





昔は今より交通が発達していなかったので、近くに海のない京都では干した魚や塩づけの魚を使って料理を作っていました。身欠きニシンは江戸時代から明治時代にかけて、北海道から船で運ばれていました。家庭で食べる日常のおかずを京都では「おばんざい」といいますが、甘からく煮たニシンも「おばんざい」として、一年中食べられています。

「にしんなす」に使う身欠きニシンは、日持ちがするようにニシンのえらや内臓をとって2~3日干し、開いて中骨をとってから天日にしっかり干して作ったものです。もどす時は、米のとぎ汁に一晩つけておくとやわらかくなります。おたがいのおいしさを引き立て合う食べ物のとり合わせを京都では「出会いもん」といい、脂肪(しぼう)の多いニシンと油をよく吸収するナスをいっしょに煮た「にしんなす」もその一つです。





