5.地球環境問題に適応する農業の推進
- (1)2050年カーボンニュートラルの実現に向けた農業分野における地球温暖化対策の更なる推進
- (2)農業機械が環境に与える負荷の低減
- (3)省エネルギー・省資源型農業の推進
- (4)農業分野における生物多様性保全の更なる推進
国際的な動向を踏まえ、農業者が自ら積極的に取り組むことで持続可能な生産基盤を築くとともに、サプライチェーン全体でこれを後押しする取組を進める。また、取組を消費者に認知してもらうことで、農業者と消費者の結びつきの強化につなげる。
<関連情報>
外務省HP「パリ協定(和文)」(PDF : 583KB)
農林水産省HP「「国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)」等の結果(農林水産省関係)について」
農林水産省HP「生物多様性条約(CBD)第15回締約国会議(COP15)第二部等の結果(農林水産省関係)及び勝俣農林水産副大臣の海外出張の概要について」
(1)2050年カーボンニュートラルの実現に向けた農業分野における地球温暖化対策の更なる推進
令和2年10月に、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことが宣言され、令和3年10月に「地球温暖化対策計画」と「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」が改定された。
農業においても、令和3年5月に策定された「みどりの食料システム戦略」を踏まえ、以下の取組を推進する。
<関連情報>
環境省HP「地球温暖化対策計画」[外部リンク]
環境省HP「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」[外部リンク]
農林水産省HP「みどりの食料システム戦略」
ア 温室効果ガス排出削減対策
温室効果ガスの排出削減対策としてI(II)5(3)「省エネルギー・省資源型農業の推進」に記載したヒートポンプや木質バイオマス利用加温設備等の燃油依存度の低い省エネ型の加温設備等や省エネ生産管理の取組を施設園芸の生産現場へ普及するよう努める。温室効果ガス排出抑制技術について、生産現場への普及の早期実現に向け、研究開発、実証試験を推進しているところであるが、このうち効果が明らかになった水稲の栽培技術(中干し期間の延長、秋耕)については、これまでの研究結果を踏まえ、普及に向けた取組を進める。さらに、農産物の生産段階における環境負荷低減の取組を消費者に分かりやすく伝える「見える化」を推進するとともに、民間投資を促す観点から、温室効果ガスの排出削減・吸収量をクレジットとして認証し取引可能とするJ-クレジット制度の活用を推進する。特に、J-クレジット制度の新たな方法論として、「水稲栽培における中干し期間の延長(令和5年3月)」及び「肉用牛へのバイパスアミノ酸の給餌(令和5年10月)」が承認されたことを踏まえ、当該制度も活用し取組を推進する。
<関連情報>
農林水産省HP「みどりの食料システム戦略」
農林水産省HP「「みどりの食料システム戦略」技術カタログ」
農林水産省HP「農林水産省地球温暖化対策計画」
環境省HP「地球温暖化対策計画」[外部リンク]
環境省HP「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」[外部リンク]
経済産業省HP「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」[外部リンク]
農林水産省HP「施設園芸省エネルギー生産管理マニュアル」
農研機構HP「成長点局所加温とCO2施用を組み合わせたミニトマト栽培技術」[外部リンク]
農研機構HP「水田メタン発生抑制のための新たな水管理技術マニュアル」(PDF : 312KB)[外部リンク]
J-クレジット制度HP[外部リンク]
農林水産省HP「農林水産分野のJ-クレジット制度」
農林水産省HP「「水稲栽培における中干し期間の延長」のJ-クレジット制度について」(PDF : 2,488KB)
J-クレジット制度HP「水稲栽培における中干し期間の延長」(PDF : 482KB)
J-クレジット制度HP「肉用牛へのバイパスアミノ酸の給餌」(PDF : 1,103KB)
農林水産省HP「温室効果ガス削減の「見える化」ラベル」
農林水産省HP「フードサプライチェーンにおける脱炭素化の実践・見える化(情報開示)」
農林水産省HP「持続可能な食料生産・消費のための官民円卓会議温室効果ガスの見える化作業部会」
イ 農地土壌の温室効果ガスの吸収源としての機能の活用
農林水産省では、平成25年度以降、農地土壌を二酸化炭素吸収源として位置づけ、農地土壌における炭素貯留量の算定を行い、国連気候変動枠組条約事務局へ報告(温室効果ガスインベントリ報告)している。都道府県においては、こうした農地土壌が有する新たな価値を農業者や消費者などへ伝えるよう努めるとともに、炭素含有量など、農地土壌を将来にわたって健全な状態で保全するための基礎データとなる種々の情報について定期的にモニタリングを実施する。さらに、土壌診断に基づく堆肥等による土づくりや緑肥の導入により農地土壌の炭素貯留機能を向上させる取組を実施する。また、J-クレジット制度も活用しバイオ炭の農地施用による炭素貯留の取組を推進する。
<関連情報>
農林水産省HP「みどりの食料システム戦略」
農林水産省HP「農林水産省地球温暖化対策計画」
環境省HP「地球温暖化対策計画」[外部リンク]
環境省HP「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」[外部リンク]
経済産業省HP「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」[外部リンク]
環境省HP「農林水産分野における温暖化対策農地による炭素貯留について」(PDF : 542KB)
農研機構HP「土壌のCO2吸収「見える化」サイト」[外部リンク]
国際連合食糧農業機関HP「地球土壌有機態炭素地図」[外部リンク]
農研機構HP「緑肥利用マニュアル-土づくりと減肥を目指して-」[外部リンク]
農林水産省HP「バイオ炭をめぐる事情」(PDF : 2,135KB)
J-クレジット制度HP「バイオ炭の農地施用」(PDF : 546KB)
ウ 農業分野における気候変動適応策の推進
近年、高温による農作物の生育障害、品質低下等が顕在化しており、地球温暖化の進行に伴い猛暑や豪雨のリスクが更に高まることが予測されている。このため、気候変動による被害を回避・軽減するため、生産安定技術や対応品種・品目転換を含めた対応技術の開発・普及、農業者等自らが気候変動に対するリスクマネジメントを行うなど農業生産へのリスク軽減に取り組む。さらに、今まで生産出来なかった亜熱帯・熱帯果樹等の新規導入や転換など気候変動がもたらす機会の活用を推進する。
<関連情報>
農林水産省HP「みどりの食料システム戦略」
農研機構HP「地球温暖化と農林水産業トップページ」[外部リンク]
農林水産省HP「農林水産省気候変動適応計画」
農林水産省HP「気候変動がもたらす機会の活用(熱帯果樹編)」(PDF:353KB)
農林水産省HP「地域における気候変動適応実践セミナー」
農林水産省HP「気候変動の影響への適応に向けた将来展望 ウェブ検索ツール」[外部リンク]
農林水産省HP 「気候変動の影響への適応に向けた将来展望」
環境省HP「気候変動への適応」[外部リンク]
国立環境研究所HP「気候変動適応情報プラットフォーム」[外部リンク]
農林水産省HP「地球温暖化対策」
農林水産省HP「地球温暖化適応策関係レポート」
農林水産省HP「農業生産における気候変動適応ガイド(水稲編)」(PDF:3,223KB)
分割版1(PDF : 1,751KB)分割版2(PDF : 2,031KB)分割版3(PDF : 1,887KB)分割版4(PDF : 1,318KB)
農林水産省HP「農業生産における気候変動適応ガイド(りんご編)」(PDF:2,834KB)
分割版1(PDF : 1,848KB)分割版2(PDF : 1,969KB)分割版3(PDF : 1,257KB)
農林水産省HP「農業生産における気候変動適応ガイド(うんしゅうみかん編)」(PDF:2,862KB)
分割版1(PDF : 1,897KB)分割版2(PDF : 2,041KB)分割版3(PDF : 696KB)
農林水産省HP「農業生産における気候変動適応ガイド(ぶどう編)」(PDF:2,847KB)
分割版1(PDF : 1,895KB)分割版2(PDF : 2,039KB)分割版3(PDF : 511KB)
農林水産省HP「農業新技術2008」(水稲栽培における地球温暖化への適応策)[外部リンク]
農研機構HP「浮皮軽減のための技術情報(2014.12改定版)」[外部リンク]
農研機構HP「ニホンナシ発芽不良対策マニュアル」[外部リンク]
農研機構HP「帰化アサガオ類まん延防止技術マニュアル」[外部リンク]
農研機構HP「わい化栽培のリンゴ「ふじ」における着色向上のための窒素施肥マニュアル」[外部リンク]
農研機構HP「温暖化による温州ミカンの着花性と「不知火」こはん症発生の影響と対策技術」[外部リンク]
農研機構HP「ダイズへの適期灌水を実現するための『灌水支援システム』Webシステム開発者向け標準作業手順書」[外部リンク]
農業機械の導入・使用に当たっては排出ガス規制に適合し、排出ガス基準への適合の表示が付されたものを選択する。
<関連情報>
環境省HP「特定特殊自動車排出ガス規制法」[外部リンク]
環境省HP「水質汚濁に係る環境基準」[外部リンク]
昨今の世界的な原油価格の変動、我が国の脆弱なエネルギー供給構造等を踏まえ、「省エネルギー・省資源のための技術指導について」に基づき、省エネルギー・省資源対策に取り組む。
<関連情報>
農林水産省HP「地球温暖化対策」
農林水産省HP「施設園芸省エネルギー生産管理マニュアル・チェックシート」
農林水産省HP「施設園芸の生産現場における省エネルギーに向けた取組強化の徹底について」
農林水産省HP「施設園芸における化石燃料の使用量削減に向けた取組について」
農林水産省HP「農業新技術2010」(施設園芸作物の省エネルギー対策技術)[外部リンク]
農研機構HP「超省エネ・高強度な次世代型パイプハウス施工マニュアル」[外部リンク]
農研機構HP「成長点局所加温とCO2施用を組み合わせたミニトマト栽培技術」[外部リンク]
農研機構HP「ナノファイバー断熱資材活用マニュアル」[外部リンク]
我が国の農業は、二次的自然として豊かな自然を育んできており、適切な生産活動を行うことによって我が国の生物多様性の保全に貢献することが重要である。このため、都道府県、普及指導センター等はI(II)「環境と調和のとれた産業への転換」に記載した農薬・肥料の適正使用等の生物多様性に配慮した生産活動及びその効果の評価手法を普及することが重要。
さらに、米について、生物多様性保全と温室効果ガス削減の取組を行っていることを消費者に分かりやすく伝える「見える化」を推進する。
<関連情報>
農林水産省HP「みどりの食料システム戦略」
農林水産省HP「農林水産省生物多様性戦略」
農林水産省HP「農産物の環境負荷軽減の見える化」
農林水産省HP「生態系ネットワーク財政支援制度集~川・森・農地・海の自然をつないで地域を豊かに~」
農林水産省HP「報告書・パンフレット等」(The 自然資本~生物多様性保全の経済的連携に向けて~)
農林水産省HP「報告書・パンフレット等」(生きものマークガイドブック)
環境省HP「外来種被害防止行動計画」[外部リンク]
環境省HP「生態系被害防止外来種リスト」[外部リンク]
農研機構HP「鳥類にやさしい水田がわかる生物多様性の調査・評価マニュアル」[外部リンク]
農研機構HP「魚が棲みやすい農業水路を目指して~農業水路の魚類調査・評価マニュアル~」[外部リンク]
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