このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー
まだまだ知らない!食肉の世界

2 おいしいハム&ソーセージはこうして製造されている!

食卓に並ぶことも多いハムやソーセージなどの「食肉加工品」。これらはどのように製造されているのでしょうか?今回は岐阜県で食肉加工品を製造販売する(株)オーガニックフーズの取り組みや技術を紹介します。

写真:ハム&ソーセージ

オーガニックフーズ社に聞く、
ハム&ソーセージづくりへの想い

1986年に岐阜県瑞浪市の自然豊かな森の中にあるハム工房としてスタートした(株)オーガニックフーズ。厳選された国産の豚を原料に、豚肉本来の自然なうま味を活かすため、塩や黒糖、スパイスなどでシンプルに仕上げているのが特徴です。材料や製法にこだわり、すべて手づくりだからこそ引き出せる同社ならではのハムやソーセージにはファンも多く、今ではネット通販や瑞浪市のふるさと納税返礼品として全国へその味を届けています。

試行錯誤から生まれるこだわりの味

写真:ブラートヴルスト

さまざまな種類のハムやソーセージを製造する中で、“ブラートヴルスト”というソーセージを商品化した(株)オーガニックフーズ。直訳すると“焼きソーセージ”といい、燻製していない白いソーセージを製造、販売しています。「1988年から3年間、ドイツのハンブルクでハムやソーセージの製造を学ぶ修業をしました。修業中、製造技術のノウハウを教えてくれたドイツ人の親方が作るブラートヴルストがとてもおいしく、日本へ帰ってきてから“ドイツで食べたあの味を再現したい”と試行錯誤しながら何度もその商品化に挑戦。多くの失敗を経験しましたが、こだわりのハムやソーセージを作るためにはこの経験が欠かせませんでした」と、商品開発のエピソードを社員の方は教えてくれました。また、豚肉本来の味を最大限に引き立たせるため、自家調合したスパイスを使用するなど、手づくり、無添加にもこだわっています。「ハムはじっくり寝かせることでうま味を引き出し、ソーセージは醤油やみりんなど日本の発酵調味料を使うことで肉本来のおいしさを活かしています」

おいしさを追求した「加工技術」

写真:加工の様子

原料調達から製造、販売まで一貫して行う同社では、よりおいしい食肉加工品を作るため、日々加工技術の向上に努めています。中でもこだわっているのが、エマルジョン(乳化)と熟成の技術です。「エマルジョンとは、ドイツ製の高速カッターを使用したカッティング段階で、赤身と脂身、スパイス、冷却用の氷を使って、ソーセージの生地を作る技術です。豚肉をエマルジョン状態にすることで、乳化剤や結着補強剤を使わなくても、分離しないソーセージに仕上げることができます。肉質の微妙な違いに応じて、温度や配合を調整することもおいしいソーセージを作るために重要です」と話す社員の方。また、じっくり時間をかけて行う熟成技術も大切だと言います。「豚肉は熟成させることでたんぱく質が分解されて豚肉本来のうま味が出てきます。ハムやベーコンはうま味調味料などを使って味をつけることはできますが、時間をかけて熟成させることで、素材が持つ香りやうま味を引き出します」。加工技術を研究し、努力を重ねることが、消費者に「おいしい!」と愛される商品を生み出す秘けつのようです。

やさしい味わいを届ける
「これからの食肉加工品」

写真:オーガニックフーズ

「“子どもや孫、家族に安心なハム、ソーセージを食べさせたい”という創業者の想いから、添加物を使わない食肉加工品の製造がスタートしました。ハムやソーセージは食卓のメインではありませんが、欠かせない食材として定着してきたことで、よりおいしい食肉加工品を安心して味わっていただきたいという想いが強まっています。賞味期間は発送日から10日前後と一般的な商品より短いですが、これも本物の自然なお肉の味わいを楽しんでもらうためです。無添加にこだわり、味も品質もさらに高められるよう日々取り組んでいきます」と食肉加工品への熱い想いを語っていました。こういった気持ちから生まれた手づくりの食肉加工品。世界的にもオーガニック食材は注目され、需要が増えてきています。今後、オーガニック認証の取得も視野に入れている同社は、これからもこだわりのハムやソーセージ達を全国に届けていきます。

100パーセント手作り!
ソーセージの製造工程を見てみよう!

オーガニックフーズ社は原料肉のおいしさを活かすため、保存料、発色剤、結着剤を使用せず、手づくりで製造しています。ここからは原料肉のカットからソーセージができるまでの主な製造工程を紹介します。

整形、カット、ミンチ

鮮度と肉質を保つため温度管理に注意しながら素早く肉をカットします。次にカットした肉をミンチにしますが、その肉温が上がらないようにすることで、ボソボソしないソーセージに。

写真:整形・カット・ミンチ

生地の練り込み

高速回転で素早くカッティングする機械にミンチ肉を入れます。赤身と脂身を別々に入れて練り込むことで、出来上がりの食感が良くなります。

写真:生地の練り込み

腸詰め

パリッとした食感が特徴の天然羊腸を使用します。空気が入らないように8割程度詰めて、手びねりでソーセージの形を整えます。

写真:腸詰め

乾燥、燻製、ボイル

スモークハウスの中に入れて乾燥させます。乾燥後は桜のチップを使用して燻製スタート。勢いよく煙が吹き出します。その後、スチームボイルで加熱します。

写真:乾燥、燻製、ボイル

カット、冷却、真空パック

燻製後のおいしそうに色付いたソーセージをカット、一晩冷却します。真空パック詰めし、最終チェックしたソーセージを商品として出荷します。

写真:カット、冷却、真空パック

注目の商品を紹介!

オーガニックフーズ社が選んだ3つのおすすめの商品を紹介します。

ふわっと広がる自然のうま味
「ロースハム」

野菜やスパイスを煮出してひと晩寝かせて作ったピックル液(燻製液)に、きめ細やかで柔らかいロース肉を14日から20日間じっくり漬け込みます。こうすることで本来のうま味を逃すことなく、しっとりとした食感のロースハムが完成。噛めば噛むほどやさしい味わいが楽しめます。

写真:ロースハム

ゴーダチーズを練り込んだ
「チーズソーセージ」

オランダ産のゴーダチーズの塊を砕きながら生地にたっぷりと練り込んでいます。とろけるチーズとソーセージのうま味がぎゅっと凝縮されていて、焼いてもボイルにしてもおいしく味わえます。ケチャップや粒マスタードとの相性も抜群です。

写真:チーズソーセージ

桜のチップで燻した
「生ベーコン」

赤身と脂身が層になったばら肉に、塩、黒砂糖、スパイスを直接擦り込み、10日から14日間かけて熟成させます。桜のチップで燻し、あえて加熱加工をせず生で仕上げています。調理の際は、油をひかずに焼くのがポイント。ベーコン本来の味を堪能できます。

写真:生ベーコン

オーガニックフーズ社おすすめ!
もっとおいしく食べる簡単レシピ

前菜やおつまみにも! ロースハムのブルスケッタ

写真:ロースハムのブルスケッタ

イタリア料理の前菜として出されるブルスケッタ。にんにくの風味がロースハムのうま味を引き立てます。ワインとの相性も抜群です。

材料(2人前)

ロースハム
4枚から6枚
スライスしたバゲット
4枚から6枚
レタス
4枚から6枚
スライストマト
2枚
バター
適量
にんにくペースト
適量

作り方

1

バゲットにバターとにんにくペーストを塗ります。

2

オーブンで表面がカリッとするまでトーストします。

3

焼けたバゲットにロースハム、レタス、トマトを載せて完成です。

今回教えてくれたのは

企業プロフィール

(株)オーガニックフーズ

緑豊かな岐阜県瑞浪市の山の中にある小さな工房で、無添加のハム、ソーセージ、ベーコンを製造販売する。“家族には安心、安全なハムやソーセージを食べさせたい”という創業者の想いを貫き、時間をかけて丁寧に製造した商品を届けている。

<外部リンク>http://nakasendo-ham.jp/

写真:オーガニックフーズ
この記事のPDFはこちら

編集後記

手作りのソーセージ、とてもおいしそうでした!原料の肉のカットから完成までにさまざまな工程がありましたが、おいしい製品を作るため、それぞれの工程で細やかな配慮をしながら、丁寧な製品づくりをされているのが印象的でした。桜チップでスモーク(燻製)されたソーセージを焼いたら、ふわっとおいしそうな香りがしてきそうですね。(広報室KM)

記事の感想をぜひお聞かせください!

お問合せ先

大臣官房広報評価課広報室

代表:03-3502-8111(内線3074)
ダイヤルイン:03-3502-8449
FAX番号:03-3502-8766