





江戸時代(えどじだい)、加賀藩(かがはん)の土地にはカモが多く飛んできたので、「じぶ煮(に)」はカモの肉で作ることの多い料理でした。「じぶ煮」という名前は岡部治部衛門(おかべじぶえもん)という人が朝鮮(ちょうせん)から伝えた料理だからという説、煮ているときに「じぶじぶ」という音がするからという説などがあります。江戸時代にキリスト教の宣教師(せんきょうし)が伝えたポルトガル料理が、日本風になった料理ともいわれています。

「じぶ煮」には、竹でできたすだれに小麦粉の生地をはさんで作る「すだれ麩(ふ)」という麩を使います。「じぶ煮」のだしがしみやすく、かみごたえのある麩です。肉に小麦粉をまぶすことで、肉のうま味が閉じこめられ、汁にとろみがつきます。昔は冬の料理でしたが、現在では旬の素材を組み合わせ、一年を通して食べられるようになりました。





