和食や日本酒と楽しむ国産チーズ
和食とチーズの
おいしい関係
牛乳の減塩効果、和食との相性に着目し、テレビ、書籍、講演会などでその魅力を発信。2015年1月、日本高血圧協会理事に就任。健康とつくりやすさに配慮した、オリジナルレシピにファンも多い。
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味噌や醤油とチーズは相性がよい
20年以上も前から乳製品を使ったレシピの開発に取り組んできた小山浩子さんは、普段の暮らしのなかでも自然に和食とチーズを合わせていたそうです。「なぜ相性がよいのかというと、ナチュラルチーズが発酵食品だから。和食によく使われる味噌や醤油、納豆などの発酵食品とは親和性が高いのです。ともにうま味成分として知られているグルタミン酸を豊富に含み、うま味同士のかけ合わせでさらにおいしくなります」。
チーズを加えることで
さらに栄養豊富に
さらに、栄養の面でも和食にチーズを取り入れることには大きなメリットがあります。「和食はカルシウムやタンパク質をより多く摂取することができます。栄養価が整うと、おのずと味も整ってきて、料理の完成度も高くなるんですよ」。また塩や醤油の代わりにチーズを使うと、おいしさを損なわずに減塩もできます。
チーズの特性を活かして
気軽に使ってみよう
「チーズは食品としての完成度が高く、そのまま切って食べるだけでもおいしい。ですから料理に使っても失敗しにくいんです」。まずは普段の和食にチーズをトッピングしたり、混ぜたりするだけでもよいでしょう。「おひたしや白和えに混ぜるととてもおいしいですよ。また味噌汁の中にポトンと落とすだけでリッチな香りになります。少し硬くなってしまったチーズは、細かく刻んで納豆やネギと和えるのがおすすめです」。それに慣れたら、下にあげたポイントを参考にして、和食をつくる際に食材の一部をチーズに置き換えてみましょう。「置き換えるだけなので、レパートリーは無限に広がります。ぜひチーズ和食に挑戦してみてください」
自由に形を整えられる性質を活かす
熱で溶ける性質を活かす
細かくすりおろせる性質を活かす
西京味噌のような熟成の浅い味噌を使うと和菓子テイストになり、熟成が長い味噌を使うとおつまみ寄りの味になります。西京味噌なら下記の量より多めに入れるのもよいですが、熟成タイプの味噌は塩辛くなりやすいので分量をきちんと量って混ぜましょう。
材料(つくりやすい分量)
国産クリームチーズ…40グラム
味噌…小さじ1弱(6グラム)
つくり方
蓋付き容器に分量のクリームチーズと味噌を入れて
滑らかになるまでよく混ぜる。
味噌クリームチーズ入り卵サンド
バターやマヨネーズを使うより脂分が少なくヘルシーなサンドイッチ。パンは白い食パンよりも玄米パンやライ麦パンなど茶系のパンのほうが相性がよいです。事前に軽く凍らせておくと切りやすくなります。サンドイッチ用食パン(10枚切り)を使用してもよいでしょう。だし巻き卵は市販のもので十分。自分でつくる場合はスクランブルエッグを固めたようなものでもよいでしょう。
材料(1人分)
味噌クリームチーズ…上記全量
玄米入り食パン(6枚切り)…1枚
だし巻き卵(市販品)…2切れ(50グラム)
青じそ…4枚
つくり方
- パンは包丁で半分の厚さに切る。
- 片面ずつ味噌クリームチーズをぬり、しそを並べ、
その上に5ミリメートルの厚さに切っただし巻き卵をのせて挟む。 - 全体をラップで包み、上から全体に表面を手で押さえる。
- 6等分の長方形に切り、お皿に盛る。
味噌クリームチーズは、その他にもトーストに塗る、かまぼこに挟むほか、味噌汁の隠し味、大根ディップなどにもおすすめ。またそのまま日本酒のあてとしても楽しめます。潰したじゃがいもを混ぜても美味しいです。
乳和食とは?
小山さんが考案した「乳和食」とは、味噌や醤油などの、日本の伝統的な調味料に、「コク味」や「うま味」を有する成分無調整牛乳を組み合わせることで、食材本来の風味や特徴を損なわずに食塩や出汁を減らし、おいしく食べてもらう調理法です。(一社)Jミルクの「乳和食特設サイト」では、乳和食のレシピ約80点を公開しています。また「ミルクレシピ」のページでも、小山さんが考案したチーズを使用した料理のレシピを見ることができます。
じつは相性抜群!
日本酒とチーズ
「インフィニット・酒スクール」プロデューサー兼講師。ワインスクールやチーズ工房を始めとする製造研修などで学びながら、バー、フレンチ、イタリアンなどでサービスと調理経験を積む。現在は自身のスクール、産業能率大学、企業などで講師を務めるほか、執筆やメディア出演、各種審査員など飲食のプロとして幅広く活動。
米麹由来のうま味が
チーズのおいしさを引き立てる
「チーズに合わせるお酒と言えば、一般にはワインというイメージがありますが、じつは日本酒もチーズとよく合うお酒なんですよ」と語る、「圓子チーズ」こと、圓子千春さん。圓子さんはチーズと日本酒の相性について、10年以上前から科学的な視点も交えて研究してきました。「日本酒もチーズもグルタミン酸を豊富に含み、うま味の同調によって互いを引き立てます。またお酒の種類によっては、比較的クセが強いチーズは苦みや渋みが強調されてしまう場合がありますが、日本酒は米麹由来の甘味やうま味がチーズのクセもまろやかに包んでくれます」
どちらを主役にするのかを考えよう
チーズと日本酒をペアリングする際のポイントは、「同調」「対比」「リセット(ウォッシュ)効果」の3つ。「そしてチーズと日本酒、どちらを主役にするのかを考えることも大事です。たとえばお酒をメインにするなら、塩をなめながら飲む感覚で、塩辛い風味のチーズを選ぶのもひとつの手。またクセが強いチーズやお酒の場合、同調を考えてクセのあるものを合わせてもよいのですが、その個性をじっくり楽しみたい場合は、対比を考えて合わせるのはあえてシンプルでさっぱりしたものがよいでしょう」。下に圓子さんおすすめのチーズ&日本酒のペアリングをご紹介していますが、いろいろ試して自分好みのペアを探してみてください。
同調
強弱、濃淡、香り、味わい、
テクスチャー(食感)などが
似ているもの同士を組み合わせること。
対比
極甘の貴醸酒に塩辛いチーズといった具合に、
あえてまったく異なる味のものを組み合わせて
新しい第3の味をつくること。
リセット(ウォッシュ)効果
チーズの脂肪を洗い流してリセットできる、
スパークリング日本酒や
酸味の強い日本酒を組み合わせること。
「餃子にビール」「唐揚げにサワー」など、
日本人好みの組み合わせ。
日本酒にあう「あなた好み」
のチーズを探してみよう
aff6月号では、魅力あるさまざまなタイプの国産チーズを紹介してきました。
お気に入りの日本酒に合う、あなた好みの国産チーズを探してみてはいかがですか?
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セミハード、
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