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農林水産省

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1.農産物の安全性の向上

(1)農産物の安全性を向上させるための工程管理の推進

   農林水産省では、危害要因に関する汚染実態調査や汚染防止・低減技術の開発・実証等の結果を基に、対策をまとめた指針等を作成している。都道府県、生産者団体等は、これらの指針に記載されている汚染防止・低減技術を、GAPの取組等を通じ、各産地の実情に合った方法で生産者に普及する。

(2)有害物質等のリスク管理措置の徹底

ア かび・かび毒対策

   農作物にかびが付着し増殖すると、収量や品質の低下を招くばかりでなく、ヒトや家畜の健康に悪影響を及ぼすかび毒によって汚染される可能性がある。かび毒は、加工や調理工程で完全に除去することは難しいため、生産・貯蔵段階において、その汚染の防止・低減対策に取り組む。

(ア)生産段階

   麦類の赤かび病菌が産生するかび毒による汚染の防止・低減対策については、「麦類のデオキシニバレノール、ニバレノール汚染の予防及び低減のための指針」等を参照。米麦の乾燥調製中のかびの付着や増殖の防止、かび毒汚染の防止・低減対策については、「大規模乾燥調製貯蔵施設の設置・運営に当たっての留意事項について」及び「米のカビ汚染防止のための管理ガイドライン」を参照。原料りんご果実及びりんご果汁のかび毒汚染の防止・低減対策として、「食品、添加物等の規格基準の一部改正について」を踏まえ、傷果発生防止のための丁寧な収穫や管理、腐敗果の除去等を徹底する。

(イ)貯蔵段階

   米麦の貯蔵中のかびの付着や増殖の防止、かび毒汚染の防止・低減対策については、「大規模乾燥調製貯蔵施設の設置・運営に当たっての留意事項について」及び「米のカビ汚染防止のための管理ガイドライン」を参照。

(ウ)飼料用とうもろこし子実のかび毒汚染・低減対策

   飼料用とうもろこし子実のかび毒汚染の防止・低減対策については、「飼料用とうもろこし子実のかび毒汚染防止・低減に向けた技術指導について」及びパンフレット「とうもろこし子実を生産する耕種農家・畜産農家の皆さまへ」を参照。

<関連情報>
農林水産省HP「食品のかび毒に関する情報」
農林水産省HP「麦類のかび毒汚染予防・低減指針」
農研機構HP「麦類のかび毒汚染低減のための生産工程管理マニュアル改訂版」[外部リンク]
農林水産省HP「米のカビ汚染防止のための管理ガイドライン」
農林水産省HP「大規模乾燥調製貯蔵施設の設置・運営に当たっての留意事項について」(平成5年10月26日付け農蚕園芸局長通知)(PDF:265KB)
「食品、添加物等の規格基準の一部改正について」(平成15年12月5日付け15消 安第3949号消費・安全局長通知)
「飼料用とうもろこし子実のかび毒汚染防止・低減に向けた技術指導について」(令和5年3月23日付け4消安第7174号、4畜産第2770号消費・安全局農産安全管理課長、消費・安全局畜水産安全管理課長、畜産局飼料課長通知)
パンフレット「とうもろこし子実を生産する耕種農家・畜産農家の皆さまへ」

イ カドミウム対策

   食品を通じた国民の平均的なカドミウム経口摂取量は、健康に悪影響を及ぼすレベルにないが、他国と比べると高い傾向にあり、その摂取量のうち、農作物からの摂取が大部分を占めるため、農作物中のカドミウム濃度低減対策は重要。食品衛生法の基準を遵守するよう、各産地の実態に応じて対策に取り組む。

(ア)米

   「コメ中のカドミウム低減のための実施指針」に基づき、地域の実態を踏まえ、カドミウム低吸収性イネの利用や湛水管理を中心とする吸収抑制対策等に取り組む。

(イ)米以外の農作物(畑作物)

   将来、リスク管理措置を検討する際に必要となる基礎データとして、麦、大豆等の消費量の多い畑作物のカドミウム低減技術の実証・評価に取り組む。

<関連情報>
農林水産省HP「食品中のカドミウムに関する情報」
農林水産省HP「コメ中のカドミウム低減のための実施指針」(PDF:1,340KB)
農林水産省HP「最新農業技術・品種2017」(カドミウムを吸収しない水稲品種「コシヒカリ環1号」)

ウ ヒ素対策

   日本において、食品を通じて摂取したヒ素については、明らかな健康影響は認められず、現状に問題があると考えられていないが、コメは日本人の主食であり、消費量が多いことから、無機ヒ素摂取量をできるだけ少なくするため、実態の把握や低減対策の確立・実証等に取り組む。「コメ中ヒ素の低減対策の確立に向けた手引き」を活用して、各都道府県における有効かつ現場で実行しやすい技術の確立・実証等に取り組む。

<関連情報>
農林水産省HP「食品中のヒ素に関する情報」
農林水産省HP「コメ中ヒ素の低減対策の確立に向けた手引き」(PDF:2,128KB)

エ 野菜の病原微生物対策

   生鮮野菜は、肉類と比べて微生物が増えにくいとされ、食中毒の発生につながりにくいと考えられているが、生鮮野菜が原因と考えられる大きな食中毒事件が海外で報告されている。栽培から出荷までの過程で問題が生じれば、生鮮野菜が病原微生物に汚染されてしまう可能性があるため、それぞれの過程における病原微生物の付着・増殖の防止に向けた対策に取り組む。

(ア)生食用野菜(全般)

   生で食べる野菜については、「栽培から出荷までの野菜の衛生管理指針(第2版)」を参照。

(イ)スプラウト

   かいわれ大根等のスプラウトについては、「スプラウト生産における衛生管理指針」を参照。

(ウ)もやし

   もやしについては、「もやし生産における衛生管理指針」を参照。

<関連情報>
農林水産省HP「野菜の衛生管理に関する情報」
農林水産省HP「栽培から出荷までの野菜の衛生管理指針(第2版)」(PDF:2,256KB)
農林水産省HP「栽培から出荷までの野菜の衛生管理指針(第2版)のポイント」(PDF:621KB)
農林水産省HP「スプラウト生産における衛生管理指針」(PDF:1,445KB)
農林水産省HP「もやし生産における衛生管理指針」(PDF:1,711KB)

(3)農業生産資材の適正な使用・管理の徹底等

   農薬を安全かつ適正に使用することは、農作物の安全確保及び農業生産の安定のみならず、国民の健康の保護及び生活環境の保全という観点から極めて重要。
   「農薬危害防止運動実施要綱」を参考に、関係者に対し、農薬取締法ほか関係法令に基づき遵守すべき事項について周知徹底するとともに、農薬及びその取扱いに関する正しい知識を広く普及させることにより、農薬の適正販売、安全かつ適正な使用及び保管管理並びに使用現場における周辺への配慮の徹底を進める。

<関連情報>
農林水産省HP「農薬コーナー」
農林水産省HP「令和6年度農薬危害防止運動の実施について」(令和6年4月25日付け医薬発0425第3号・6消安第685号・環水大管発第2404255号厚生労働省医薬局長、農林水産省消費・安全局長、環境省水・大気環境局長通知)(PDF:438KB)
農林水産省HP「農薬の適正な使用」
「農薬の使用基準の遵守及び飛散防止対策の徹底について」(平成23年9月5日付け23消安第3034号農林水産省消費・安全局農産安全管理課長、植物防疫課長通知)
農林水産省HP「農薬の不適正使用により健康に悪影響を及ぼすおそれがある事案の発生及び農薬の適正使用に係る指導の徹底について」(令和2年12月24日付け2消安第4308号農林水産省消費・安全局農産安全管理課長通知)(PDF:249KB)

ア 農薬の飛散による周辺作物への影響防止対策

   「農薬の使用基準の遵守及び飛散防止対策の徹底について」及び農薬飛散影響防止対策を取りまとめた「農薬飛散対策技術マニュアル」等も参考に、都道府県の農作物病害虫防除指導関係、生産振興関係及び普及関係の部局、生産者団体等が連携して農薬飛散影響防止のための指導を徹底する。

<関連情報>
農林水産省HP「農薬飛散対策技術マニュアル」(PDF:9,743KB)
分割版1(PDF : 1,911KB)分割版2(PDF : 1,882KB)分割版3(PDF : 1,940KB)分割版4(PDF : 1,959KB)分割版5(PDF : 2,024KB)分割版6(PDF : 554KB)

イ 住宅地等における農薬使用

   住宅地等における農薬使用については、「住宅地等における農薬使用について」を参照し、農薬使用に際しての遵守事項を指導する。

<関連情報>
農林水産省HP「住宅地等における農薬使用について」(平成25年4月26日付け25消安第175号・環水大土発1304261号農林水産省消費・安全局長、環境省水・大気環境局長通知)(PDF:140KB)

ウ 土壌くん蒸剤の適正使用

   土壌くん蒸剤の適正使用については、「クロルピクリン剤等の土壌くん蒸剤の適正使用について」「被覆を要する土壌くん蒸剤の使用実態等に基づく適正な取扱いの徹底について」を参照し、使用場所や周辺の状況に配慮した防除を行うよう指導を徹底する。

<関連情報>
農林水産省HP「クロルピクリン剤等の土壌くん蒸剤の適正使用について」(平成18年11月30日付け18消安第8846号農林水産省消費・安全局長通知)(PDF:25KB)
農林水産省HP「被覆を要する土壌くん蒸剤の使用実態等に基づく適正な取扱いの徹底について」(令和2年7月15日付け2消安第1758号農林水産省消費・安全局農産安全管理課長通知)(PDF:408KB)

エ 農薬による蜜蜂の被害防止

   農薬による蜜蜂の被害防止については、「令和5年度の蜜蜂被害軽減対策の推進について」を参照し、農薬使用者や養蜂家等の関係者に蜜蜂被害に関する情報を周知するとともに情報共有の徹底及び被害軽減対策を推進する。

<関連情報>
農林水産省HP「農薬による蜜蜂への影響について」
農林水産省HP「令和5年度の蜜蜂被害軽減対策の推進について」(令和5年6月26日付け5消安第1874号・5畜産第821号農林水産省消費・安全局農産安全管理課長、畜産局畜産振興課長通知)(PDF:904KB)

オ 無登録農薬や除草剤の販売指導の徹底

   農薬の販売者等に対して、無登録農薬や農薬として使用することができない除草剤の販売等に係る指導を徹底する。
   無登録農薬に係る取締については、「無登録農薬であると疑われる資材に係る製造者、販売者等への指導について」を、農薬として使用することができない除草剤の販売、使用等については、「農薬として使用することができない除草剤の販売等について」を参照する。

<関連情報>
農林水産省HP「無登録農薬であると疑われる資材に係る製造者、販売者等への指導について」(平成19年11月27日付け19生産第5308号農林水産省生産局農産振興課長、園芸課長、特産振興課長通知)(PDF:803KB)
農林水産省HP「農薬として使用することができない除草剤の販売等について」(平成31 年3月28日付け薬生薬審発0328 第8号・30消安第6268号・2019製化管第32号・環保企発第1903287号・環水大土発第1903281号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長、農林水産省消費・安全局農産安全管理課長、経済産業省製造産業局化学物質管理課長、環境省大臣官房環境保健部環境保健企画管理課化学物質審査室長、環境省水・大気環境局土壌環境課農薬環境管理室長通知)(PDF:208KB)

カ 農薬の保管管理等の徹底

   農薬の用途外使用等の誤った取扱いによる事故の発生を防止するため、販売者、農業者等に対し、正しい保管管理の指導に取り組むとともに、特に、農薬の誤飲による中毒事故については、「農薬の誤飲を防止するための取組について」に基づき、指導を徹底する。

キ 販売が禁止されている農薬の適正処理

   販売が禁止されている農薬については、「販売禁止農薬等の回収について」に基づき、周知及び適正処理の指導を徹底する。

<関連情報>
「農薬の誤飲を防止するための取組について」(平成23年5月16日付け23消安第1114号農林水産省消費・安全局農産安全管理課長通知)
「販売禁止農薬等の回収について」(平成23年12月13日付け23消安第4597号農林水産省消費・安全局農産安全管理課長通知)

お問合せ先

大臣官房政策課技術政策室

代表:03-3502-8111(内線3130)
ダイヤルイン:03-3502-3162

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