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農林水産省

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食とくらしの「今」が見えるWebマガジン

特集 3 地域の魅力 GI産品

料理関係者を虜にするGI産品の魅力

秋田県内で生産される「いぶりがっこ」は、
野菜を燻(いぶ)して漬物にするという、
日本だけでなく世界的にみても珍しい燻製食品。
食感と香りが料理関係者を虜にし、
さまざまな料理とのマッチングの可能性を秘めた
素材としても全国に広まりました。

いぶりがっこの生産工程

晩秋から初春にかけて雪が降り、根雪期間が数ヶ月続く秋田県。漬物は、冬の貴重な常備食です。たくあん漬けは大根を干してから漬け込みますが、秋田県では収穫時期に雪が降り始めます。天日干しができず、家の梁に下げて“室内干し”をしたことから、この独特な手法が生まれました。

横手市商工観光部 横手の魅力営業課 主任 工藤弥生さん|農事組合法人 山楽里(さらり)代表 佐藤健一さん

佐藤さん:私たちは「いぶりがっこ」の原材料である大根を育てて燻し、漬け込み、包装するところまで一貫して自分たちの手で行なっています。秋田県のなかでも横手市のこの地域は、私たちのように比較的小規模で生産しているところが多いですね。

工藤さん:秋田県内で、特定の条件のもとで生産された「いぶりがっこ」は、2019年にGI登録を受けています。なかでも横手市は、小規模の生産者さんがそれぞれ独自のレシピで漬けているので、味わいのバラエティが豊かなのが特徴です。いろいろな生産者さんの商品を食べ比べて、自分の好きな味を見つけるのも横手市のいぶりがっこならではの楽しみ方のひとつです。

佐藤さん:大根の収穫は11月から12月にかけて。燻し小屋に入る分をその都度収穫し、丁寧に洗ってラックに1本ずつ収めます。それを小屋の梁に吊り下げるのですが、大根は重いので、けっこうな重労働。みんなで力を合わせてやっています。その下でナラやサクラの薪を焚いて、3~4日間、煙を絶やさず燻し続けます。

工藤さん:この時期は、まるで温泉地のようにあちこちから煙が上がっている風景が見られます。横手市の初冬の風物詩ですね。

佐藤さん:いぶし終えた大根を樽に入れて、約60日間漬け込みます。「いぶりがっこ」は基本的に米ぬかと塩で漬けるのですが、白ざら糖などの糖類を加えるところも多く、私たちは独自のレシピとして、まろやかな味わいになるよう米麹も加えています。分量の比率は企業秘密です(笑)。

工藤さん:パッケージにGIマークが入り、より注目度が高まったのではないかと思います。野菜漬物の生産は全国的に減少傾向と聞きますが、「いぶりがっこ」は年々生産量が増加しています。今後も生産者さんやほかの業者さんと協働して、いぶりがっこの魅力をPRし、次の世代へ引き継いでいけたらいいなと考えています。

魚屋の森さんがGIに舌鼓

大人気のYouTubeチャンネル「魚屋の森さん」を運営する名古屋の鮮魚卸・小売「寿商店」の2代目の森 朝奈さん。現在、全国各地のGI産品の魅力をレポートしています。

魚屋の森さん|GI産品の産地訪問取材がんばります!|大学卒業後、IT会社に勤務したのち、家業の鮮魚卸・小売会社「株式会社寿商店」に入社。YouTubeでおいしい魚のさばき方や調理方法などをはじめ、魚の買い付けから解体ショーまでこなす「新時代の魚屋さん」として、魚食のすばらしさを発信中。|https://s-kotobuki.co.jp 魚屋の森さん|GI産品の産地訪問取材がんばります!|大学卒業後、IT会社に勤務したのち、家業の鮮魚卸・小売会社「株式会社寿商店」に入社。YouTubeでおいしい魚のさばき方や調理方法などをはじめ、魚の買い付けから解体ショーまでこなす「新時代の魚屋さん」として、魚食のすばらしさを発信中。|https://s-kotobuki.co.jp

2024年9月に農林水産省からGI産品の広報活動の依頼を受け、半年間、日本各地の産品を取材し、YouTubeで発信しています。第1弾は、石川県。輪島市、珠洲市、七尾市、能登町、穴水町、志賀町で生産される魚醤「いしり、いしる」の作り手を訪ねました。|農水省さんからハッピをいただきました

早速、「いしり・いしる」と、石川県能美市、小松市(高堂町、野田町、一針町)で生産されている「加賀丸いも」を使った「いしりうどん」を開発し、自社で運営するうどん店にて期間限定で販売しました(現在は販売終了)。今後も「魚屋の森さん」のレポートをお楽しみに!

GI産品から生まれた絶品コラボメニュー

GI産品と他業種のコラボレーションは、年々広がりをみせています。味はもちろんのこと、GI産品がもつ伝統や地域特有の物語が加わることでコラボメニューに奥深さや趣きを添え、特別感がよりアップします。

カフェコムサ×やまえ栗|「やまえ栗」のケーキ|やまえ栗|“日本の食をアートする”をテーマに、旬の味をアートケーキに仕立てる「カフェコムサ」。熊本県球磨郡山江村の、昼夜の寒暖差と南向きの丘陵、赤土の肥沃な土壌によって育まれる、甘みの強さや栗本来の風味が特徴の「やまえ栗」。2013年から毎秋続く人気のコラボレーションです。

モスバーガー×南郷トマト|新とびきり 大盛りトマト モス野菜チーズバーガー|南郷トマト|それぞれの店で使用する野菜の産地・生産者を公表している「モスバーガー」。2013年から12年続く産地直送企画「モス産直フェスタ」は、2024年夏に福島県内14店舗で開催され、「南郷トマト」を使用した特別メニュー「新とびきり大盛りトマト モス野菜チーズバーガー」が数量・地域限定で販売されました。

オキコパン×中城島にんじん|ごさまる君の島にんじんと豆乳のロールパン|中城島にんじん|パン、麺、和菓子などを製造するオキコ株式会社は、沖縄県の食品メーカー。鮮やかな色味と、ごぼうのような細長い形状が特徴の島にんじんは、沖縄県内では昔から薬膳料理や郷土料理の欠かせない食材として重宝されてきました。その島にんじんを使った「島にんじんと豆乳のロールパン」は、2024年12月から、県内のスーパー、コンビニエンスストアなどで発売中です(数量限定)。

セブン-イレブン×あら川の桃|しましまドルチェあら川の桃パンナコッタ|あら川の桃|地域の優れた原材料を地元で使用する「地産地消」の取り組みに力を入れるセブン-イレブン。温暖な気候と水はけのよい地質をもつ和歌山県紀の川市桃山町、紀の川市竹房で、江戸時代から栽培されてきた「あら川の桃」。「しましまドルチェ あら川の桃パンナコッタ」は関西2府4県のセブン-イレブンで限定販売されました。

劇場版「鬼平犯科帳 血闘」×東京しゃも|「鬼平犯科帳 血闘」で登場した「軍鶏鍋」©️「鬼平犯科帳 血闘」時代劇パートナーズ|東京しゃも|2024年5月に公開された劇場版「鬼平犯科帳 血闘」。“鬼平”こと長谷川平蔵と密偵がなじみにしている料理屋「五鉄」の名物料理として「軍鶏鍋」が頻繁に登場しました。この映画の料理監修を務めた野﨑洋光氏がレシピ監修した「東京しゃも」を使った「東京しゃもで味わう伝統の軍鶏鍋セット」が、本作品の公式なコラボレーション商品として限定販売されました。

今週のまとめ

味のおいしさとともに、料理に伝統や
物語を添えてくれるGI産品には
コラボレーションの大きな
可能性が広がっています。
今後もさまざまな料理関係者を
虜にしていくことでしょう。

お問合せ先

大臣官房広報評価課広報室

代表:03-3502-8111(内線3074)
ダイヤルイン:03-3502-8449

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