切さを伝えていくことは、食育と同時に思い出づくりにつながります。「この野菜はどこで採れたの?」などと話しながら、食材を自分の目で見て、においを嗅ぎ、直接手で触れて食材に親しみ、親子一緒の時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。
たんぱく質、カルシウムを含んだ
バランスの良い卵料理
バランスの良い食事の基本は、主食、主菜、副菜。和食の場合、主食のご飯は炭水化物を多く含んでおり、エネルギー源になります。主菜は、魚・肉・大豆製品・卵などが50グラム以上入ったおかず、副菜は野菜が50グラム以上入ったサラダや煮物などのおかずになります。
今回紹介する主菜「和風スパニッシュオムレツ」は、良質なたんぱく質たっぷりの卵と、子どもの成長に役立つカルシウムを含んだしらすが入ったメニューです。
材料(4人前)
※オクラの代わりにスナップえんどう4本でもよいです。
作り方

あらかじめ材料の野菜を洗い、切っておきます。卵をボウルに割り、しらすとだし(お好みでホワイトペッパー)を入れて混ぜましょう。
子どものお手伝いポイント!
卵を割ってみよう。割り方は子どもの手のひらに卵をのせて、その手をテーブルに返し、ひびが入ったところに親指を入れて割ります。もし、失敗して殻が入っても取り除けばいいので、まずはチャレンジしてみましょう。

フライパンを熱し、ごま油を入れ、オクラを炒めます。表面に油がのったら(1)を流し入れてサッとかき混ぜます。
卵が落ち着いたらオクラとミニトマトを並べ、中火で蓋をして焼きます。

卵に8割程度火を通します。フライパンのヘリのあたりが固まり、真ん中の表面はまだ半熟でも揺れなくなった状態が目安です。フライパンの蓋やお皿にすべらせて、裏返し、お好みの固さに焼き上げましょう。

できあがったら4等分に切り分けて、お皿に盛り付けます。お好みでかつお節と刻んだワケギを振りかければ完成です。
大人は大根おろしとポン酢ワサビで、子どもは甘辛たれやそのまま食べるのがおすすめ。
いろんな料理に挑戦してみよう
農林水産省では、限られた時間でも今ある食材で手軽に作れる、約200種類ものレシピを公開しています。今回はその一例を紹介します。
ごはんにぴったりレシピ
https://www.maff.go.jp/j/seisan/kakou/mezamasi/recipe/
ホワイトソースなしでも出来るお手軽グラタン。白身魚を使った安価で栄養満点の料理です。
材料(4人前)
作り方
ほうれん草はゆでて水にさらしアクを抜き、3から4センチメートルの長さに切っておきましょう。しめじは石づきを取って小房に分けておき、白身魚は小麦粉をまぶしておきます。
フライパンを熱しオリーブオイル小さじ1を入れ、ほうれん草としめじを軽く炒め、塩・コショウしていったん取り出しておきます。同じフライパンにオリーブオイル大さじ1を足して白身魚を炒め、塩・コショウして取り出しておきます。焼きすぎないように注意してください。
直径9から10センチメートルの耐熱容器に白身魚とほうれん草としめじを盛り付け、生クリームを入れてチーズを上にのせます。200度に予熱したオーブンで10から12分焼き、チーズに焦げ目がつけばできあがりです。
もっちり&クリスピーな食感が楽しい米粉入りピザ。お好みの具材でぜひお試し下さい。
材料(4人前)
作り方
ボウルにミックス粉、イーストを入れ、ぬるま湯を加えこねます。まとまったら、オリーブオイルを加え表面がなめらかになるまでこね、濡れ布巾をかけて40分ほど1次発酵させます。
トマトソースを作ります。玉ねぎ、にんにくはみじん切りにし、オリーブオイルと共に弱火にかけ、香りがたったら、潰したトマトと塩を加え弱めの中火で15分程度煮つめます。
生地を台へ取り出し3等分して表面を張らせるように丸め、とじ目を下にして濡れ布巾をかけて10分休ませます。
生地を麺棒でフチがやや厚くなるように、直径22センチメートル程度の円形にのばし、フチを残してトマトソースを塗り、具材をバランスよく乗せます。チーズを散らし、230度のオーブンで15から20分焼きます。
(PDF : 549KB)
編集後記
今週の食事マナーや食育レシピのご紹介いかがでしたか?親子で料理作りにチャレンジしたり、みんなで食卓を囲んで、「○○は今が旬だね」「○○を食べると骨が丈夫になるよ」といった会話を楽しみながら、食への興味が自然と持てるようになれたらいいですね。(広報室KM)
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