

食品表示には、使われている原材料やいつまで食べられるかの表示だけではなく、他にもいろいろなことが表示されています。
あるものを食べるといつもからだの調子が悪くなる性質をもっている人がいます。これを食物アレルギーといいます。アレルギーの原因になる食べ物の種類や量は、人によってちがいますし、からだの調子の悪くなりかたもいろいろです。症状は、かゆみ、じんましん、くちびるのはれ、腹痛、はきけ、せきなどですが、ひどい場合には命にかかわることもあります。
食物アレルギーは、生まれつきのものと、成長していく中で起きる場合があります。アレルギーをもっている人は、アレルギーの原因となる食品を食べないようにしなければなりません。そこで、アレルギーの原因となることが多い食品を知らずに食べてしまうことをふせぐために、その原材料を含んでいることを必ず表示するように決められています。
必ず表示することが決まっているのは、卵、乳(牛乳、チーズなど)、小麦、そば、落花生(ピーナッツのこと)、エビ、カニの7品目です。これらは、アレルギーを起こす人が多いものや、症状が重くなりやすいものです。
その他に、かならずではないけれど、表示したほうがよいと決められたものが18種類あります。それは、アワビ、イカ、イクラ、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、クルミ、サケ、サバ、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、マツタケ、モモ、ヤマイモ、リンゴ、ゼラチンです。


加工食品を作るときには、食品添加物を使うことがあります。食品添加物を使う理由には、次のような目的があるからです。
基本(きほん)として、食品を作るときに使われた食品添加物はすべて表示をすることになっています。また、食品添加物の種類によっては、食べ過ぎるとからだに悪い影響(えいきょう)がでるものもあります。悪影響(あくえいきょう)が大きい添加物は、どの食品にどれくらい使っていいのか「使用基準(しようきじゅん)」が決められています。
食品添加物は、次のように表示されています。(カッコの中は、使う理由です。)
「ビタミンC」(酸化をふせぎ、長く保存できるようにするもの)
「香料(こうりょう)」(食品に香りをつける)
「乳化剤(にゅうかざい)」(水と油がよくまざるようにする)
「甘味料(かんみりょう)(キシリトール)」(甘くする)
「酸化防止剤(さんかぼうしざい)(ビタミンE)」(酸化をふせぎ、長く保存できるようにするもの)
遺伝子組換え食品は、とくべつな方法を使って作り出した虫に食べられにくい性質や、病気になりにくい性質をもった農産物である遺伝子組換え農産物を原材料として使っている食品のことです。国が食べても問題がないかを確かめたものだけが、食品の原料として使うことができます。現在、日本で食品としてみとめられている遺伝子組換え農産物があるのは、だいず、とうもろこし、じゃがいも、なたね、アルファルファ、てん菜などです。
これらの遺伝子組換え農産物を原材料に使っている食品には、遺伝子組換え農産物を使っているか、そうでないかを見分けるための表示をすることが決まっています。


例)
- 「遺伝子組換え」…遺伝子組換え農産物を使っている
- 「遺伝子組換え不分別(ふぶんべつ)」…遺伝子組換え農産物とそうでないものをちゃんと分けていない
- 「遺伝子組換えでない」…遺伝子組換え農産物を使っていない
加工食品には、栄養成分が表示されているものがあります。栄養成分表示を見ることで自分にあったものを選んだり、食べる量を考えることができます。カルシウムが多く入っていることを示す「カルシウム入り」やエネルギーが少ないことを示す「カロリーオフ」などの表示をすることもあります。このような表示をする場合は、それぞれの決められた基準(きじゅん)を満たす必要があります。
また、こういった表示を食品にするときは、表示をするための決まりがあって、次の5種類の成分の表示をセットで表示することが決まっています。さらにカルシウムやビタミンCが多く入っているといった表示をしたいときには、この5種類の成分といっしょに表示することになっています。
栄養成分表示をするときに、必ず表示しなければならない成分は次の5項目です。
熱量(ねつりょう)(「エネルギー」で表示されることもあります)
たんぱく質
脂質(ししつ)
炭水化物(たんすいかぶつ)
(「糖類(とうるい)」及び「食物繊維(しょくもつせんい)」で表示されることもあります)
ナトリウム
ナトリウムとは、塩の成分です。
ナトリウムから食塩の量(食塩相当量)を計算してみよう。
ナトリウム(mg)×2.54÷1000=食塩(g)
農薬は、お米や野菜やくだものなどの農産物を育てるときに、虫に食べられないようにしたり、病気にならないようにしたり、雑草を増やさないようにしたりするために使われています。もし、農薬を使わなければ、農産物の収かく量が大きく減ったり、良いものができなくなったりしてしまいます。いつも安定して農産物を育てるためには、農薬は欠かせないものです。
しかし、人のからだや動物、またしぜんの環境によくないものが使われないようにするため、国が安全であるかをチェックして問題がなかったものだけが売ることができるようになっています。また、農薬は、使いすぎて農産物にその成分が残ったりしないように、その使い方もきちんと決められています。
お店で売っている農産物を食べるときに、農薬を気にして洗ったり皮をたくさんむいたりする必要はありません。



