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農林水産省

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3.化学肥料が環境に与える負荷の低減

(1)土壌診断に基づく適正施肥や効率的施肥の推進

   土壌診断に基づく適正施肥の速やかな現場導入や、うね内部分施用技術等の局所施肥技術や土着菌根菌の活用によるリン酸肥料の節約など施肥低減技術の導入・実践を推進する。また、化成肥料や配合肥料を使用する場合、リン酸・加里の土壌への過剰蓄積が顕著となっている地域においては、これらの成分をあらかじめ抑制した肥料の利用を促す。また、土づくり専門家との連携及び土づくり専門家リストの活用により、土壌診断に基づく土づくりの取組を推進する。

<関連情報>
農研機構HP「土着菌根菌を活用することでリン酸肥料を節約できる」[外部リンク]
農研機構HP「キャベツ・ハクサイ等露地野菜作において生産コストと環境負荷を大幅に低減できるうね内部分施用技術」[外部リンク]
農研機構HP「野菜作における可給態窒素レベルに応じた窒素施肥指針作成のための手引き」[外部リンク]
農研機構HP「水田土壌可給態窒素の簡易・迅速評価マニュアル」[外部リンク]
農研機構HP「簡易測定用試薬と簡易吸光度計を用いた畑土壌分析マニュアル」(PDF : 1,322KB)
農研機構HP「日本土壌インベントリー土壌管理アプリ集」[外部リンク]
農林水産省HP「土づくり専門家リスト」
農研機構HP「施肥時期の変更を中心としたニホンナシ発芽不良対策マニュアル」[外部リンク]
農研機構HP「圃場一筆毎の肥効を見える化する土壌環境API標準作業手順書」[外部リンク]

(2)バイオマス活用の推進

   エネルギーの地産地消等に向けたバイオマスの高度利用に資する技術開発、地方自治体によるバイオマス利活用構想(都道府県・市町村計画及び産業都市構想等)の策定や構想の実現を推進する。また、多種多様なバイオマス利用技術の到達レベルを評価した「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」により事業化の推進に重点的に活用する実用化技術とバイオマスを明らかにしており、本ロードマップを通じて、多種多様なバイオマス利活用技術を後押ししつつ、事業化に向けたイノベーションを重点的に推進する。

<関連情報>
農林水産省HP「バイオマスの活用の推進」

ア 地域有機資源等の活用促進

   耕畜連携の体制づくりや堆肥品質の改善等を進め、堆肥の有効利用、物流性や散布性等を向上させたペレット堆肥等の普及に向けた取組を推進する。さらに、メタン発酵後の副産物である消化液(バイオ液肥)や二酸化炭素、余剰熱の温室利用は、「メタン発酵消化液の畑地における液肥利用-肥料効果と環境への影響-」など、農業研究分野において生産コストの低減等の技術を活用したバイオマス利活用の優良事例があり、これらを活用して地域資源の循環利用を推進する。

<関連情報>
農研機構HP「混合堆肥複合肥料の製造とその利用~家畜ふん堆肥の肥料原料化の促進~」[外部リンク]
農研機構HP「メタン発酵消化液の畑地利用における液肥利用-肥料効果と環境への影響-」(PDF : 3,087KB)
分割版1(PDF : 1,964KB)分割版2(PDF : 1,912KB)

農林水産省HP「バイオマスの活用の推進」

イ 家畜排せつ物の有効利用(堆肥の高品質化と広域流通の推進)

   都道府県においては、耕種部局と畜産部局が協力して耕畜連携を推進する。更に、広域流通の促進のため、畜産農家と肥料メーカー等が連携した堆肥の需給のマッチング、加工、流通の支援に努める。また、耕種農家のニーズに対応した堆肥の生産推進のため、堆肥の完熟化、ペレット化、化学肥料等との配合など、堆肥の高品質化に関する情報提供を行う。

<関連情報>
農林水産省HP「畜産環境対策」
中央畜産会HP「畜ふん堆肥の広域利用促進ガイドブック」[外部リンク]
農研機構HP「混合堆肥複合肥料の製造とその利用~家畜ふん堆肥の肥料原料化の促進~」[外部リンク]
農林水産省HP「ペレット堆肥の広域流通に向けて」
(一財)畜産環境整備機構HP「畜産環境関連Q&A~堆肥化技術~」[外部リンク]
(一財)畜産環境整備機構HP「畜産環境対策技術~堆肥化技術~」[外部リンク]
(一財)畜産環境整備機構HP「耕畜連携事例~地域の優良事例~」[外部リンク]
農林水産省HP「クロピラリド関連情報」
(一財)畜産環境整備機構HP「堆肥化施設設計マニュアル等の配布について」[外部リンク]
農林水産省HP「指定混合肥料」
農林水産省HP「国内資源の肥料利用の拡大について」
農林水産省HP「国内肥料資源の利用拡大に向けた関係事業者間のマッチングサイト」

(ア)十分に発酵温度を保ち時間をかけた堆肥の利用促進

   生鮮野菜の生産において堆肥を施用する場合は、病原微生物による汚染を防止するため、切り返しを適切に行い、発酵過程において病原微生物を死滅させるために十分に温度を保ち時間をかけて生産された堆肥を使用するよう指導を徹底する。

<関連情報>
農林水産省HP「栽培から出荷までの野菜の衛生管理指針(第2版)」(PDF:2,256KB)

(イ)牛等の排せつ物に由来する堆肥中のクロピラリドが原因と疑われる園芸作物等の生育障害の発生への対応

   クロピラリドは、国内では農薬として登録されていない。一方で、海外においてイネ科作物等に使用されている除草剤の成分であり、クロピラリドを含む飼料が給与された牛等の排せつ物に由来する堆肥に含まれる可能性があることから、堆肥・培土等の製造・販売業者等に対し、「牛等の排せつ物に由来する堆肥中のクロピラリドが原因と疑われる園芸作物等の生育障害の発生への対応について」に基づき、指導する。

<関連情報>
農林水産省HP「クロピラリド関連情報」
農林水産省HP「牛等の排せつ物に由来する堆肥中のクロピラリドが原因と疑われる園芸作物等の生育障害の発生への対応について」(PDF:1,623KB)

ウ 食品循環資源の再生利用等の推進

   都道府県、市町村等においては、食品循環資源を飼料及び肥料等に再生利用する技術の普及に努めるとともに、食品リサイクル法における再生利用の優先順位を踏まえ、可能な限り飼料化、次いで肥料化への活用を推進する。

<関連情報>
農林水産省HP「食品リサイクル法」
農林水産省HP「食品リサイクルの推進」

(3)化学肥料の使用量低減

   スマート農業技術の活用により施肥の効率化を図る。具体的には、土壌や生育診断等のデータに基づく施肥管理、ドローンや局所施肥機によるピンポイント肥料散布等の技術開発と導入・普及により、化学肥料の使用量低減を推進する。
   また、堆肥や下水など肥料成分を含有する国内資源の利用拡大を図るため、肥料原料の供給者、肥料製造事業者、肥料の利用者マッチング等を推進する。その際、国内肥料資源の利用拡大に向けた全国推進協議会の取組である、マッチングフォーラム、国内肥料資源推進ロゴマーク、国内資源由来肥料の活用事例集及び国内肥料資源マッチングサイト等を活用する。
   さらに、汚泥資源の肥料利用を拡大するため、令和5年10月に創設した新たな公定規格「菌体りん酸肥料」を活用し、品質管理が徹底され、多様なニーズに応じた汚泥資源を利用した肥料の開発及び生産を推進する。

<関連情報>
農林水産省HP「スマート農業」
農林水産省HP「農業新技術製品・サービス集」
農林水産省HP「野菜用高速局所施肥機を活用した畝内二段施肥法標準作業手順書」
農林水産省HP「国内肥料資源の利用拡大に向けた全国推進協議会
農林水産省HP「国内肥料資源マッチングサイト」
農林水産省HP「肥料成分を保証可能な新たな公定規格(菌体りん酸肥料)の創設について」
農林水産省HP「みどりの食料システム戦略」技術カタログ

(4)肥料の適正な使用・管理の徹底等

ア 法令違反の未然防止に向けた取組

   肥料の生産において、肥料の品質の確保等に関する法律への違反を未然に防止するため、汚泥肥料については「汚泥肥料中の重金属管理手引書」に基づき指導を徹底している。特殊肥料については、都道府県に対して、特殊肥料の届出の受理及び立入検査における留意事項について依頼文書を発出し、指導の徹底を依頼している。
   また、事業者自身で確認可能な事項をまとめた「肥料事業者のための自主管理マニュアル」の周知を行っている。

イ BSEまん延防止のためのリスク管理措置の徹底

   動物由来たん白質を原料とする肥料は、牛の飼料への誤用・流用を防止し、BSEの感染の遮断に万全を期す観点から、肥料生産業者に対し、「肥料の品質の確保等に関する法律第二十一条第一項第一号及び第二号の規定に基づき普通肥料の表示の基準を定める件」により家畜等の口に入らないところで保管・使用する旨の表示を義務付けている。

ウ 肥料効果のない資材の肥料への混入の防止

   知事登録の普通肥料または特殊肥料を生産する業者に対し、ニームオイル等の肥料効果が認められない資材を肥料に混入しないよう指導を徹底する。

エ 硝酸性窒素の溶脱の防止

   硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素による地下水汚染の原因が肥料によるものと特定されている場合、都道府県をはじめとする関係者は、硝酸性窒素の溶脱を防止するため、地域における協議会の設置、土壌管理状況の把握・評価、適正施肥の推進等により具体的な汚染防止対策の実施及び改善状況の確認を行う。また、過剰施肥の場合、作物に利用されない肥料成分は環境負荷の原因(一酸化二窒素や硝酸性窒素など)となるため、肥料の効率的な利用により過剰な施肥を抑制するための各種取組を推進する。

<関連情報>
農林水産省HP「肥料の品質と安全性の確保」
農林水産省HP「汚泥肥料中の重金属管理手引書」
「特殊肥料の届出の受理及び立入検査に係る留意事項について(依頼)」(平成29年10月25日付け29消安第4020号農林水産省消費・安全局農産安全管理課長通知)
農林水産省HP「肥料事業者のための自主管理マニュアル」(令和4年2月公表)
独立行政法人農林水産消費安全技術センターHP「肥料の品質の確保等に関する法律第二十一条第一項第一号及び第二号の規定に基づき普通肥料の表示の基準を定める件」[外部リンク]
環境省HP「硝酸性窒素等地域総合対策ガイドライン」(令和3年3月環境省水・大気環境局土壌環境課地下水・地盤環境室)[外部リンク]
「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素に係る土壌管理指針」(平成13年7月2日付け13生産第2615号農林水産省生産局農産振興課長通知)

お問合せ先

大臣官房政策課技術政策室

代表:03-3502-8111(内線3130)
ダイヤルイン:03-3502-3162

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