更新日:平成29年7月19日
作成日:平成27年12月7日
調査結果
2.3. 牛肉
2.3.1. 腸管出血性大腸菌
農林水産省消費・安全局は、牛肉の腸管出血性大腸菌汚染を低減する施策を検討するために表1の調査を行いました。牛肉の腸管出血性大腸菌汚染に影響する可能性のある事項、つまり、国内の農場や食肉処理加工施設における牛の感染状況や、牛の消化管内の菌の分布状況等を把握するために、牛の直腸便や消化管内容物など、牛肉以外の試料も採取して調べました。
なお、牛の直腸便等から分離された大腸菌が、ヒトに出血を伴う腸炎等を実際に起こす「腸管出血性大腸菌」かどうかを実験的に確認することはできません。したがって、表1の調査では、上述の症状との関連性が高い毒素蛋白質であるシガ毒素の遺伝子(stx)を保有している大腸菌(シガ毒素産生性大腸菌)のうち、血清型が、腸管出血性大腸菌症例の大半を占めるO157又はO26であるもの(以下、「シガ毒素産生性大腸菌O157」又は「シガ毒素産生性大腸菌O26」といいます。)を調査対象の微生物としました。
表1:牛肉の腸管出血性大腸菌対策を検討するための調査の実施状況(平成19~26年度)
主な目的 |
規模 |
試料 |
年度 |
結果詳細 (章番号) |
【牛農場】 |
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国内の肉用牛1農場のシガ毒素産生性大腸菌保有状況の把握、衛生対策実施状況の把握 |
406農場 (2,436頭) |
直腸便 |
H19 |
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肉用牛農場及び乳用牛2農場のシガ毒素産生性大腸菌保有状況の把握 |
25農場 (250頭) |
直腸便 |
H22 |
|
50農場 (500頭) |
直腸便 |
H23 |
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肉用牛農場のシガ毒素産生性大腸菌保有状況の把握 |
50農場 (500頭) |
直腸便 |
H24 |
|
肉用牛及び乳用牛のシガ毒素産生性大腸菌保有状況の変化の把握 |
2農場 (603頭) |
直腸便 |
H20 |
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4農場 (1,178頭) |
直腸便 |
H21 |
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【食肉処理加工施設】 |
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肉用牛の消化管内・肝臓・胆汁のシガ毒素産生性大腸菌分布状況の把握 |
3と畜場 (160頭) |
消化管内容物、 肝臓、胆汁 |
H23 |
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1と畜場 (210頭) |
消化管内容物、 肝臓、胆汁 |
H24 |
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肉用牛の消化管内及び体表からのシガ毒素産生性大腸菌の検出と腸内細菌科菌群の菌濃度との関連の把握 |
1と畜場 (103頭) |
消化管内容物、 体表拭き取り |
H25 |
|
2と畜場 (130頭) |
消化管内容物、 体表拭き取り |
H26 |
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肉用牛の筋肉(頚部)のシガ毒素産生性大腸菌の汚染状況の把握 |
1と畜場 (400頭) |
筋肉(頚部) |
H24 |
1 肉用牛:肉用を目的に飼養している牛。品種ではなく、利用目的による区分。
2 乳用牛:搾乳を目的に飼養している牛(表1の調査では搾乳中の牛を対象)。品種ではなく、利用目的による区分。乳用牛の大半は食肉出荷されるため、調査対象とした。
なお、より安全な牛肉を生産・製造するための衛生対策に関する資料や、実態調査の結果を掲載した論文、消費者向けのウェブサイト(「食中毒から身を守るには」)を、こちらのページ(2.3.1.3)で紹介しています。
お問合せ先
消費・安全局食品安全政策課担当者:危害要因情報班
代表:03-3502-8111(内線4457)
ダイヤルイン:03-6744-0490
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