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EU

更新日:2019年8月9日

欧州連合(EU)の加盟国で水素添加油脂を原料とする食品を販売する場合には、使用した油脂が完全水素添加油脂、部分水素添加油脂のどちらであるのかを表示しなければなりません。

また、欧州委員会が、2019年5月14日に、消費者向けに販売される食品中のトランス脂肪*(天然由来のものを除く)は脂質100 gあたり2 gを超えないようにしなければならないとする規制を導入しました。2021年4月2日以降は、本規制を満たす食品のみが流通可能になります。

*EUは、トランス脂肪を、「少なくとも一つ以上のトランス型の非共役(一つ以上のメチレン基で隔てられていること)炭素-炭素二重結合をもつ脂肪酸」と定義しています。

(参考)WHOは、トランス脂肪酸から摂取するエネルギー量の目標を、「総摂取エネルギー量の1%より少なくすること」としています。EU加盟国の中には、特定の年齢層や所得層におけるトランス脂肪酸の平均摂取量がWHOの目標より多い国もあります。各国における脂質・トランス脂肪酸の摂取量こちらをご覧ください。なお、日本人のトランス脂肪酸から摂取する平均的なエネルギー量は、総摂取エネルギーの0.44~0.47%であり、WHOの目標を達成しています。

栄養表示

EUでは、栄養表示における脂肪酸の強調表示や原材料表示に、次のような規則があります。

以下の要件を満たす場合に、低飽和脂肪酸、又はこれに類する表示が可能

  • 食品が固体の場合には、食品100 gあたりの飽和脂肪酸とトランス脂肪酸との合計が1.5 gを超えないこと。
  • 食品が液体の場合には、食品100 mlあたりの飽和脂肪酸とトランス脂肪酸との合計が0.75 gを超えないこと。
  • 食品が固体であっても液体であっても、飽和脂肪酸とトランス脂肪酸とをあわせたエネルギー量が、その食品のエネルギー量の10%を超えないこと。

以下の要件を満たす場合に、飽和脂肪酸フリー(飽和脂肪酸を含まない)、又はこれに類する表示が可能

  • 食品100 g又は100 mlあたりの飽和脂肪酸とトランス脂肪酸との合計が0.1 gを超えないこと。

原材料として水素添加油脂を用いる場合の表示義務

  • 水素添加油脂を使用した食品の原材料表示では、それが完全水素添加油脂、部分水素添加油脂のどちらであるのかを表示しなくてはならない。

EU理事会は、2011年9月に包装食品における栄養成分表示の義務化を決定した際、トランス脂肪については義務表示の対象とはせず、低減対策の影響等についてさらなる情報が必要であるとしました。このため、欧州議会及びEU理事会は、欧州委員会に対し、トランス脂肪に関する消費者への情報提供や規制措置など、より健康的な食品を消費者に供給するための各種対策の効果や影響を評価するよう要請しました。

食品中のトランス脂肪酸濃度の規制

欧州議会及びEU理事会からの要請を受け、欧州委員会は、油脂の加工工程でできるトランス脂肪の摂取量を減らすための対策として、食品中のトランス脂肪濃度の上限値の設定、表示の義務化、部分水素添加油脂の食品への使用の禁止といった複数の規制案を検討しました。これらの規制案について、健康寿命の増進や医療費の削減などの社会的利益、食品事業者の負担などの経済的影響等を評価しました。その結果、既に一部のEU加盟国で導入されていた、食品中のトランス脂肪濃度の規制が最も効果的な対策であると結論しました。

その後、欧州委員会は、規制の内容を以下のとおり決定し、2019年4月24日に公布、5月14日に施行しました。

  • 消費者向けに販売される食品中のトランス脂肪(天然由来のものを除く)は、脂質100 gあたり2 gを超えないようにしなければならない
  • 消費者向けまたは小売業者向けではなく、事業者間で取引される食品中のトランス脂肪が上記の基準値を超えている場合には、供給元の事業者はその旨を供給先に知らせなくてはならない

なお、本規制は2021年4月2日より適用されます。

動物性・植物性の両方の脂質を含む食品の取扱い

食品が上記規制に適合しているかどうかを判断するためには、規制の対象となるトランス脂肪酸の種類とその分析法を明確にする必要があります。現在、欧州委員会は、これらの事項について検討しています。

また、欧州委員会は、牛などの反すう動物の体内でできる天然由来のトランス脂肪酸を上記規制の対象外としています。食品には動物性脂肪と植物性油脂の両方を原料とするものもあり、このような食品は天然由来と油脂の加工由来のトランス脂肪酸の両方を含む可能性があります。しかし、現時点では天然由来のトランス脂肪酸と油脂の加工由来のトランス脂肪酸とを区別する方法はありません。

そこで、欧州委員会に科学的な助言を行う機関であるJoint Research Centreは、9c, 11t共役リノール酸を天然由来のトランス脂肪酸の指標とし、食品中のトランス脂肪酸が天然由来か油脂の加工由来かどうかを判別する方法や、酪酸濃度をもとに天然由来のトランス脂肪酸濃度を推定する方法を検討しています。食品が上記規制に適合しているかどうかを判断する具体的な方法は、2019年中に決定する見込みです。

参考リンク

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