各自治体も、さまざまな形で食育に取り組んでいます。事業者と連携して商品開発をしたり、学校と連携して講座を開いたり、食育事業での産官学の連携も増えてきました。
また、地域における食生活の改善のための取り組みとして、地域の特色を反映させた地域版「食事バランスガイド」を作成している自治体もあります。地域で日常的に食べられている食材や料理などを取り入れた地域版「食事バランスガイド」は、住民が親しみをもって地域の食文化を学んだり、自分や家族の食生活を見直すことができるツールとして活用されています。
地域版「食事バランスガイド」には、地域の特色に応じたさまざまな内容が盛り込まれています。
例えば、コマのイラストの中にある料理を地域でよく食べられている料理に変更したり、各料理グループの料理例として、大切に伝えてきた郷土料理や、その地域の代表的な農産物を活用した料理を追加したり、コマの上を走る人を地元で愛されているキャラクターに変更するなど、地域住民が親しみを持って食生活の改善に取り組めるように、また地域の食文化を継承していけるように工夫されています。
郷土料理は複合料理が多く、料理の区分がわかりにくいものもありますが、複数の料理グループが含まれていることがわかるように表示のしかたを工夫したり、塩分や脂質などの摂取量が多い料理にマークをつけるなどして栄養情報を追加したものもあります。
また、沖縄や鹿児島などはさつまいもを主食として食べる文化があることを反映して、ふかし芋を主食に位置づけたコマを作成するなど、地域の食文化を強く反映させたものもあります。
さらに、子ども版の「食事バランスガイド」を作成するなど、世代別に活用のしかたを具体的に示しているものや、コマのヒモにあたる菓子・嗜好飲料にもその地域でよく食べられているものを反映したものもあります。
また、特産物を活用した料理は、春夏秋冬の献立や、食材のカレンダーを掲載するなど、日本型食生活の特徴である「旬」を意識した料理や食材も多数紹介されています。
地域の食環境や住民の食生活の課題に合わせて、「食事バランスガイド」を上手に活用しましょう。