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まだまだ知らない!食肉の世界

2 牛、豚、鶏の部位を徹底解説!お肉丸わかり図鑑

同じ牛、豚、鶏でも部位によって肉質や味、適した調理方法はさまざま。部位名は知っているけれど、その違いはわからないという方も多いのでは?今回は「食肉小売品質基準」や「食鶏小売規格」によって定められている各肉の部位をイラストで紹介。また、それらには分類されていない少しマニアックな部位も解説します。

ちょっと贅沢に!
牛肉の部位

牛肉は「食肉小売品質基準」によって、イラストにある部位が定められています。サシ(霜降り)が入り柔らかくて濃厚な味わいの部位から、肉本来のうま味を感じられるさっぱりとした味の部位まで、牛肉は部位ごとの特徴が明確です。それぞれの特徴を活かした調理をすることで、よりおいしく食べられます。

写真:牛肉の部位

ステーキで食べたい!
牛肉のマニアックな部位

イチボ

お尻から腰にかけての肉の中でも、臀部(でんぶ)にあたる柔らかい部分がイチボです。イチボは部分によって肉質が異なります。サーロイン側は霜降りが多く甘味があり柔らかいので、焼き肉として人気。外もも側は筋肉質で硬めですが、赤身と霜降りのバランスが良いので噛むほどにうま味が感じられます。焼き肉の他に、ソテーやシチューなどの煮込み料理にも適しています。

写真:イチボ

ミスジ

肩甲骨の内側に位置するかた肉の一部で、牛一頭から3キログラムほどしか取れない希少部位です。肩周りはよく動かす筋肉のため、硬い肉質になりがちですが、ミスジだけはあまり動かないので、霜降りが入り柔らかい肉質になります。脂の口溶けがよく、独特の食感と風味が味わえます。上質な赤身と細やかな霜降りで幅広い用途に適していますが、肉のうま味と甘味をあっさりいただけるのでステーキで食べるのがおすすめ。ソースは醤油ベースがベストマッチです。ただし、ミスジは水分量が少なく、加熱しすぎるとパサパサになってしまうので注意しましょう。

写真:ミスジ

シャトーブリアン

最高の肉質を誇るヒレ肉の中でも、中心部分に位置する希少部位がシャトーブリアンです。牛一頭から600グラムほどしか取れないため、幻の部位といわれています。牛の筋肉のなかでも、ほとんど動かされることがないので、赤身にもかかわらず非常に柔らかい肉質です。分厚くカットしても硬くならず、ステーキでミディアムレアに仕上げるとその特徴を最大限に活かして味わえます。家で調理する場合は、ホットプレートなどを使い低温でじっくり焼くのがコツ。

写真:シャトーブリアン
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食卓の味方!
豚肉の部位

豚肉は「食肉小売品質基準」によって、イラストにある部位が定められています。豚肉は肉として出荷される月齢が牛肉より若く、脂肪分の多いばら肉を除き、肉質は比較的均一です。どの部位もさまざまな調理法に適しているので、食卓には欠かせない肉となっています。

写真:豚肉の部位

うま味がたっぷり
豚肉のマニアック部位

コメカミ

豚の頭部をカシラといいますが、その中でも目の横あたりの部位をコメカミといいます。豚がエサを食べる時に使うため、運動量が多く良質な筋肉です。筋張った印象はなくモチモチとした弾力がありながら柔らかい肉質になります。また、脂肪は少ないですがコラーゲンをたっぷり含んでいるためとてもジューシーでうま味を強く感じられます。焼き鳥店で串料理として出されることが多いですが、炒め物や煮込み料理としてもおいしく食べられます。

写真:コメカミ

スペアリブ

ばら肉の中でも、骨付きの部分はスペアリブといわれます。赤身と脂肪が交互に重なり層になっていて、濃厚でコクのある味わいが特徴です。骨周辺の肉には特にうま味が詰まっています。骨から出汁が出るので、煮込み料理にもおすすめ。たれで味付けをする場合は、半日以上漬け込むとしっかりと味が染み込みます。

写真:スペアリブ

豚足

文字どおり豚の足です。肉の部分は少なく、大半が皮と軟骨で構成されている部位です。脂肪が少なく、コラーゲンがたっぷり含まれています。中国や韓国でも一般的に食べられ、沖縄県では「テビチ」(豚足を煮つけにした料理)として有名です。下ごしらえのポイントは、薬味や料理酒と一緒に煮込むこと。臭みが取れておいしく調理できます。

写真:豚足
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高たんぱく低カロリー!
鶏肉の部位

鶏肉は「食鶏小売規格」によって、イラストにある部位が定められています。牛肉や豚肉に比べると淡白な味わいの部位が多くあり、皮を除けば、比較的高たんぱくで低脂肪、低カロリーです。どの部位も基本的にはどんな調理法にも合うので便利な食材です。

写真:鶏肉の部位

焼き鳥では定番!?
鶏肉のマニアックな部位

せせり

鶏の首にあたる部位で、一羽から少量しか取れない希少部位であることから小肉とも呼ばれます。鶏は常に首を動かしているので、その肉質は引き締まっておりプリプリとした歯応えが特徴です。非常にうま味が濃く、コラーゲンも多く含みます。炒め物をはじめ、鶏料理全般に使える便利な部位でもあります。

写真:せせり

ぼんじり

尻尾の付け根の部位で、鶏肉の中で最も脂がのっているといわれます。よく動かす部分なので、ジューシーですが身が締まっていて、噛めば噛むほどうま味を感じられ食べ応えが抜群。焼き鳥で食べるのが一般的ですが、あっさりとした味付けの炒め物にもよく合います。下ごしらえの際は、脂を溜め込んでいる油壺というクリーム色の部位を切り落としましょう。臭みがあるので調理の際は工夫が必要です。

写真:ぼんじり

ふりそで

手羽の中でも根元の部分でむね肉と手羽もとの中間に位置しています。スーパーでは「鶏肩肉」として売られています。手羽やもも肉より脂は少なくあっさりしていますが、むね肉よりはジューシーで、肉汁たっぷりの上品な味わいが特徴。もも肉とむね肉のいいとこ取りをしているので、鶏料理全般に使用できる万能な部位です。

写真:ふりそで
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今回教えてくれたのは

監修者プロフィール

(公財)日本食肉消費総合センター

食肉に関する知識及び情報の提供、食肉の消費の増進、食肉の生産、流通及び消費に関する調査研究などのさまざまな事業を実施している。

<外部リンク>http://www.jmi.or.jp/

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編集後記

焼き肉や焼き鳥を食べに行って、肉の部位がわからないと、外国料理のお店に行ってメニュー名から料理が何ひとつイメージできない時と同じ感覚がしてしまう。そんなことってありませんか?今月号のaffは、号外として肉の部位の表を作成しました。拡大印刷して店舗に貼っていただけたりしませんかね……お願いします。(広報室YT)

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