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農林水産省

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4.家畜伝染病・病害虫の発生予防・まん延防止

(1)家畜伝染病

ア 生産段階における衛生管理の充実・強化等

(ア) 生産段階における衛生管理の充実・強化

   生産段階における家畜の伝染性疾病の発生予防とまん延防止及び畜産物の安全性向上のため、飼養衛生管理基準の向上が重要。家畜伝染病予防法第12条の3に基づく飼養衛生管理基準を遵守するよう指導を徹底。食中毒菌の農場への侵入・感染防止、農場HACCP普及のため、各種ハンドブック、ガイドライン等を参考に、マニュアル策定を支援する。

(イ) 正確な情報提供の推進

   行政機関が中心となり、農業者等との間で、平常時から的確な情報及び意見の交換を行うことが重要。重大な伝染性疾病が発生した場合などにおいては、「特定家畜伝染病防疫指針」等に沿った防疫措置を的確に実施するとともに正確でわかりやすい情報を迅速に提供する。

<関連情報>
農林水産省HP「安全な畜産物を生産するために農場でできること(食中毒を減らすための取組)」
「牛肉の生産衛生管理ハンドブック」
「鶏肉の生産衛生管理ハンドブック」
「鶏卵の生産衛生管理ハンドブック」
「豚肉の生産衛生管理ハンドブック」
「家畜の生産段階における衛生管理ガイドライン」
「畜産農場における飼養衛生管理向上の取組認証基準(農場HACCP認証基準)」
農林水産省HP「家畜生産段階における飼養衛生管理の向上について(農場HACCP等)」

イ 飼料・飼料添加物及び動物用医薬品の適正な使用・管理の徹底等

   飼料・飼料添加物及び動物用医薬品が適正に使用されなかった場合、直ちに食品の安全に問題が生じうることが十分に認識されるよう関係機関と連携して周知及び指導を徹底する。食品の安全に影響を及ぼす事態が明らかとなった場合、速やかに国と情報共有するとともに、食品衛生部局等と連携して、迅速かつ適切な対応を行う。

(ア) 飼料・飼料添加物

   飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律に基づく飼料等の使用の方法の基準や成分規格等を遵守し、飼料の表示等に従った適正な飼料給与が行われるよう関係機関と連携して、周知及び指導を徹底する。「飼料等の適正製造規範(GMP)ガイドライン」に則った対応がなされるよう関係機関と連携して、周知及び指導を徹底する。「食品循環資源利用飼料(エコフィード)の安全確保のためのガイドライン」に従ったエコフィード原材料の確認・分別や伝染性疾病対策としての加熱処理、品質管理及び加熱等の記録の保存が行われるよう関係機関と連携して、周知及び指導を徹底する。飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律に基づく飼料中の農薬の残留基準値を遵守するよう、適正な農薬使用について関係機関と連携して、周知及び指導を徹底する。

<関連情報>
農林水産省HP「飼料の安全関係」
農林水産省HP「飼料等の適正製造規範(GMP)ガイドライン」
農林水産省HP「食品循環資源利用飼料(エコフィード)の安全確保について」

(イ) 動物用医薬品

   動物用医薬品の適正使用等について、各法令、通知等に基づき、関係機関と連携して周知及び指導を徹底する。
   また、薬剤耐性対策アクションプランを踏まえ、抗菌剤の慎重な使用に関する動画や各種ガイドブックを活用し、関係機関と連携して獣医師及び生産者に対する周知及び指導を徹底する。

<関連情報>
農林水産省HP「動物用医薬品」
薬剤耐性(AMR)対策の動画について
薬剤耐性菌のモニタリング
慎重使用に関する基本的な考え方(各種ガイドブック)
抗菌剤に頼らない養豚生産の取組(優良事例動画1)(優良事例動画2)(優良事例動画3[外部リンク]
動物用の薬剤感受性ディスクの一覧

(2)重要病害虫の早期発見及び被害拡大防止対策の徹底

   火傷病等の重要病害虫の早期発見を図るため、令和5年4月より改正植物防疫法に基づく侵入調査事業を実施している。また、都道府県の病害虫防除所と普及指導員は、生産現場における発生の予兆を見逃さないよう、農林水産省植物防疫所と日頃からお互いに情報を共有し、重要病害虫の疑いがある場合や既発生病害虫である確証がない場合は、未同定の段階であっても、農林水産省植物防疫所へ報告することを徹底する。

<関連情報>
農林水産省HP「重要病害虫発生時対応基本指針について」

ア ウメ輪紋ウイルス

   本ウイルスのまん延防止を図るため、苗木の移動規制や生産園地でのアブラムシの防除等について指導を徹底する。

<関連情報>
農林水産省HP「ウメ輪紋ウイルス(プラムポックスウイルス)の防除について」

イ ジャガイモシロシストセンチュウ等線虫類

   生産者に対して、日頃から収穫物に付着した土の輸送時の飛散防止や農機具に付着した土の洗浄等の指導を徹底する。また、病害虫防除所の職員や普及指導員は、巡回指導時等に収穫物の根にシストが付着しているなどの疑義情報の収集に努めるとともに、生産者に対して、発生が疑われた場合は、速やかに病害虫防除所及び農林水産省植物防疫所に連絡するよう指導を徹底する。

<関連情報>
農林水産省HP「ジャガイモシロシストセンチュウに関する情報」
農林水産省HP「テンサイシストセンチュウに関する情報」

ウ ミカンコミバエ種群

   本虫のトラップの設置場所及び設置数について再検証するとともに、必要に応じて強化する。また、本虫の侵入常習地域にあっては、都道府県はかんきつ類等のほ場所有者(放任園地所有者を含む。)に対して、落果の除去等のほ場衛生管理の徹底を指導するとともに、住民に対して、庭木等の寄主果実が放置されることのないよう周知を徹底する。さらに、住民等から疑義情報を得た場合は、速やかに病害虫防除所及び農林水産省植物防疫所に連絡する。

<関連情報>
農林水産省HP「ミカンコミバエ種群の防除について」

エ クビアカツヤカミキリ

   本虫は、ウメ、モモ、サクラ等のバラ科樹木に産卵し、ふ化した幼虫が生きた樹木の内樹皮と材を食べ、木屑を排出し、食害が進むと樹は枯死する。
   このため、生産者に対して、定期的にほ場を見回って木屑排出の有無を確認し、本虫の早期発見・早期防除に努めるよう指導する。
   さらに、病害虫防除所の職員や普及指導員は、巡回指導時等に疑義情報の収集に努めるとともに、生産者に対して、発生が疑われた場合は、速やかに病害虫防除所に連絡するよう指導を徹底する。

<関連情報>
森林総研HP「クビアカツヤカミキリの防除法」[外部リンク]

オ スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)

   移植直後の水稲等を食害するスクミリンゴガイについては、暖冬の年には越冬して生き残る個体が増加し、被害の増加につながることから、被害の発生を一層警戒する。
   また、発生地域においては、水稲の移植期の薬剤散布、水路からの侵入防止対策、冬季の水路の泥上げ、耕うん等の各種防除対策を地域の実情に応じて、地域一体となって実施するよう指導を徹底する。

<関連情報>
農林水産省HP「スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)の被害防止対策について」
農林水産省HP「【春夏編】ジャンボタニシによる水稲の被害を防ぐために(防除対策リーフレット)」(PDF:710KB)
農林水産省HP「【秋冬編】ジャンボタニシによる水稲の被害を防ぐために(防除対策リーフレット)」(PDF:684KB)
農林水産省HP「スクミリンゴガイ防除対策マニュアル(移植水稲)(防除対策マニュアル)」(PDF:1,956KB)
農研機構HP「沖縄向けサツマイモ基腐病抵抗性 新品種「おぼろ紅」」[外部リンク]
農研機構HP「サツマイモ基腐病を防除する苗床の土壌還元消毒技術標準作業手順書」[外部リンク]
農研機構HP「サツマイモ基腐病に対する蒸熱処理による種イモ消毒技術標準作業手順書」[外部リンク]
農研機構HP「リアルタイムPCRによるサツマイモ基腐病菌の検出・同定技術標準作業手順書」[外部リンク]
農研機構HP「本圃におけるサツマイモ基腐病防除対策技術情報(薬剤を核とした総合防除体系の実証事例集)」[外部リンク]

カ サツマイモ基腐病

   近年、南九州地域で発生しているサツマイモ基腐病については、発生地域において、健全種苗の確保、抵抗性品種の利用、ほ場の排水対策、効果的な散布体系による薬剤散布等の病原菌をほ場に「持ち込まない」、栽培期間中に「増やさない」、収穫後のほ場に「残さない」対策を総合的に取り組むよう指導を徹底する。

<関連情報>
農研機構HP「サツマイモ基腐病の発生生態と防除対策」[外部リンク]
農研機構HP「サツマイモ基腐病に強い抵抗性を有する青果用新品種「べにひなた」[外部リンク]

キ イネカメムシ

   イネカメムシは、斑点米の他、不稔米を発生させる斑点米カメムシの一種であり、近年、発生量が増加傾向にある。
   本虫は、他の主要な斑点米カメムシ類と異なり、穂揃期以降ではなく、出穂期に防除することが重要である。
   このため、被害が懸念される地域や、地域の発生予察情報やほ場の見回り等から発生量が多いと判断される地域では、収量の確保に向け、出穂期の防除を実施するよう指導する。

<関連情報>
農林水産省HP「イネカメムシの被害にご注意下さい」【水稲生産者の方へ】(PDF:608KB)
農林水産省HP「イネカメムシの被害にご注意下さい」【飼料用米・稲発酵粗飼料生産者の方へ】(PDF:609KB)

ク 臭化メチル剤に代わる防除対策の導入・普及の推進

   都道府県は、収穫物用途の代替技術を取りまとめた「臭化メチル剤の全廃に伴うクリシギゾウムシの代替防除技術について」などを参考とし、臭化メチル剤に代わる防除対策として、代替剤、抵抗性品種、物理的防除法等の普及を図る。

<関連情報>
農林水産省HP「不可欠用途臭化メチルの国家管理戦略改訂版」(PDF : 361KB)
農研機構HP「臭化メチル剤の全廃に伴うクリシギゾウムシの代替防除技術について」[外部リンク]
農林水産省HP「農業新技術200X」(臭化メチル剤から完全に脱却した野菜類の産地適合型栽培マニュアル)[外部リンク]

お問合せ先

大臣官房政策課技術政策室

代表:03-3502-8111(内線3130)
ダイヤルイン:03-3502-3162

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