





ダイコンやニンジンをせん切りにしていためた料理「引き菜いり」に、福島市南部の立子山(たつごやま)で作られる凍(し)み豆腐ともちを入れたのが「引き菜もち」です。立子山の凍み豆腐の歴史は300年ほど前、お坊さんが和歌山県高野山(こうやさん)から高野豆腐(こうやどうふ)を持ち帰り、土地の気候に合わせた作り方をあみだしたのがはじまりと伝えられています。

もちを食べるときにダイコンを食べると胸焼けしないといわれますが、この「胸焼け」を「棟(むね)焼け」にかけて、火事にならないようにという願いをこめながら、昔の人はお正月に「引き菜もち」を食べました。凍み豆腐は冬の寒い日をえらび、冷たい空気にさらすことでおいしくできあがります。





