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まだまだ知らない!食肉の世界

4 豚も牛も鶏も!お肉を味わえるご当地ラーメン

日本の大衆食の代表格であるラーメンは、今や世界各国に認知されています。そんなラーメンにおいて、スープやトッピングなどでお肉の存在は欠かせません。今回は、「豚」「牛」「鶏」のそれぞれのおいしさを引き出したご当地ラーメンを、フードジャーナリストのはんつ遠藤さんに伺いました。

写真:ラーメン

写真:豚骨ラーメン

人気はもはや世界規模!博多ラーメン(福岡県福岡市)

博多ラーメンの特徴

豚骨(とんこつ)から取った乳白色のスープと、薄口醤油や塩がベースとなったたれを合わせたご当地ラーメン。豚骨を白濁するまで煮込むことで、骨の髄から独特の出汁が引き出されます。極細の中華麺は約100グラムと少なめで、麺だけをおかわりする“替え玉”文化は博多の長浜ラーメンがルーツだそうです。主な具は、豚チャーシューや紅しょうが。卓上に置かれた辛子高菜やごまをお好みでトッピングする形式も特徴。海外からの旅行者にも人気があるラーメンです。

博多ラーメンの歴史

日本のご当地ラーメンの大半はもともと、戦後に屋台で提供されたのが始まりだといわれています。当時、ラーメンスープの出汁には、安価で手に入りやすかった豚の骨が広く使われましたが、当初は白濁する前の澄んだスープを使うのが主流でした。白濁するまで煮込んだ豚骨スープを使用するラーメンは、実は同じ福岡県内の久留米ラーメンが発祥だとか。スープを継ぎ足して作る濃厚な久留米ラーメンに比べ、そこから派生したともいわれる博多ラーメンは、あっさりと食べやすいクリーミーなスープを使用したものもあります。
また、替え玉のルーツには諸説ありますが、長浜ラーメンが最初といわれています。博多港に面する港町の長浜では、市場で忙しく働く人達のために、素早く提供できることが求められました。そこで、すぐに茹で上がる少量の極細麺を提供し、そのぶん替え玉で量を調整しました。それが、博多ラーメンにも波及したといわれています。

博多ラーメンおすすめのお店

長浜ナンバーワン

王道の博多ラーメンが食べられる店。1971年に創業し、長浜屋台通りで「行列のできる屋台」として人気を博しました。現在は、伝統の味を引き継いだ店舗で味わうことができます。国産の豚骨のみを20時間以上煮込み、豚のうま味を最大限に引き出した一杯。ちょっぴりとろみのあるスープは口当たりがまろやか。

<店舗情報>
住所:福岡県福岡市中央区長浜2-5-22
電話:092-725-5545

写真:煮卵ラーメン

写真:牛骨ラーメン

牛骨のコクと甘みがクセになる 鳥取牛骨ラーメン(鳥取県中部)

鳥取牛骨ラーメンの特徴

牛骨で取った澄んだスープをベースに、醤油だれなどを合わせたラーメン。見た目はノーマルな醤油ラーメンのように見えますが、牛骨のまろやかな甘味が感じられる、上品で食べやすい味わいです。麺はやや細めで、具は豚チャーシューやメンマ、ねぎなどオーソドックスなものが多いそう。牛脂を加えることもあります。締めにごはんを入れて、おじや風にして食べるのもおすすめです。

鳥取牛骨ラーメンの歴史

全国でもまだまだ数が少ない牛骨スープのラーメンは、倉吉など鳥取県のほかには山口県や山形県の一部などで食べられています。スープに牛骨を使う理由の一つが「捨ててしまう部位で、使い道がなく余っていたから」。江戸時代から日本有数の牛の産地だった鳥取県では、戦後から多くの店が牛骨で出汁を取ったラーメンを提供していました。地元の人にとっては牛骨スープのラーメンが当たり前でしたが、近年知名度が上がり、東京に出店する店舗も出現するなど、全国的な人気が出始めています。

鳥取牛骨ラーメンおすすめのお店

香味徳(かみとく) 倉吉店

JR山陰本線倉吉駅から徒歩10分ほどの立地で、地元で古くから食べられてきた鳥取牛骨ラーメンが味わえます。やや柔らかめの麺が、牛骨で取った醤油スープの上品な甘味によく合います。ラーメンだけでなく、豚肉のうま味も活きた焼きめしやカレーライスなどの一品メニューも人気です。

<店舗情報>

住所:鳥取県倉吉市山根538-2
松田店舗1F西

電話:0858-48-1165

写真:ラーメン

写真:鶏ガラスープ

知る人ぞ知る地元の味  笠岡ラーメン(岡山県笠岡市)

笠岡ラーメンの特徴

鶏ガラで取ったスープをベースに、醤油だれを合わせたあっさりめのラーメン。最大の特徴は、卵を産み終わった親鶏の肉を煮て作った鶏チャーシュー「かしわ」。中細ストレート麺が鶏ガラのスープによく合い、噛めば噛むほどうま味が広がるチャーシューがアクセントになってどんどん箸が進みます。鶏チャーシューのほかに、斜め切りのねぎやメンマが載っているものが主流です。

笠岡ラーメンの歴史

笠岡市周辺では養鶏が盛んで、鶏肉が安く手に入りました。中でも採卵期間を終えた雌鶏(廃鶏)は用途が少なく、そうした安価な鶏肉を使ってラーメンを作ったのが始まりです。戦前から営業していた「斉藤」(現在は閉店)という店で提供されたのが発端だといわれ、その後、笠岡市内を中心に広がっていったとか。また、「笠岡ラーメン」と呼ばれるようになったのは2000年頃からだそうです。

笠岡ラーメンおすすめのお店

いではら

メニューは「中華そば」と「飯」のみ、店内もカウンター席だけというシンプルさ。しっかり取った鶏ガラスープと濃いめの醤油味(うす味も可能)が評判です。ほんのりとした甘味が後を引くおいしさ。笠岡ラーメンならではの噛み応えのある鶏チャーシュー(かしわ)をぜひ味わって。

<店舗情報>
住所:岡山県笠岡市笠岡2827
電話:0865-63-7667

写真:中華そば

はんつ遠藤さん直伝! チャーシューの新しいトレンド「鶏肉」と「低温調理」

写真:鶏チャーシュー

チャーシューは「焼豚」と表記するとおり、豚肉を焼いて作るものが元祖。最近では甘辛いたれで煮付けた、いわゆる“煮豚”を載せているラーメン店も増えているようです。
さまざまなスープやトッピングが研究されているラーメン界で、近年注目されているのが「鶏チャーシュー」です。しかも、じっくりと時間をかけて火を通し、ジューシーに仕上げることのできる低温調理がトレンドだとか。
そこで、自宅でも簡単に作れる鶏チャーシューの作り方を紹介します。そのままおかずやおつまみにしたり、ラーメンに載せたり、チャーハンの具にしたりと、楽しみ方が広がりますよ。

材料(作りやすい分量)

鶏もも肉
1枚
2分の1カップ
めんつゆ
大さじ2
ねぎの青い部分(バジル、ローズマリー、ローリエなどの香草でも可)
1本分

作り方

1

二重にしたチャック付きポリ袋に材料をすべて入れ、空気を抜いて口を閉じる。

2

鍋に1を入れ、かぶるくらいの水(分量外)を入れて、沸騰させる。

3

沸騰して10分経ったら火を止め、そのまま触れる程度の温度になるまで1時間ほど冷ます。

4

袋から取り出し、切り分けてお皿に盛り付ける。袋に残ったたれを絡め、お好みでこしょうやレモン汁などをかけて出来上がり。

おろしにんにく、おろししょうが、ブラックペッパーなどをお好みで入れてもおいしくできます。冷ました後は冷たくならないうちに鍋から取り出し、すぐに食べるか、冷蔵庫に入れてください。
(注)お湯の量や室温、鶏肉の大きさによって仕上がりに違いが出ることがあります。また、十分に火が通っていることを確認してから食べましょう。

今回教えてくれたのは

専門家プロフィール

はんつ遠藤さん

海外旅行雑誌のライターを経て、フードジャーナリストに。ライターとして執筆、カメラマンとして撮影の両方をひとりでこなし、取材軒数は、1万軒を超える。中国のラーメンテーマパーク「拉麺競技館」の名誉館長も務める。近年は料理研究家としてテレビ、ラジオ、雑誌などで創作レシピを紹介している。著書に『おうちラーメンかんたんレシピ30』(幹書房)『東京やきとり革命!』(ポプラ社)など。

写真:はんつ遠藤
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編集後記

今回紹介したラーメン以外にも、日本全国にはまだまだご当地ラーメンが存在します。皆さんのおすすめのラーメンがありましたらぜひ「感想を送る」から教えてください!なお、担当はご当地ではありませんが、いわゆる「二郎」や「二郎系」と呼ばれるラーメンに学生時代、夢中になりました。今でもマシマシいけます!多分…(広報室KT)

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大臣官房広報評価課広報室

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