





福井県には曹洞宗(そうとうしゅう)の大本山である永平寺(えいへいじ)があり、宗教とのかかわりがくらしの中に強くあります。大きな仏教の行事である報恩講(ほうおんこう)の時期は大豆の収穫期と重なることもあり、大豆をつぶして作る「打ち豆汁」は、人がおおぜい集まる報恩講の席で、精進(しょうじん)料理として、親しまれてきました。

打ち豆とは大豆を水につけてもどしたものを、石うすの上にのせて木づちでつぶしたものです。大豆はたんぱく質を多くふくむことから、肉や魚が今より手に入らなかった昔、日本ではよく食べられてきました。打ち豆は火が早くとおるので料理に使いやすく、また食べやすくもなります。みそ汁のほか、煮物やサラダなどいろいろな料理に使います。





