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農林水産省

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トピックス2 動き出した「みどりの食料システム戦略」


「みどりの食料システム戦略」(以下「みどり戦略」という。)の実現に向けて、令和4(2022)年7月に「環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律」(以下「みどりの食料システム法」という。)が施行されました。みどりの食料システム法の下、全国各地で環境負荷の低減を図る取組が始動しています。

以下では、みどり戦略の目指す姿とみどりの食料システム法に基づく制度の内容等について紹介します。

(食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現)

みどり戦略は、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現させるため、中長期的な観点から戦略的に取り組む政策方針です。

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みどりの食料システム戦略
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URL:https://www.maff.go.jp/j/kanbo/
kankyo/seisaku/midori/index.html

みどり戦略では、令和32(2050)年までに目指す姿として、農林水産業のCO2ゼロエミッション化の実現、化学農薬使用量(リスク換算)の50%低減、化学肥料使用量の30%低減、耕地面積に占める有機農業の取組面積の割合を25%に拡大等、14の数値目標(KPI(*1))を掲げています。また、その実現のためには、調達から生産、加工・流通、消費までの各段階での課題の解決に向けた行動変容、既存技術の普及、革新的な技術・生産体系の開発と社会実装を、時間軸をもって進めていくことが重要です。みどり戦略では、従来の施策の延長ではない形で、各段階における環境負荷の低減と労働安全性・労働生産性の大幅な向上をイノベーションにより実現していくための道筋を示しています。

*1 Key Performance Indicatorの略であり、重要業績評価指標のこと

(みどり戦略の実現に向けてKPI 2030年目標を設定)

図表トピ2-1 中間目標として新たに設定されたKPI 2030年目標

農林水産省は、令和4(2022)年6月に、みどり戦略に掲げる令和32(2050)年の目指す姿の実現に向けて、中間目標として新たにKPI 2030年目標を設定しました(図表トピ2-1)。

このうち、温室効果ガス(*1)削減の分野では、園芸施設について、令和12(2030)年までに、加温面積に占めるハイブリッド型園芸施設等の割合を50%とすること等を目指しています。

また、環境保全の分野では、化学肥料について、土壌診断等やデータを活用した省力・適正施肥といった施肥の効率化・スマート化の推進や、畜産業由来の堆肥や下水汚泥資源の肥料利用を推進し、令和12(2030)年までに、化学肥料使用量を20%低減すること等を目標としています。

*1 用語の解説(1)を参照

(みどりの食料システム法が施行)

みどり戦略を実現するための法制度である「みどりの食料システム法」が令和4(2022)年7月に施行されました。みどりの食料システム法は、みどり戦略の実現に向けた基本理念等を定めるとともに、環境負荷の低減に取り組む者の事業計画を認定し、税制特例や融資制度等の支援措置を講ずるものです。

同年9月、農林水産省は、みどりの食料システム法に基づく国の基本方針、制度の対象となる事業活動を定める告示を制定・公表し、制度の運用を開始しました。市町村及び都道府県においては、基本方針に基づき、環境負荷低減事業活動の促進に関する基本計画を作成することが可能であり、令和5(2023)年3月末までに全都道府県で基本計画が公表されました。また、環境負荷の低減に役立つ機械や資材の生産・販売、研究開発、食品製造等を行う事業者においては、基本方針に基づき、基盤確立事業実施計画を作成し、国の認定を受ける仕組みとなっており、同年3月末時点では33の事業計画が認定されています。特に化学肥料・化学農薬の使用低減に取り組む生産者等がみどりの食料システム法に基づく計画の認定を受けて設備投資を行う場合に、導入当初の所得税・法人税を軽減する措置を講ずることとしています。

農林水産省では、こうした支援措置の活用等を通じて、生産現場での環境負荷の低減を促進するとともに、みどりの食料システム法に掲げた基本理念、国が講ずべき施策に沿って、みどり戦略の実現に向けた各般の施策を進めていくこととしています。

(事例)全国に先駆けて、みどりの食料システム基本計画を作成(滋賀県)

滋賀県
環境こだわり農産物の栽培圃場

環境こだわり農産物の栽培圃場

資料:滋賀県

滋賀県は、県内全19市町と共同で「滋賀県みどりの食料システム基本計画」(以下「滋賀県基本計画」という。)を作成し、令和4(2022)年10月に全国で初めて公表しました。

滋賀県基本計画は、化学肥料・化学農薬の使用低減を行い、知事の認証を受けた「環境こだわり農産物」(米)の作付面積割合を令和4(2022)年度に50%以上とすることや、オーガニック農業取組面積を令和8(2026)年度までに500haとすること等を目標に掲げました。

令和4(2022)年11月から、化学肥料・化学農薬の使用低減等、環境負荷の低減に取り組む農業者は、滋賀県基本計画に基づき知事の認定を受けることが可能となり、同年11月には有機農業の拡大に取り組む農業者2名の実施計画が全国で初めて認定されました。

同県では、滋賀県基本計画に基づき、化学肥料・化学農薬の使用の低減や琵琶湖(びわこ)の環境負荷に配慮した「環境こだわり農業」の拡大を図るとともに、有機農業の取組面積の拡大、スマート農業(*)等の活用、飲食店や事業所食堂等での活用を通じた消費拡大等を推進することとしています。

* 用語の解説(1)を参照




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