「いも煮(に)」のはじまりには大きく2つの説があります。1つは江戸時代、最上川(もがみがわ)で船に荷物を乗せる作業をしている人が、サトイモと干したタラを煮て食べたのがはじまりという説。もう1つは旧暦(きゅうれき)八月十五夜の「芋(いも)名月」の日に、サトイモをおそなえする風習から生まれたという説です。「いも煮」に牛肉を使うのが普通になったのは、昭和に入ってからのことです。
秋になると家族や近所の人どうしが河原などに集まり、大きななべで「いも煮」を作って食べる「いも煮会」が行われます。日本一の「いも煮会」では、3万人分もの「いも煮」を作っているそうです。牛肉のほか豚肉を使ったり、味つけもしょうゆ味やみそ味など、地域によっていろいろな違いがあります。