

食育基本法の中において、食育は『様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てる食育を推進することが求められている』と明記。こうした知識を学ぶ場の一つとして、学校教育が位置づけられています。子どもたちが食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身に付けることができるためにも、学校では今後ますます積極的に食育に取り組むことが重要でしょう。
食や栄養に関する情報や知識を学ぶだけでなく、それらを毎日の生活の中に生かす体験を伴うことで、その知識が定着し、さらに学ぶ意欲へとつながります。子どもたちが食の知識を実感として理解し、食への関心が生まれることにより、さらに学ぶ意欲へつながると期待されます。子どもたちの学習意欲へと結びつけるためにも、楽しい体験を伴う食育のさらなる展開が期待されています。
限られた学校の授業の中で食に関する知識を、すべて実体験に結びつけることはできません。特に農作物の栽培や収穫体験などの場合、授業内容とのスケジュール調整が難しいこともあるでしょう。
学校内で食育を推進するためには、学校の課題を知り、食育を通じてどのようなことを学校に支援できるのか、双方がどのような形で連携できるのかを明確化することが重要です。体験型食育の新たな展開を可能にするためにも、地域や企業が学校と連携し、子どもたちをサポートする仕組みが望まれます。

企業やさまざまな機関で行なう食育への取り組みは、出前授業や授業への協力支援などがあります。学校教育に企業からの食育支援を取り入れることで、プロがもつ食に関する技術だけではなく、実生活に役立つ知識として習得することができます。保護者や地域に住む近隣住民に協力を要請し、地域社会や文化への寄与に発展させることもできるでしょう。
こうした取り組みは、地域社会の活性化や食料自給率の向上にもつながります。
学校との取り組みは、教育の一環として継続する基盤作りも重要です。学校の特色にあった授業内容、学年毎の学習計画や教科に配慮した食育の年間計画が必要ですし、これが長期にわたって取り組めるような体制、ネットワーク作りが大切です。
「食事バランスガイド」は、教科の学習指導要領の中で位置づけられていませんが、食育の新たな展開を可能にするものとして注目されています。
食事内容を振り返り、料理を選ぶ基本を「食事バランスガイド」から学ぶことで、望ましい食生活のあり方を、子どもたちも身につけることができます。
また、世代を超えて共通して使えるツールであり、生涯にわたり健全な食生活を実現するためにも、その活用が期待されています。
ポスター等の掲示など、簡単にできるところから始めてみましょう。子どもたちの日ごろの食生活の中で「食事バランスガイド」をどのように活用すべきか。地域社会や企業の中の位置づけとして、「食事バランスガイド」をどのようにとらえているのか。企業などの指針も踏まえ、偏りのない食事のバランスの重要性とあわせて、子どもたちに伝えていきましょう。