昔の記録によると、「冷汁(ひやしる)」は僧によって全国に広められ、冷たい料理が温かい気候の宮崎県によく合ったため、残ったとされています。夏の暑い時期でもかんたんにおいしく食べられることから、農家の人たちが栄養をとるためによく食べていました。地域によっては「すったて」、「つったて」ともいいます。
「冷汁」は朝早くから仕事に出かける農家の人が、残りごはんにみそと水を混ぜ、かきこんで食べていたかんたんな料理でしたが、土地によってさまざまな具を入れて食べるようになり、宮崎県全体に広がりました。時間のないときでも手早く食べられ、食欲のなくなる暑い時期にも口当たりよく食べやすい、昔の人の知恵が生かされた料理です。